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避難場所のピクトグラム

歴代7人の総理大臣を支えた石原信雄元内閣官房副長官が、防災情報機構理事長であった時、石原様から太田が直接依頼されて提出した避難場所表示デザインの素案の一つを、中央7省庁を集めて正式採用させたとのこと。現在その避難場所の絵文字は、全国全ての小中高の運動場や大きな公園などに設置されています。建物の非常口から屋外の避難場所まで昼夜を問わず一貫した「避難誘導サイントータルシステム」を目指して、蓄光剤を含むサイン業界100社の10年に及ぶ協力を得て、世界初の一貫する成果を太田が中心になって作り上げました。

けれども、所轄する省庁が屋内と非常口は総務省消防庁、屋外と避難場所は国土交通省と異なる「縦割り行政」の壁に阻まれてしまいました。2省庁が別々に所轄する内容を、一体として活用してこそ有効な避難誘導サイントータルシステムは、結局実用化できませんでした。日本が災害大国でありながら「防災大国」にまで成長できない最重要な事由は、縦割り行政の優先で、複合災害に対する考慮と対策が欠如してきた歴史にあると言えるでしょう。「くらしと絵文字」の教科書の中ではせめて、非常口と避難場所の絵文字を、一緒の頁に掲載したいと思います。

「非常口から避難場所へ」を意味する避難誘導サイントータルシステム(デザイン 太田幸夫)

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