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スマホゲームにおける【データ分析】をご紹介 〜最も勝率が高いのは?〜

こんにちは!『逆転オセロニア』運営チームのとっくんといいます。

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『逆転オセロニア』の運営チームの中には、オセロニアのさまざまなデータを扱う、分析チームというチームがあります。今回のnoteでは、分析チームの役割を紹介しつつ、オセロニアのデータについて紹介していければと思っております。

突然ですが、ここで1つクイズを出題したいと思います!2020年1月から8月までの月ごとのシーズンマッチで、100位以内を獲得したプレイヤーが記録した最高勝率は何%でしょうか?正解は、noteの中でお話しできればと思います。

1. 分析チームって何してるの?

分析チームでは、データアナリストが、プレイヤーの皆さんのプレイデータを分析しています。データをもとにして、新機能開発チームや運用チームに、より面白いゲームにするためにはどのような新機能やイベントを開発したらいいのかを提案するというのが分析チームの主な役割です。

分析チームが扱うデータは多岐に渡ります。たとえば、以下のようなものです。

・新しくオセロニアを始めたプレイヤーにどのくらいの期間遊んでいただけているのか。辞めてしまうプレイヤーはいつゲームから離れてしまうのか

・コロシアム、決戦、カップ戦などのイベントは、どれくらいのプレイヤーに遊んでいただけているのか

・逆転コインショップやバトルコインショップの駒はどれくらい交換していただいているのか

初めにクイズで出題したようなデータも、分析チームで確認することができます。このクイズの正解は、76.1%です!この勝率は2020年6月のシーズンマッチで記録されています。4戦3勝以上のペースになるので、ダイヤモンドマスター帯においてこのペースで勝利を積み重ねるというのは凄まじい記録ですね。

2020年1月から8月までの8ヶ月間のシーズンマッチで、70%以上の勝率で100位以内を獲得したのは延べ39名となっています。75%を超えているのは、この最高勝率を記録した2020年6月の1名だけです。多くの対戦数を重ねたうえでもシーズンマッチの勝率で70%以上を記録するというのは、毎月5人程度しか達成できていない非常に難しいことだとわかります。

2. 対戦環境に向き合うために

最近では、対戦環境のデータをわかりやすく集計・分析するということに力を入れてきました。これは、運営チームの方針として、今まで以上に対戦環境に向き合い、より面白い対戦環境を実現するために積極的に調整を加えていくことを掲げているためです。運営チームの中だけでデータを見て議論して、対戦環境についての方針を決めていくのではなく、運営チームが見ているデータをそのまま公開して、それを踏まえた皆さんの意見を伺いながら方針を決めていくことで、より面白いゲームを共に創っていきたいという考えです。

新シーズン開幕のときの新着オセロニアなどでは、プロデューサーのけいじぇいさんが、対戦環境のデータを公開しながら、運営チームが対戦環境をどのように受け止めているのかについて話していると思います。ここでデータを提供しているのも分析チームです。単にデータを渡すだけでなく、どのようなデータを提供するか、それをどう解釈するかについて、けいじぇいさんや運営チームと一緒に議論しながら、対戦環境についての方針を決めていきます。

▼2020年8月31日公開【新着オセロニア!】発表 より

新着オセロニア

2020 2nd SEASONからは、ゲーム内ニュースの中で、「シーズンレポート」として対戦環境のデータを公開しています。シーズンマッチでどのようなデッキが強いのか、デッキ間の相性はどうなっているのかの情報をお届けしています。皆さんの参考になっているでしょうか。これからも、様々なデータを、よりわかりやすいかたちで皆さんに届けられるようにしたいと考えています。ぜひゲーム内の[ご意見・ご要望]から、皆さまのご意見をお寄せください。

▼2020年7月度シーズンレポート より

シーズンレポート

3. 対戦データを細かく見てみよう!

運営チームでは対戦環境のデータを細かく確認しています。シーズンレポートや新着オセロニアでは、無補正の日のデータをお見せしていますが、これは、それぞれの補正での対戦データは気にしていないということではありません。それどころか、運営チームでは、1日単位で、どのようなデッキが使われ、どのような勝率を残しているのかを確認しています。

たとえば、2020年9月10日のダイヤモンドクラスの補正は「神HP1.0倍、神ATK0.9倍、魔HP0.9倍、魔ATK1.0倍、竜HP1.0倍、竜ATK0.9倍」でしたが、この日のダイヤモンドマスタークラスの対戦データは次のようになっています。無補正ではあまり見ることのない楔デッキや代償デッキが多く使われ、高い勝率を残していることが確認できると思います。(9月のシーズンマッチでは、代償デッキのリーダー駒である「[契約の双刀]フィリーナ」「[遠見の巫女]キルケー」にアップバッジがついていました。)

