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2周目の告白 -俺の妹がこんなに可愛いわけがない15 黒猫if 上-

本当に大好きな作品が完結する。

この経験はありますか?私は数え切れないほどあります。

私はいわゆるアニメオタクです。アニメに限らず、漫画やラノベも大好きです。

しかし、物語に完結はつきもの。大好きな作品たちもいつかは終わります。作品が終わってしまえば、関連イベントや関連グッズはどんどんなくなっていきます。それは仕方がないことです。


そんな中!なんと!!私の本当に本当に好きだった作品がifルートという形で続編を出したのです。

タイトルにもあるように、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』です。


2013年に最終巻が発売され、物語は完結しました。しかし、主人公が別ヒロインと結ばれる将来が描かれるifルートが発表されたのです。

本記事は、その第2弾である『黒猫if 上』の感想を長々と語っていきたいと思います。

なぜなら、黒猫が死ぬほど好きだからです。すべての2次元キャラの中で1番好きです。1番の推しです。

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半分以上黒猫ですね。後ろにはバースデープレートがあります。

そんな推しが幸せになる世界線の話が世に出たんですよ!感想を書かずにはいられないですよ。

というわけで、ネタバレを大いに含む『俺の妹がこんなに可愛いわけがない15 黒猫if 上』の感想をあげていきます。


まず、私は大罪を起こしました。

それは、自らネタバレを踏みに行ってしまった、ということです。

私は、ラノベに限らず新刊を手にしたらまずパラパラするんです。ほんと無心でパラパラ。特に内容を読むわけでもなく、パラパラ。理由はありません。今からこれを読むんだ!オラわくわくすっぞ!みたいな意気込みでパラパラします。

そしたら、1番最後のページにキャラクター紹介があることに気付きました。普通ラノベのキャラクター紹介は1番最初か、新キャラが登場したページなどにあります。最後にあることはなかなかないです。しかし、超絶久しぶりにラノベを読んだため、1番最後にキャラクター紹介ページがあることに違和感を持てなかったのです。それが全ての原因。何の疑問もなく、ほう新キャラがいるのか〜と思い、プロフィールを読みました。

今回の物語に深く関わるであろう、新キャラの1番の秘密が書かれていました。

あ、やったわ私。

ラノベを読む際には、1番後ろにあるキャラクター紹介を先に見るのは絶対にやめましょう。


まぁそんなことは置いておいて。ここからがちゃんとした感想です。

あ、とても申し訳ないですが俺妹についての説明は一切しません。自己満記事になりますがご勘弁を。

最高でした。『上』と銘打っているのに、1冊でスッキリとした終わりを迎えます。以下感想は、4つの観点に注目して書いていきます。

①分岐点と分岐の仕方

当然ですが、俺妹なので本編が途中で分岐する形で物語はスタートします。

気になったのは、分岐点。本編ではみなさんご存知のとおり、黒猫は一度京介と付き合いますね。黒猫が(アメリカから桐乃を連れ戻した後の京介に)告白して、無事両思いになり、付き合うという流れでしたね。そして、その後黒猫は本当の目的のために一度別れるという選択をし、突然振られた京介は黒猫と桐乃に対する自分の気持ちをちゃんと考える機会を得ます。そして、黒猫ではなく妹の桐乃を選び、黒猫とは完全に別れる、というのが本編のお話です。

今回のifルートを読む前は、ここで黒猫を選ぶという分岐をするのかな?と思っていたのですが、全く違いました。

ifルートでは、京介の携帯が壊れてしまい、アメリカに留学中の桐乃からの「コレクションを全て捨ててくれ」というメールを見逃してしまいます。ここが分岐点になります。この世界線では、京介がアメリカで挫折した桐乃を救わないのです。そして、桐乃は自力でリアに勝利します。

この分岐は本当に予想外でした。面白い。ただただ京介が黒猫を選ぶという事象が生まれるのではなく、桐乃を救わないことで桐乃ルートの好感度パラメーターが上がらなかった、というギャルゲーの仕様を意識したようなこだわりが見えます。そして桐乃がいないことにより、より黒猫と過ごす時間が増え、黒猫の好感度お粗メーターが上がり、黒猫ルートのフラグが立つ、ということです。こうして見てみると、桐乃がいないから黒猫ルートにいけたという風に見えてしまいますね。でも、それって当たり前なんです。だってそもそもこの物語の前提が妹の話だから。分岐に桐乃が関わってくるのは当然ですね。

こういった、完全にギャルゲーなどを意識したような分岐の仕方は、本当に最高でした。アニメも分岐してエンディングが変わるように作られていました。このやり方がまだ使われてるんだなぁと懐かしくなりました。

