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絵ことば LoCoS -3

LoCoSの文章は1966年イタリア(ベニス)留学当時、日本語と同じ縦組みでしたが、主語のすぐ後に動詞や助動詞が並んで結論がわかりやすい英語の横組み S+V+O の方が、合理的社会に相応しいと思って、横組みの語順にしました。

ところが動詞の働きをいかに表現するかで1年以上の自問自答に苦しんだ結果、左の主語と右の目的語または補語を結びつけ、関係づけるものと理解できました。その意味は一本の横棒で表現できると分かった時は、天にも登る気分でした。

横棒は動詞「〜する」の基本形、それを斜め棒で否定形にすれば、「〜しない」の現在形となり、存在を意味する点を横棒の左につければ「しなかった」、右につければ「しないだろう」と過去形および未来形になる。

同じ横棒でも下に置かれると「土とか場所」の意味なので注意しましょう。

横棒の右に目がつけば「見る」となって、同じ「目」の形が使い方によって品詞と意味が変わるので学習の負担が大幅に軽減される。英語のeyeとto seeも同様で、形と意味と発音が異なるが、LoCoSでは意味は変わっても、形と発音は変わらない。だから学習がとても楽になります。

「である」と「でない」には、数学のイコールを使う。イコールの形は短いので、左右に点をつけても表現できるが、点をつけないで左右に寄せても表現できる。

動詞「〜する」の横棒に他の形を組み合わせて、助動詞群を表現します。肯定と良いの円と否定と悪いのバツを組み合わせて、「できる」「できない」、「しても良い」「してはいけない」「した方が良い」となる。

横棒に矢羽根の屈線をつけて「させる」、それを斜線にして「させない」左向きにして「される」「されない」となる。それらの過去形と未来形は、ご覧のとおり。

1本の横棒を2本にすれば「する」が「せねばならない」「しなくても良い」、「させねばならない」「させなくてもよい」など、多様な変化が表現できる。

単語の形の中に「継続」の形があります。それをそのまま動詞「〜する」の変化とみなせば「〜している」を表現できます。その否定形、過去形、未来系も容易に表現できます。

複数形を表す上のコーナーの点二つを、動詞「〜する」に組み合わせると、「〜しましょう」。「〜である」はイコールの形。では「〜であるに違いない」と「〜でないに違いない」はどんな形?それらの肯定の過去と未来、否定の過去と未来はどんな形、と楽しいクイズが続きますね。

疑問代名詞は疑問符の「?」を三角と一緒にして「なぜ?」四角と一緒にして「何?」。太陽と一緒で「いつ?」、時計の針と一緒で「何時?」、場所と一緒で「どこ?」、技術と一緒で「いかに?」を表せる。

色を表す表現は、虹の形に色の番号を添える案と、虹の形に海を添えれば青色、雪なら白色、草なら緑色の案の2種類の考えがあります。みなさんと一緒に決めたいと思います。

LoCoSの文章

LoCoSの文章は英語と同じで主語の右横に動詞または助動詞を並べて表現します。背景は白紙のままでもOK。枠内に単語を入れても結構です。上中下の3段を使う場合は、上の枠は副詞、下の枠は形容詞になります。その逆もOKでしょう。中央だけでも主要な意味がわかるのが特徴です。

LoCoSの単語はそれを置く位置によって、意味が変わるのが特徴です。光を意味する単語が、中央の目の下にあれば、「光る目」、「かがやく目」となります。横1列の文章では「かがやく」は、目の左に添えます。
感嘆符の「とても確か」の下に「見る」があれば、「とても確かに(しっかりと)見る」を意味します。

左:光る眼 / 右:しっかりと見る

接続詞などは、少し考えたけれど、今後さらに検討が必要でしょう。

以下は文例です。

インドの美術大学での授業は、全学部・学科共通の特別授業に発展するほど好評でした。その街でお世話になった家庭の姉妹プリーとティーナに40分間説明しただけで4日後の別れ際、受け取った紙片に、ユキオの宛名と自分たちの名前も最後に書いた下記の手紙を受け取りました。英訳をつけておきましたのでご覧ください。

Dear Yukio
It was very nice to meet you. It is sad you could not stay here longer, but this short stay was very interesting. We learnt a lot from you. Hope you enjoyed. We hope you succeed. Hope to see you. Lots of love.
Puri, Tina

プリーとティーナの手紙

インドからヨーロッパに帰る汽車の中で、若者が太田の周りに集まってLoCoSの話に花が咲いた。一人が示した文章をLoCoSに翻訳するのに、ほとんど時間は掛からなかった。

LoCoSの発音

LoCoSは形を見れば意味がわかり発音できます。また発音を聞けば形にできるし、同時に意味もわかります。ここでは発音のシステムを可能性として示します。

発音の方法に枠は不可欠です。単語の入る枠の中を9分割して9種類の母音を当てはめます =図①。すぺての単語は18個の形の要素と点の合計19個の絵素で作りますが、18個の形の要素に18種類の子音をあてはめます =図②。子音をもたない点は、その置かれるワク内の位置だけ示し、母音のみを発音するのに用います。
形に与えた子音と位置に与えた母音の組み合わせで発音ができます。

なお、絵素のうち*印のある10個は向きを変えても使われるので、ワク内中央部のOをのぞく8種の母音をそえてその向きを示しますが、図②の通り上向きの場合はそれを省略します。また特別に絵素の位置を断わらない場合は、中央部のOにあるものとします。組み合わせて用いられる絵素の発音順序は 1:上→下 2:左→右 3:外→内 4:タテ→ヨコを原則とします。
以上のシステムを使って文章を発音した例を以下に示します。

HOITTII VOETOYE UTO TAPOI LOTTOO ATO CUOE.

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