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「ルックバック」を読んだ感想

本記事は、藤本タツキ先生の読み切り作品「ルックバック」を読んでの感想です。
考察等ではなく本当にただの感想なので、特に目新しいことはございません。
ネタバレとなる記載がございますので、ご注意ください。
また、率直な感想の為賞賛ばかりではございません。
不快な気持ちになりそうだなと思われる方は、閲覧を控えて頂けますと幸いです。



感想


堅苦しい導入となりましたが、結論から言ってとても面白かったです。
思春期に感じる自己顕示欲や優越感、敗北感や悔しさ。
それらの赤面しそうな感情が溢れており、気恥ずかしさと共感から、胸が苦しくなりました。
挫折を味わい諦めたモノを、挫折を感じさせた張本人の言葉でもう一度始め、敵とも恩人とも言える友人と、友情を育んでゆく様には熱いものが込み上げました。
そして突然に友人を失う衝撃と悲しみ。
しかし、再起の光を与えるのもまたその友人なのです。
タイムリープやパラレルワールドを思わせるSF的要素もありつつ、純粋に青春漫画であるという印象でした。
読み終えた直後は、かなり泣きました。

藤本先生の作品は、チェンソーマンだけ読んだことがあり、独特の世界観・キャラクターだなと思いつつ、読後にすぐ読み返すくらい面白かったです。
昔は一つの漫画をかなり読み込んだものですが、大人になり仕事など日々の生活に追われるうち、漫画を読み返すこともほとんどなくなりました。
そう思うと、気に入った作品の一つであることは確かです。
そんな藤本先生の読み切り作品で、しかも無料で読めるということで、もちろん読むつもりではおりましたが、あまりの評判の良さに読むのが怖くなっていたのも事実でした。
これであまり面白くないと感じたら、悲しいし、なんだか申し訳ないし…と尻込みしていて今日まで読んでいませんでした。

そんな中、旦那が「面白かったから読んで!この気持ちを共有したい。」と強く薦めてきたので、読むことにしました。
旦那曰く「考察を読んだけど、すごいんだ。考察を読まないと絶対わからないと思う。」とのことでした。
旦那は漫画を頻繁に読みますが、私のようにいわゆるオタクではないので、考察まで読むなんて、どれだけ面白かったのだろう…と俄然興味が湧き、ついに読むことにしたのでした。

読み終わった私は「これに考察は必要かな?」と思いました。
前述したSF的要素により、多少わかりにくい部分はあるものの、漫画単体を読むだけで充分面白かったし、そこまで謎のようなことも感じなかったからです。
そう思いながらも、旦那に促されて考察を読んだ私は、正直がっかりしました。
その考察ページを書かれた方のご意見では、「この漫画は藤本タツキ自身のことを描いている」とのことでした。
私は藤本先生の経歴などを全く知らなかったので、その考察を読んでからまたネットで色々と調べ、「確かに考察は一理あるようだ」と得心しました。
得心はしましたが、感情面では相変わらずがっかりしていました。
考察ページの方のご意見が気に入らない、ということでは決してなく、単純に、「漫画はフィクションが好き」という私の趣味嗜好によるものでした。
もちろん作者の経験談が漫画に盛り込まれるのは当たり前のことですが、自分を直接投影したような作品は、ノンフィクションのようで、どれだけ上手に物語に落とし込んでいても、芸人の舞台裏を見るような、気恥ずかしさと興覚め感があるのです。


文句のような、ただのオタクの戯言のような感想を旦那に伝えつつ、私はシン・エヴァンゲリオンのことを思っていました。完結作である劇場版はとてもとても面白くて感動したのですが、庵野監督の自己投影であるという話を聞いてからは、やはりちょっとがっかりしております。
そもそもエヴァとういう作品がそういうものなのだから、今更何を言っているんだとのお声が聞こえてきそうですが、私はそのことを知らなかったのです。純粋に碇シンジを応援していたのに、これが現実世界の庵野秀明だと言われましても…


話が逸れましたが、藤本タツキ先生の作品は結局好きです。
次はファイアパンチを読もう。そう思った夏の日でした。


今日思った事をこうして文章にできてすっきりとしました。
お読みいただきありがとうございました。

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