②超常現象の要素

無事に黒猫ルートに分岐した京介たちはゲーム研究会のみんなととある島にゲームの取材のため、合宿に行きます。そしてそこで新キャラの槇島悠(まきしまはるか)に出会います。この少女の正体がこの物語の鍵なのですが、まぁ私は自らネタバレを踏んでいるのでこの子の正体を最初から知っていました。でもまぁ結構序盤からふんだんにヒントが散りばめられていたので、まぁそこまでつまらなくなることはなかったのでよかったです。京介も結構早めに気付いていたし。

まぁ結果を言ってしまうと、この少女は京介と黒猫の娘です。自分で未来から来たと自白します。しかし、自分が過去に来てしまったことで京介と黒猫が結ばれる未来がなくなってしまうと自分が生まれなくなってしまう、ということをしっかりと理解していたので、自分の情報は全く話しませんでした。そして、京介と黒猫がちゃんと結ばれるように、軽くアシストをし未来に帰っていきます。

こういったファンタジー要素は、俺妹本編には全くなかったので超新鮮でした。おそらく、元々の俺妹のファンが突然のファンタジー展開を目の当たりにして、ハァ?ってならないように、ちゃんと頭で「この物語には、超常現象の要素が含まれています。」と明記されていました。なんて丁寧なんでしょう!

私は、このファンタジー展開はKey作品みたいだぁと思いました。最後にはみんなの記憶から不思議な出来事に関わるすべてがなくなってしまうあたり、Keyみたいな展開だし俺妹でこんな展開が描かれるのかぁと感慨深くなりました。まぁ私はKey作品も大好きだし、日常にちょっとしたファンタジー要素が加わる物語は大好物なので、堪能させていただきました。

③別ルートの記憶

私は、ギャルゲーや乙女ゲーを数多くプレイしてきました。こういったゲームは周回するのが当たり前なので、別ルートで起こった出来事や主人公の別ルートでの記憶が物語に関わったりすることがあります。むしろそれを醍醐味にしているような作品も多くあります。今回の黒猫ルートでも、京介が別ルートの記憶をなんとなく覚えているような描写がいくつもありました。本編を隅々まで楽しんでいるファンは、いろんなところでふふふっと笑えたり、京介の選択に感慨深く(エモく)なれたりします。やはり、1番印象的だったのは京介が告白をする、ということですね。本編では黒猫が学校の校舎裏で京介に告白をします。しかし、今回の黒猫ルートでは京介から黒猫に告白をするのです。2人で花火を見ながら、黒猫は京介に大切な話があると切り出します。しかし京介は黒猫に「ダメだ」と言い、未来に帰った(すでに記憶から消えたはずの)槇島悠と、(そもそもこのルートでは存在していないはず)別ルートの自分に背中を押され、「好きだ、付き合ってくれ」と告げます。

黒猫推しの私はもちろん、俺妹好きの人なら全員ここで号泣すると思います。エモい、エモすぎます。黒猫ifと名言されているので、最終的には黒猫と結ばれることは確定しています。そこまでのプロセスをみんな楽しみにしているわけです。そのラストを完璧に仕上げてくれて、もう感無量です。よくやってくれたよ京介。ようがんばった。

④双子の姉妹

そして描かれる未来の京介と黒猫。ラストのシーンで、2人には4人の子どもがいることがわかります。真ん中の2人は、今回の物語に深く関わった双子の姉妹。明らかに黒猫に似て育った姉の璃乃(りの)。璃乃という名前は、黒猫の本名である瑠璃から一文字、京介の妹の桐乃から一文字もらったのだろうと予想できます。過去にタイムスリップし、性格と見た目が桐乃に似ているような妹の名前は悠璃。過去では槇島悠という偽名を名乗っています。璃という文字は姉同様黒猫からとってきたのでしょう。では悠という文字は…もしかして中の人から持ってきたのか…?なんて妄想が捗りますね。

またこの姉妹もとても仲が悪いようです。そして妹の悠璃は学業優秀、容姿端麗、性格がよくて友達も多い、完璧超人と紹介されています。本当に桐乃にそっくりですね。この辺の設定も本当に俺妹らしくて好きです。この妹たちの物語もラノベ化してくれたらなーなんて思っちゃいます。


以上、4つの視点で感想をつらつらと語ってみました。

本編では黒猫は桐乃に負け、京介で振られて闇猫と化してしまうわけで、正直可哀想だけどサブヒロインの宿命だし、そもそも実妹エンドなのに納得できる形で物語の最後を迎えていたので、良い終わりだったなと思っていました。しかしいざ推しが本命になるルートは本当に最高ですね。尊いです。黒猫の可愛さがいたるところに散りばめられていました。ご馳走様でした。

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