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合唱の編曲作品

歌謡曲や童謡、古今東西の愛唱曲などを合唱で歌うことはよくあることであります。
それらはいずれも合唱用の編曲がなされていないと、
合唱団では取り上げることは基本的に難しいでしょう。

楽譜の出版社各社やネット上にも、
合唱編曲の楽譜は多く出版されていたり、
公開されていたりします。

合唱の現場に携わっていると多くの編曲作品を取り上げたり、
また団や団員から提案されることも多くあります。

そこで私は沢山の問題を複数の場で目の当たりにします。
具体的な作者や作品名などは言うことを避けますが、
あまりに編曲の内容が良くない作品が多く出版されていることは嘆かわしいことだと思います。

おそらく合唱のソルフェージュ難易度を下げて、
ピアノも弾きやすいようにした編曲であることは予想がつきます。

そういった難易度の調整そのものは悪いことでありません。

問題はあまりにハモらないような和声の配置があったり、
音の進行があまりに不自然だったり、
決定的に記譜に誤りがあったり、
書いてある音が音楽的にあまりにお粗末だったり、
合唱やピアノにあまりに理解が無かったり

それだと易しいはずである編曲であるのに、
そのまま演奏したら全く美しくない
とても歌いにくい
間違って聞こえたり、演奏事故に聞こえるといったケースもあります。

またそんな編曲を地方のアマチュアなどを始めとした合唱の現場では、
実際に多く使われてしまっているのです。

出版の譜面を探したらそういう編曲しか無かったりもするので、
分からず使ってしまうこともあるのでしょう。

そういった意味でも
適当な簡易アレンジの流通によるその罪は大きいのではないでしょうか。

ではどうしたらいいのか。

まずは編曲の内容をちゃんと見極めてほしい
編曲は何でも良いわけではありません。

折角歌いたい楽曲を合唱でやるとなっているのに、
編曲がお粗末では選んだ曲の魅力も、
合唱で表現する魅力も損ねてしまいます。

楽譜に書かれている音から音楽を読み取ることは練習の時だけでなく、
選曲の段階から行われることが望ましいことです。

また取り上げたい曲の編曲が見つからなかったら、
信頼できる作曲家に依頼をしてみるのが良いでしょう。
そうすれば自分達の合唱団の編成や特徴などを生かせるでしょうし、
妥協して劣悪な出版物を使わなくても済みます。

合唱団のスタイルや方向性は実に様々です。
そんな多様な合唱団に適した曲を探すのは編曲モノに限らず一苦労ですし、
そのためには情報収集は欠かせません。

ならば自分達のポテンシャルを生かせる作品を作ってもらう!
これはそんな特別な思考ではなく、
ごく自然な発想ではないでしょうか。

最後にまとめると
編曲モノは楽譜の中身を見て検討しよう!
・自分達に合う楽譜が無ければ信頼できる作曲家に編曲の依頼しよう!

一意見として参考にして頂けますと幸いです。

※編曲を作曲家に依頼するときは、
著作権の管理状況を調べて、
権利者の許諾を得てから依頼や見積りをしましょうね。

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