▼2020年9月10日のダイヤモンドマスター帯の対戦環境

2020-09-10のシーズンマッチ環境

対戦の具体的な状況に踏み込んで分析を行うこともあります。ここで再びクイズです。次に挙げる場面のうち、最も勝率が高いのはどれでしょうか。

(1) 先攻の神殴りデッキで、2ターン目に「[式神召喚]ハルアキ」を置いたとき
(2) 先攻の納涼メフィストデッキで、1ターン目に「[血戦の吸血鬼]アルカード」を置いたとき
(3) 混合殴りデッキで、1ターン目から手駒に「[大地を支えし幻獣]バハムート」を引いているとき
(4) 暗黒竜デッキで、3ターン目までに「[先陣の騎士団長]ジリアン」を置いたとき
(5) 速攻竜デッキで、1ターン目から手駒に「[地城竜]ランドタイラント」を引いているとき

※8月のシーズンマッチで無補正のときのダイヤモンドマスターの対戦ログから集計

これらの状況は、いずれも有利な状況だといえます。自分がこの立場にいれば「やった!」と思うでしょうし、対戦相手がこの立場にいれば苦い気持ちになるでしょう。それでは、これらの状況は、実際どれだけ勝利に近いのでしょうか。

分析チームでは、対戦データからこれらの状況が発生した対戦だけを抽出し、その対戦の勝敗を集計することで、これらの状況が実際にどれだけ有利なのかを明らかにすることができます。実際に分析してみると、以下のような結果になります。

(1) 55.7%
(2) 56.3%
(3) 56.1%
(4) 60.2%
(5) 59.1%

いずれも、基準の50%を超えているため勝率は高い値になっています。ここでは、「4. 暗黒竜デッキで、3ターン目までに「[先陣の騎士団長]ジリアン」を置いたとき」の勝率が最も高いですね。この数値をどう解釈するかは慎重に考える必要がありますが、いずれの場面についても、勝敗はまだまだ明らかではないといえるでしょう。

月ごとのスキルバッジをどうするかや、今後にリリースするキャラクターのスキルをどういう方針のもと決めていくのかについては、このような数値も踏まえながら、けいじぇいさんやバトルチームと議論を進めていきます。不利なデッキタイプが少なく総合勝率が高くなりすぎているデッキや、特定の盤面進行や駒の組み合わせで早期に勝率が高くなりすぎる場合があれば、それらを伝えて、どう対応するのかについて一緒に考えていきます。現在も、理想的な対戦環境を実現するにあたって取り組まなければならない課題は残されていると思いますので、分析データを活用することで、オセロニアをより面白い対戦ゲームにすることに貢献できればと考えています。

4. おわりに

私は運営チームにおいてデータをもとに提案を行うのが役割ですが、データだけで全てが決まると思っているわけではありません。対戦環境についての方針を決めるにあたっても、データだけではなく、プレイヤーの皆さんのご意見も伺いつつ、どのような要素が対戦の面白さを阻害しているのかについて考えていくことが必要になります。何よりもゲームを楽しんでプレイして、そこで感じたことを言葉にしていくことが大切です。
 
私自身もオセロニアを楽しんでプレイしています!特にカップ戦は好きなコンテンツで、オセロニアの分析を担当することになって以来、2年以上にわたって全ての月で対戦可能数を全消化しています。少し前には初めて200位を切ることができて、レジェンドまであと一歩......!までいけたのですが、レジェンドの壁の厚さを改めて痛感しました。スパルムをリーダーとするような毒耐久デッキが好きで、そのようなデッキが多い月は得意なのですが、ラニなどの殴りデッキが多い月はイマイチ苦手です。火炎デッキや回復耐久デッキなどの多くのデッキがある中で、どのようなデッキが相手であってもベストな立ち回りをするのはとても難しいと感じています。
 
データを分析するときにはどのような観点から分析を行うかが大切になります。オセロニアンの皆さんがご意見BOXに送っていただいている内容や、SNSに書かれている内容をもとにデータを調べてみることも多いです。分析チームでは、データを通して皆さんとやりとりしつつ、『逆転オセロニア』をより皆さんに楽しんでいただけるゲームにしていきたいと考えています。

最後に、分析チームでは『逆転オセロニア』の分析について様々な場所で発信しています!より専門的な内容にはなりますが、もし興味をお持ちいただけたのであれば、対戦環境の分析についてより詳細に説明した以下ブログ記事や、デッキタイプ抽出についてのスライドなどをご覧いただければ幸いです。


分析チーム とっくん

〈次回の配信予定日:2020年10月8日(木)〉


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