自由俳句 #21 鳥鍋
腹すかせ行くよ冬至の月の下
冬至の空は、明るく雲が速く流れていく印象です。忘年会で集まった座の上に月が浮かんでいます。お酒か寒さのせいか目尻に涙がたまり、光を滲ませます。
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鳥鍋
手の内へ紙の把手を三つ提げ
電飾や空へと掛けるオリオン座
金色のリボンが袋の口絞る
鳥鍋や箸を持つ手の薬指
自動販売機開けば駅寒し
四色のマークの車街冴ゆる
背表紙の分厚さ第二関節ほど
腹すかせ行くよ冬至の月の下
火の上のやかん朝日へ湯気たてて
外套のぼたんかけ違へを直す
ぎんが
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