光る君へ 第三回 「謎の男」
謎の男、直秀登場。
前回の最後、まひろが(父に隠れて)やっていた代筆仕事。道長はまひろを探すが、まひろの父為時に買収された絵師はけんもほろろに拒む。
諦めた矢先、道長は別の男に間違われてお縄に。
まひろはまだ道長の正体を知らない(いずれはばれる)。
毎熊克哉さん演じる直秀。
市井に生き、街角で風刺劇|散
主要人物でしょうか。
道長は釈放されるが
平安時代の警察機関、検非違使の下っ端放免に捕まり、一度は獄に入っていた道長は釈放。
帰宅すると、父兼家のお説教が待っています。
兼家さんの願いは相変わらず「摂政の位を取る事」ばかり。
そして、庶民の暮らしや思いには目もくれず。うーん。
道長、ふっとまひろちゃんの事を思い出す。
「お前、好きな人がいるのね?」
姉詮子サンの読みは当たっていました。
場面が変わり、まひろちゃん家。
従者の乙丸の制止を振り払うでもなく、「縁側で月を眺めるの」と。すると、誰にも気付かれずに、先程の男直秀がこっそり「三郎」の無事を知らせます。
仲良し姉弟、まひろと太郎。そして画伯
ここで、まひろの弟が奔走します。
幼名は太郎。後の藤原惟規です。
演じるのは高杉真宙さん。
まひろと太郎の兄弟は仲良し。太郎は勉学が苦手な上、優秀過ぎる姉と比較されがち。でも、本人は至って飄々としています。
まひろは太郎に似顔絵を渡しますが。。。これは「画伯」ですね。
弟に笑われるまでもなく。
余談ですが、初回のエピソードに、漢文をすらすら憶えてしまうまひろちゃんを、為時パパが「お前が男子だったらなあ」と呟く有名なシーンがありました。
ここで登場、道長の同僚達。「帚木」帖のあのシーン
再び、お仕事をする道長。宮中の安全の為、宿直をしていますが、別にこれと言って気になる事もないので、皆楽な格好をしています。
碁を囲み、何を話すかと言えば、道長が獄に捕まったネタから、同僚の一人藤原公任の手にある、ラブレターの数々から次第に恋愛話へ。公任の姉は円融天皇の女御、つまり彼は同僚でありライバルでもあります。ハンサムな町田啓太さんが演じています。
『源氏物語』の「帚木」帖には、夜勤中に男性陣が集まりこぞって恋愛話をして盛り上がるというシーンがあり、それはそのオマージュでしょう。
公任君は相当モテているようですが、手も早そう。
同僚達には、他に大納言の子息藤原斉信や、非常に達筆な藤原行成も。
頑張れ、少年探偵太郎くん
屋敷にカンヅメの姉に代わり、町に出てあの似顔絵を頼りに「三郎」を探しますが、絵師のおじさんにも門前払いを食って、頑張りますが見付かりません。
それじゃあ見付からないし、まさか大臣家のボンボンとは思いもよらないですしねー。
姉思いの太郎君がとても優しい。このまま拗らせないで欲しいものです。偉くなくても良いから、このまま大人に。
偶然、貴族姿の道長も馬に乗って通りますが、太郎は気付かずじまいでした。
今日の実資さん:女性達に総スカンを食らう
お傍に仕える帝がお疲れのご様子で、ちょっと「これはただ事じゃない」と気付き始めます。実資さん、真面目で仕事できるし、誰かさんと違って邪な野心もなくて、そりゃあ帝は手放さないですよね。
しかし、こっそりと帝にお仕えする女房達の反感を買い、総スカンを食らってしょんぼり。
『光る君へ』でも、芸人さんが俳優として何人も出演していますけど、こんなクスっと出来るシーンは、実資さんには申し訳ないけれど、楽しくて仕方がないです。
帝は健康問題を理由に譲位を迫られ、悩んでしまいます。
今日の東宮さま:ぶっ飛びぶりは健在、帝の頭痛の種
前回(第二回)のレビューでは書きませんでしたが、大人になった東宮(=皇太子)こと師貞親王は、相変わらずのぶっ飛びぶり(褒めてます)。演じる本郷奏多さんが芸達者すぎます(褒めてます)。為時パパも手を焼いていますが、帝にとっても頭痛の種。
前述の実資さん曰く、「(東宮様が即位すると)世が乱れますぞ」と表現する程。
一人っ子の懐仁親王、つまり後世の一条天皇を帝として即位させる為、甥っ子の東宮を即位させる必要がありますが、いやはや。
帝のため息が聞こえてきそうです。
今日の道兼さん:良心の呵責に悩む
「超」が付くほど優秀な道隆お兄様と、勉強は出来ないしお調子者だが愛されキャラの弟道長に挟まれている道兼さん。
お父上のドン兼家に過去の「過ち」を利用され、汚れ仕事を嫌々やらされる羽目に。
本当は、ただお父さんに愛されたいだけ。
道兼にとって一番の味方だった母時姫は既に亡くなり、家の中でもやや孤立しがち。
