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オークスを前に過去の忘れな草賞のレースを分析してみた。

今年もオークスの季節が近づいてきた。
今年は桜花賞がただでさえ大混戦な結果に終わって、みなさんと同じくずっと頭を悩ませてる。

そしてただでさえ頭を悩ませているところ、忘れな草賞勝ちのアートハウスが有力馬の一頭に上げられていてさらに頭を悩ませている筆者。
忘れな草賞勝ち馬は例年秘密兵器として扱われ、時にはオークスに勝ち時には惨敗する本当にやっかいな存在。
そこで過去の忘れな草賞勝ち馬を過去の忘れな草賞のデータからきちんと分析してみたい。


①過去15年の忘れな草賞勝ち馬でその後重賞で馬券圏内に入った馬がなんと8頭も存在する!

阪神競馬場のコースが改装されてから15年が経過するが、過去15年の忘れな草賞勝ち馬がその後重賞で馬券圏内に入った馬が8頭(重賞勝ち馬6頭。そのうちG1勝ち馬もなんと3頭も存在)存在している。

【G1を制覇した馬】
・エリンコート(2011年オークス)
・ミッキークイーン(2015年オークス・秋華賞、2017年阪神牝馬特別)
・ラヴズオンリーユー(2019年オークス、2022年ブリーダーズカップF&M ターフ、香港カップ他)

【重賞を制覇した馬】
・ザレマ(2009年京王杯オータムカップ)
・ムードインディゴ(2009年府中牝馬ステークス)
・キャトルフィーユ(2014年クイーンステークス)

その他2頭のウインマイティーとステラリアについても、前者は2020年オークスで13番人気3着・後者は2021年エリザベス女王杯で7番人気2着と共にG1で大穴の立役者になっていることは考慮すべきである。
残り7頭のうちオールフォーラブも2019年米子ステークスを勝っており、忘れな草賞を勝つためには重賞クラスの実力が必要あると言いきって問題ないだろう。

なお過去15年の忘れな草賞2着馬3着馬でその後重賞で馬券圏内に入った馬が2021年エイシンヒテン(2021年ローズステークス2着)しかいないことも併せて留意したい。


②桜花賞とのタイム差が28秒以内の年の忘れな草賞勝ち馬は強い可能性が高い!

忘れな草賞と同日(2レース後)に行われる桜花賞のタイム差が28秒以内に収まっているレースが過去15年で9レース存在していて、その後重賞で馬券圏内に入らなかった馬は2頭のみ(デリキットピース、ディルガ)なのは特筆に値する。
(下記図のうち黄色ラインが該当レース。忘れな草賞勝ち馬欄に色が付いている馬が重賞で馬券圏内に入った馬。)

桜花賞とのタイム差が28秒以上あった年でもエリンコートのような馬が出ているのだが、ミッキークイーンやラヴズオンリーユーという名馬は勿論後の重賞クラスの馬はハロン14秒以内に収めてきているので1つの目安としては参考になる。


③忘れな草賞で前3ハロンと後ろ3ハロンの合計が72秒以内かつ後傾ラップで勝った馬は強い!

②では桜花賞との比較を書いてみたが、ここでは忘れな草賞のレースタイムそのものに注目してみたい。
レース分析で最も参考になるのが前3ハロンと後3ハロンのタイムである。

競馬は「①スタートでポジションを取る」「②道中かからずマイペースで走る」「③ラストスパートで全力を出す」という3つから構成されている。
つまり前3ハロンと後ろ3ハロンが72秒を切る=スタートかゴールで脚をきっちり使えている可能性が高いということになる。
過去15年の忘れな草賞でも8レース該当していて、G1馬3頭もきっちりクリアしてきているのが見て取れる。

ただこれだけだとその後好成績を上げた馬もそうでない馬もリストアップされているので、更に突っ込んで「前後ラップが72秒前後のレースより「後3ハロンが前3ハロンより速いレース」」を抽出すると、下記5レースが該当する。

ここまでいくとかなり絞られて、ミッキークイーンおよびラヴズオンリーユーはきちんとクリアしてきているし、エリザベス女王杯2着馬のステラリアもクリアしてきている。
そこで筆者は忘れな草賞勝ち馬でも強い馬の条件として「前3ハロン+後3ハロンが72秒以内かつ後傾ラップで勝っていること」を指標にしたい。


実は「アートハウスはオークスで馬券圏内に入るのか否か」というテーマで書こうと思っていたのだが、過去の忘れな草賞を分析しているうちにテーマが忘れな草賞勝ち馬のその後の話になってしまったことは否めない。
しかし忘れな草賞はリミテッドレースでありながら勝ち馬に関しては重賞勝ち馬と同等の扱いでよいことを伝えられそうなのでよかったと思ってる。

なおアートハウスのオークスの結果については正直なところ分からないが、過去の忘れな草賞の勝ち馬を分析したところ②③両方の条件を満たしているため彼女の将来は明るいものだと断言してもよさそうである。

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