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ソフトスパゲッティ式めん 新ルウ開発物語。(後編)

6月12日から、OTEMOTOストアにて販売を開始した 米山萬商店の「ソフトスパゲッティ式めん」。この商品は島根県出雲地方で長い間愛されてきたご当地商品。
ですが、生産工場の関係で従来のルウが製造できなくなり、私たちが新しいルウの開発をサポートすることになったのです。
「ソフトスパゲッティ式めん」は、OTEMOTOストアが開発からサポートした初めての商品です。

新ルウ開発物語。そのに。


こちらの記事の続きの記事になっております。合わせてお読みください。
<出雲のソウルフード『ソフトスパゲッティ』って知ってる?(前編)>

はじめての試食会@出雲

2023年8月。7月に実施したテレビ会議を受けて、試作品のルウができたとの連絡があり、OTEMOTOメンバーで出雲に向かいました。そして初めての試食会!食べてみた感想は、、
「なんだか酸っぱい」
「これは苦みを感じる」
「焼きそばかな?」
正直、いくつか用意された試作品がどれも全くしっくりこない味でした。
このとき ”思ったよりも大変な道のりだ” と確信した私たち。
成分表とにらめっこしながら、足りない旨味や甘みを足す方法を考えて次の試作をお願いする形で東京に戻りました。

成分表とにらめっこしながら考えるOTEMOTOメンバーたち

2度目の試食会@出雲

2023年9月。私たちは再び出雲へ向かいました。
この試食会でも正直あまりピンと来る味にはなっておらず、、
米山さんたちの原材料へのこだわりもあり、いろいろなパターンの試作品が出来上がっていたことで、より、迷宮入りしてしまいました。

『購入してくださるお客様が求めているものは何なのか?』
原材料にこだわること? 価格を抑えること? 量を確保すること?
これがわかってから味の方向性を決めるべきなのでは?という結論に至り、
「お客様が何を求めているかを知る」ためのアンケートを実施することになりました。
米山さんもアンケートの実施に前向きで、スーパーさんへの依頼などを迅速に頑張ってくださいました。

アンケートを実施している様子

試作と挫折を繰り返す日々

2023年10月〜2024年3月。この期間はずっと試作と試食を繰り返していました。アンケートの結果から「今の味が好き」というお声が多く、味の再現に注力することになったのですが、それがとても大変なことでした。
出雲にいる米山さんと定期的にテレビ会議をして、お店の状況や現行品のルウの在庫数などを確認。いつから新しいルウにしないと間に合わないのかなどを確認しつつ、試食品を送っていただき何度も試食会を繰り返しました。この期間は製造機械の故障や人員不足でてんてこ舞いな中、年末年始のおそばの繁忙期がやってきて、米山さんもルウの開発に時間を割けず、苦労されている印象でした。「試作をしすぎて正解がわからなくなった、もう無理なのでは?」と切り出した米山さんを「大丈夫。一緒に頑張ろう」と勇気づけ、テレビ会議やお電話を重ねながら事情を聞いたり、励ましたりした、試行錯誤の日々でした。
ずっとずっと励ましていましたが、実は私たちも思うようにいかない日々の中、現行品のルウの在庫は減っていき、新ルウへの切り替えのタイムリミットが迫ってきた焦りで不安になっていたのも事実です。

試食会で準備された試作品たち

その時は突然!

2024年4月。またいつものようにいただいた試作品で試食会を行ってみると、なんとびっくり!!一口食べただけでは現行品との違いがわからず、
「私どっちを食べたかな?」とみんなが確認するほど。
そう、そのときは突然にやってきたのです。
ついに現行品にほぼほぼ近い新ルウができた瞬間でした。私たちもひっそりと挫折しかけていた中、心が折れていたように見えた米山さんの炎は消えておらず、真摯に改良に取り組んできた結果が、ついに実を結んだのです。

2024年5月、最後の試食会。
4月に届いた試作品にお野菜やウインナーを入れて、普段の食事のようにして食べてみると、、
「とっても美味しい!これでいける!」
と、みんなから納得の声があがりました。
そして、これが本当に最後の試食会になり、新ルウの販売も6月からで確定、OTEMOTOストアでの販売やOTEMOTOの?での先行販売へ進められることができました。

おいしい!ようやくみんなが笑顔に

みんなの想いが詰まった新ルウ。

OTEMOTOストアとして商品開発に携わったのは初めてのことでした。出雲と東京、少し距離がありコミュニケーションの取りづらさや考えの違い、お互いの繁忙期のズレなど、悩みの種が多かったのですが、一緒に新ルウの発売まで到達することができました。米山さんの想いがOTEMOTOメンバーを動かし、そしてその想いに応えてくれるお客様がいてできた商品です。
新ルウの開発を通して、どれだけソフトスパゲッティ式めんが地元で愛されているかを私たちも米山さんも知ることができました。
そして、今までよりもっともっと大事にしたい、皆さまに食べていただきたいという想いが強くなりました。
もし少しでも興味を持ってくれた方がいたら、ちらっとOTEMOTOストアのソフトスパゲッティ式めんのページものぞいてみてもらえると嬉しいです。