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5%の夏



溶けていった記憶23%
手を広げて飛び立つその日は72%

急な豪雨に驚き、
雨が止むと安心したように向けてくる笑顔。
最近少し秋の香りが混ざっていると話す口。
視線の先をこぼさずに、
目でシャッターを押せたら良かった。

この瞬間を無かったことにしたくなくて
ぼくときみをちょうど半分こにした夏のようだ。

宙に浮く雲のように心の行方はまだ知らない。
謎の領域に包まれる95%の夏。

鈴虫が鳴く頃、
5%は懐かしい思い出になっているのかもしれない。


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