帝のお付きの女房に、こっそり毒を盛らせて弱らせる役をやらされますが、ドンに「そのおなご抱いたのか」と訊かれて絶句。
しかも、職場の同僚(先輩かな?)にはあの仕事人実資さんもいて、ますます針の莚状態に。
そんな道兼さんの味方になる方は、今後現れるのでしょうか。
ところで、長兄道隆さんのお宅のシーンが今回チラッと。
お庭で遊ぶ女の子と、その傍ではしゃぐ幼い男の子に注目。
後の一条天皇と、その中宮(=正妃)定子です。
ところで、ドン兼家。個人的に映画『ゴッドファーザー』の父ヴィトーに通じるところがある気がします。
三部作の第一作は一見、ヴィトーが主人公のようですが、全体的な主人公は三男のマイケルです。
従って兼家ファミリーの三男坊は…今は考えるのやめとこ。
まひろちゃん、キラキラお姫様の文学サロンへ。
ある日の事。
まひろちゃんは為時パパから、遠い親戚にあたるお屋敷へ、和歌のお勉強会に向かいます。
まあ、そこには為時パパとドン兼家の真っ黒い理由もあるのですが、今は脇に置いておいて。
向かった先は、宇多天皇の血筋を引く土御門殿。屋敷の主は源雅信(演:益岡徹さん)、北の方はまひろちゃんの遠い親類でもある藤原穆子(演:石野真子さん)。
一の姫(長女)の名は源倫子(演:黒木華さん)。雅信パパは娘を溺愛しており、なかなか手放そうともしません。
そんな彼女は、お母上の見守る中、他の姫様達とサロンを開いています。
劇伴(=劇中で流れるBGMのこと)は華やかなワルツ。
倫子さんは皇室の血も引く生粋のお姫様。黒木華さん、平安装束がよくお似合い。そこにいるだけで華やかな空気を作っていて、凄い俳優さんだと思います。
まひろちゃん、装いからしてちょっと浮き気味。実母ちやはさんは既に亡く、為時パパは漢籍にしか興味がありません。そう言えばこんな時に、の宣孝さんもいないし。
サロンの先生は穆子さまのお付き女房で和歌の名手赤染衛門(演:凰稀かなめさん)さま。史実の赤染衛門の和歌は、百人一首をはじめ後世に知られています。
そして、演者が宝塚元トップスターだった方だけあって、声が聴きやすく綺麗。舞台出身の方はやはり違いますね。
史実の赤染衛門の和歌は、百人一首にも選ばれています。
空気読まないヲタ女子まひろちゃん。
倫子姫が上手にフォローする
文学のお勉強会と言えば聞こえは良いですが、お姫様達のサロンは遊び半分お勉強半分。
偏継ぎカルタが出て来て、ワイワイ遊びながらお勉強するなら楽しそう。
そこで、空気読めないまひろちゃん、全部取っちゃった!(驚)
姫様方のやっかみ半分な声を諭す倫子姫。凄い。
休みの日でもお勉強する若君達
シーンはまた変更(テンポが速い)。
今度はお仕事が休みの日、誰かの家に集まり、お勉強をする若君達が登場。
宮中ではないので、それぞれ私服(狩衣)姿です。
若君sが勉強するのは、専ら漢籍。
すらすらと暗誦する公任君。
ちらっとお隣の行成君の綺麗な書体を覗き込んでます。
優秀な友人達に混じり、ちょっと劣等生気味の道長くんですが、本人あんまり熱心じゃなさげです。
まひろちゃん、ドン兼家と為時パパの企みに気付くが…
次はまひろちゃん家。
為時パパに、お勉強会の報告をします。
倫子姫が入内する意思があるか否かを訊かれて、自分が間者として送り込まれたと気付くまひろちゃん。
でも、やり切れないもやもやを抱えつつ、通い続けると為時に告げます。
イライラしつつ、自室に戻るまひろちゃん。片隅には、母上の形見の琵琶が。
再び倫子姫のお勉強会。
衛門先生指導の下、姫の一人が和歌を諳んじますが、その歌は古今和歌集のパクリで、きちんと自分で考え作らねば、と諭されます。
小野小町の歌を諳んじる衛門先生に、思わず「凄い! 合ってます」と返事してしまうまひろちゃん。
やっぱり空気が読めません。。。
すかさずフォローする倫子姫。頭の回転良すぎ。
帰り道。
父に隠れて、散楽を観る為寄り道。
そこへ、庶民姿の道長が現れます。
道長とまひろちゃんの再会。
そして、散楽の俳優の仮面が外れ、直秀の素顔が露わに。。。
次回へ。
体感、数秒。
実は、第3回で、すっかり沼落ちしました。
これだけの場面があるにもかかわらず、物語のテンポも速く、そして面白い。
宮廷内の政治ドラマに主要人物の恋愛話が絡まり、既に脚本家大石静さんの術中に嵌りました。
平安時代、面白い・・・!
面白すぎる余り、長々と書き過ぎました。
今回も、お付き合いいただきありがとうございました。
(続)
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