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超早朝ライドのすすめ

 来週から仕事がめちゃくちゃに忙しくなるので、この土日でロードバイクに乗って今のうちに現実逃避してしまおうと思い、午前は3時から自転車に乗った。
こんだけ朝が早いと、景色は本当に真っ暗で頼りないフロントライトの明かりを頼りに走ることになる。偶にハナキン帰りの車があっという間に追い抜いて行く。車の明かりは一瞬で遠ざかって、真っ暗な中の点になる。
 こんな真っ暗な中をずっと走ってると、深海を泳ぐ魚の様な気分になってくる。暗い世界で、ちっちゃな明かりを頼りに餌を探してるかのよう。だいぶ現実逃避出来てきたぞ。
50kmくらい走ると、アップダウンのある海沿いの道に出てくる。ここは自分のお気に入りの道で、海の向こうは水平線…ではなくて別の島があり、リアス式海岸で入り組んでいるので見た目には沢山の島が連なって観える。今は何にも見えないけど、6時を過ぎてくるとほんの少しだけ海の向こう、島の向こうから明るくなってくる。今まで見えなかった景色が薄っすらとモノクロで見えてくるこの瞬間が、きっと何百年も変わらない瞬間なのだなぁ過去の誰か同じ景色を見てたんだなぁと思うとたまらない。
 太陽はどんどん上ってくるので、このモノクロの景色は一瞬で終わる。上らんでくれ太陽、来週よこないでくれ、と思っていてもハッと気づいたら海は青く山は緑に色付いて視界に色彩が戻っている。
 現実逃避の終わり。
 結局はめちゃくちゃに忙しい来週が来るのは変わらないし、睡眠時間を削ってるので、家に帰ってきたらあり得ないほど眠い。
でも、この走ってる間は普段の事を全部頭の中からほっぽり出して眼の前の総てを感じる事が出来る。
 「普段の事」は知らん間に必要ないものも溜まってるのでこうやって捨てないといかんのではないか。
自転車乗らない人はどうやってるんだろう。飲んでほっぽり出してるのか。
 ぼんやりと考えながら、風呂に入って最高の二度寝をする。多分1ヶ月後くらいにまた早朝ライドするだろうな。

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