レコードの価格について思うこと(その2)

音楽は出来るだけ安く手に入るべきだと信じてきた想いはサブスクが叶えてくれた。勿論、配信されていない音楽は山ほどあるから、サブスクが全てを賄うことは不可能だし、昨日まで配信されてたものが、権利関係で今日にはないということもあるから、フィジカルの重要性は変わらないままだし、なんならより増したと感じている。ただサブスクはちょっと聞いてみようには手軽だし、最適だと思う。日本のアーティストが海外に出やすくなった面もあると思うし、当然その逆もある。そのあたりはYouTubeやTikTokなどの効果もあるし、話が壮大になりすぎて僕の手には負えない。ただ、サブスクだけではアーティストは食えないだろうなと思う。何億再生もされてるアーティストは別格だけれど。

このnoteを書こうと思ったきっかけはrecord store dayだ。初アナログ化が嬉しい物もあれば、え?こんなん再発されるん、しかもこの値段で?みたいなのもある。しかし、僕はもう現在の中古相場がわからないから発言権がないかもしれないけど、キングコングで300円で買えるんちゃうの?みたいなアイテムが再発されて3500円で販売されてることへの違和感がぬぐえない。日本と海外のマーケットの違いは当然あるとしてもだ。

僕がレコード屋だった頃から一部の商品に関しては値段が上がりつつあった。最初にあげてきたのEMI UKだったと記憶している。あくまで例なのだけれど、卸値£6だったLPが急に一律£11.5になったみたいな大幅な値上げだ。プレス工場の値上げ、混雑が理由だと人伝に聞いたけれど公式発表があったわけじゃないから、本当のことはわからない。それまで1980円で販売してたLPを3500円で販売しなくてはいけなくなる。レコード屋をしていて、なかなか辛いのは最近あの店ぼってない?みたいな噂を人から聞くことだし、前回書いたようにいかに安く仕入れて手に取りやすい価格で販売することを常に考えてきた身には卸値の値上げは仕方ないとはいえ、辛いものがあった。

現役を離れて20年近くなるから、このnoteに意味があるかはわからないけれど、そもそも僕が今まで書いてきた記事は大して意味のない感情の記憶と記録なのだから、受け入れてもらえるとありがたい。

原材料の高騰、輸送費の高騰、そもそもプレス工場の少なさ、職人の高齢化、素人考えでも値上げせざるを得ない理由は思いつく。勿論、レコード会社もインディレーベルも利益があがらないと続かない。

にしてもだ。新譜の7”に3000円、LPに8000円ではなかなか手をだせないのではないか。音楽道とコレクター道は似て非なるものと割り切ってしまうのは簡単だ。そもそもレコード収集は苦難しかない道なのだ。各国盤、バージョン違い、ジャケ違い、マトリックス、次行った時に買おうとしたらもうない、そもそも新譜こそ早く買わないと次に見つけるのが、まじ大変。だとしても買うしかないのがコレクター道。そもそも同じレコードを何枚も所有するとか意味不明。でもだからこそ楽しい。

着地点に迷いながらも次くらいで締めれたらと思いつつ、続きます。

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