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【考察】この芸人、ビジネススキル激強なんじゃないかの件

芸人という職業

「芸人」というワードを持ち出してパッと思い浮かぶのは誰でしょうか?

お笑いレジェンド、ビートたけし、明石家さんまでしょうか。
芸人界のまごうことなき頂点に君臨する、ダウンタウンでしょうか。
テレビで見ない日はない、有吉・千鳥・かまいたち・オードリーでしょうか。

どの芸人さんも芸能界という厳しい世界(メシ食えるのはほんの一握り)を自身のヒューマンスキルを如何なく発揮して、その身ひとつで人々を笑いという最高に幸せな感情に巻き込んでくれる、とても素晴らしい職業だとつくづく感じます。

そもそも、これだけ芸人さんを中心としたバラエティ番組が多い国って、どこにも無いのではないでしょうか?(数少ない海外旅行経験をもとにしたものですが。。。)
これはまさしく歴代の芸人さんが築き上げてきた功績であることに異論をはさむ余地はないと思います。

そんな素晴らしい職業である芸人さんのなかで、個人的に好きな芸人が
「鬼越トマホーク」
です。
見た目とその芸風で好き嫌いが分かれそうな芸人さんではありますが。

鬼越トマホーク

宣材写真(吉本興業HPより)

▼プロフィール
金ちゃん(写真右)|1985年生まれ、ツッコミ担当、アフロ
坂井 良多(写真左)|1985年生まれ、ボケ担当、スキンヘッド

▼エピソード
・「見た目が厳つい奴同士で組んで、2人で言い合えばそれが面白く見えるかも」と思ったことから結成
・NSCを首席で卒業→喧嘩して一度解散→1年後に再結成
・政治ネタ、宗教ネタ、差別ネタはやらない
・コンビ仲がよい(特に坂井が金ちゃんに対して)
 └坂井が金ちゃんを携帯の待受画面にしている
 └ライブ後は必ず2人でご飯を食べに行く
 └坂井が金ちゃんを"宝物"と呼ぶ
 └坂井が金ちゃんの誕生月になると8回ほど祝う

▼芸風の確立
・初の単独ライブで殴り合いの喧嘩となり、止めに入った先輩であるインポッシブルに暴言を浴びせた
・そのエピソードを千原ジュニアが後に取り上げたことが業界に知られるきっかけとなった
・ほんの些細なことで金ちゃんと坂井が喧嘩を始めるも、喧嘩を止めようと仲裁に入った人物に坂井が先輩後輩関係なしにキレて暴言(ただし"案外、的を射た内容")を吐き、金ちゃんが「本当は思ってないと思うんですけど…」とフォローを入れるように見せかけ、さらにダメ出しして追い討ちをかけるという、芸を確立した

wikiより

なぜこのコンビが好きかというと、平場の面白さは勿論のこと、見た目に反して実はかなりやり手なんじゃ無いか?と思う点が多々あって興味深さもあり好きになりました。
具体的にいうと、鬼越トマホークの代名詞である喧嘩芸
これってけっこうスキルが求められる笑いなんじゃないかと思ってます。

仲裁に入る人に対してディスる内容自体が、
攻めすぎたら引くし、何より相手を不快にさせてしまう。(過去ほんとに怒らせてしまったこともあるらしいが。。)
逆にマイルド過ぎるとそもそもの喧嘩芸では無くなって、置きにいった感じでスベってしまう。
その攻めとマイルドの間のちょうどイイところを狙って内輪ノリにならず観ている側を意識したお笑いとして成立させていること自体、実はこのコンビかなりヤリ手なんじゃないかなと。

自分も一介のビジネスパーソンとしてとても見習うべき点があり、喧嘩芸をお笑いとして成立させる為には
・相手を知り(情報収集力)
・物事を仕分けして抽出し(分析力)
・相手の状態や場を判別し(コミュニケーション力)
・芸として昇華する(プレゼン力)
が少なくとも必要で、もしかしたら彼等はそのスキルが高レベルで備わったビジネスパーソンとして激ツヨなんじゃないかなと勝手に仮説だてしてみていました。

ビジネスパーソンとしての素養

最近とある記事にて彼等が如何にビジネスパーソンとして優れているのかが裏付けされたので、それをご紹介したいと思います。

▼東洋経済オンラインより

仕事観に触れた良インタビュー記事なのですが、ところどころ要旨抽出させていただきます。

M-1を目指さないのか?
→漫才が苦手なので別の方向に逆張りしたら仕事を得られた

M-1などのショーレースに敢えて向き合わず、別のフィールドを狙っていってるとのこと。
これは芸人がこぞって目指すレッドオーシャンを避けて自分が勝てる領域をしっかり選定して攻めていくということ。すなわちこれは、
「ニッチトップ戦略」であり「ランチェスター戦略」です。
戦略家の一面が垣間見えます。
SWOT分析とかも自然にしてそう。

企業案件でひっぱりだこの理由は?
→その会社の役員を喧嘩芸に巻き込み、普段言えないことを社員に成り代わって代弁することがめちゃウケる。日本の社会システムを利用した芸。

これは想像しただけでも、そりゃウケるわなと。
仕事帰りの飲みの場などで社内ゴシップや上司への不平不満をたれていること、これを堂々と彼等が芸にのっけて代弁してくれる。
現場社員は痛快でしょうね。
そしてイジられた偉い人も、社員本人からという直接的なものではなく芸人というフィルターを通してのもので、その場を考えると笑いに変えるしかないと。
パワーバランスを逆手にとった見事な芸です。

なお、この企業案件を大事にしているっていうことが
ブランディング横展開を意識していることなのかなと感じます。

企業同士って結構横でつながっているし、その話が家族にも面白く伝わって、今までのファン層ではないところにリーチできると。
さすが戦略家です。

企業案件でウケるためには情報収集が欠かせないのでは?
→社長をイジってウケないと地獄だから、しっかり準備している。
 業界の成り立ち、市場動向、会社の業績、ライバル会社など調べ、社員にもアンケートを取り、笑いにつながるポイントをつかむ。
 時には直接現場社員に話を聞きに行くこともある。

いやー、感服です。恐れ入りました。
舞台を選ばず、相手が求める要求をしっかり理解し成果をだすために、ここまでやっているとは。
単にモノ売り(=いつものネタだけやって帰る)ではなく、ソリューションを売る。
改めて彼らのプロとしての凄みを感じました。

パーパス経営といいいますか、自分たちの存在意義をきちんと理解して、それを社会に還元する。
素晴らしいの一言です。


ということでビジネススキル激強芸人・鬼越トマホークのことを綴ってみました。
市井の素人が、偉そうにお笑い評論しているみたいで、だいぶ寒い感じになりましたが、何卒ご容赦くださいませ。。。

最後に彼らのYoutubeチャンネルは↓。中学生同士の会話みたくランキングつけたりワイワイやっている感じがなんとも面白いです。

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