ミュージアムで見つけた吸音仕上げ
美術館や博物館では、照明や温湿度計画が必須ですが、音環境に配慮した設計も多くみられます。海外の事例の中からいくつかご紹介します。
Jewish Museum Berlin / Daniel Libeskind
展示内容はもちろん、建築としても強烈なメッセージを伝えているミュージアム。無彩色で無機質な展示室の中に1室だけ色を使った展示室があります。
天井は吹付の吸音材仕上げとなっています。設備との取り合いも考えつくされており、美しいです。
Boston Fine Art Museum / Renovated by Foster+Partners
ボストンの歴史的美術館の一部を改修し、レストラン・展示空間とした例。実は3種類の吸音仕上げが施されています。見つけることができますか?
このように、さりげなく吸音仕上げを施すことで、意匠性だけでなく音環境の良さもデザインできますね。
※MPP(Micro Perforated Panel)… 直径1㎜以下の極小な穴を開けた薄いパネルや膜材のことを言います。背後に空気層をとることで吸音材として機能します。一般的ないわゆる「有孔ボード」の孔が4~8mm程度なのに対し、孔がとても小さいので写真(吸音仕上げ1・2)のように孔が目立たないのも特徴の1つです。
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