盃つまんで Vol.40
「国立映画アーカイブの上映」
アーカイブの上映は、何といっても現在八万本を超える収蔵作品を使えるのが最大の強みだ。名画座はそのつど映画会社からフイルムを借りて返却しなければならないうえ、そのフイルムがどういう状態か(たとえば劣化など)が心配になる。もちろん上映料がかかる。映画会社は貸し出しに熱心でなく、出向いて探すのが常態だ。アーカイブはこの手間がない上、ここにしかない作品が多い。最近その貴重なフィルムを名画座に貸し出すようになり、たいへんありがたい。要するに映画は新作ばかりではなく、古い作品も常に見るものになった。文学で古典を読むのと同じだ。
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