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手作りハンバーグとキレる母

こんばんは。

初めて記事を投稿します。

今日から週に一回くらい、何かしら書こうと思って始めたnoteです。

私が小学校低学年のころ、手作りハンバーグを作ってくれた母が、理不尽にキレたことがありました。

ふとその時のことを思い出したので、今日はその時のことを書きます。

そのころ我が家は、両親が共働きで絶賛忙しく、私と妹は学校が終わると祖父母の家で母の仕事の帰りを待っていました。

母の帰りが遅い日は、夕食を祖父母宅で食べて、テレビを見ながら母を待ちます。例えば金曜日だと、「金曜ロードショー」の途中くらいでうとうとしていると母が迎えに来る感じでした。

たまに母の帰りが早い日は、夕食を食べる前に母が迎えにきます。例えば月曜日だと、「名探偵コナン」で続きがもっと見たいなと思っているときに母が迎えに来る感じです。

そういう日は、母の車でそのままデニーズに行きました。妹と私は、いつも和風ハンバーグとオニオングラタンスープを頼んでいました。祖母の薄味の料理に慣れていた私たちにとって、デニーズの味付けは神がかっておいしく、毎回同じメニューでもちっとも飽きませんでした。

そのあとコンビニで好きなアイスを1つずつ買ってもらい、家に帰ったらそれを食べながら家のテレビを見ました。

書いてみると、なかなか贅沢な子どもです。当時の写真を見ると、私も妹も栄養過多でぷくぷくに太っています。

そんな感じで、祖父母宅ではテレビざんまい、お菓子ざんまい、週に1度ペースでデニーズでハンバーグ(そしてコンビニのアイス)というのがそのころの私の放課後でした。そんな生活が、私はとても気に入っていました。

母が泣きながらキレたのは、妹の誕生日の日でした。

その日は、学校の後祖父母の家には寄らず、直接家に帰りました。ランドセルをしょった私たちを家で母が迎えてくれるのは久しぶりだったので、嬉しかったです。妹と母と3人で、折り紙を切ってはってリビングに飾りました。

誕生日パーティーです。父は帰りが遅いので途中から参加でした。

パーティーのために母が作った料理は、お刺身が乗ったサラダとハンバーグでした。母が作ったハンバーグに妹は完全に興奮状態でした。

嬉しそうに食べると、目を輝かせて言いました。

「ママのハンバーグを食べるの生まれて初めて!デニーズのハンバーグみたいにおいしいよ!」

ボキャブラリーの少ない妹が言葉を尽くして褒めたのに私は感心しました。

私も、同じように母のハンバーグを褒めたたえようとしたその時、母が叫びました。

「そんなこと言うならもう食べなくていいっ!!」

!?

見ると、涙目になった母がものものすごく怒っていました。

「そんなにデニーズが好きならデニーズに行けばいいっ!!」

あまりの剣幕に妹は泣き出しました。もともと興奮状態だったため一度泣き出すと止まりません。

ハンバーグを褒めた妹がなんで怒られるのか、私にはまるで理解できませんでした。妹は、理由はわからないけど怒られていることはわかるので泣きながら謝りました。そのうち、涙目だった母も泣き始めました。

楽しかったはずの誕生会は地獄となり、テーブルの上のハンバーグは冷めていきます。

いま、私は30歳になりました。夫と2人暮らしで、子どもはいません。

あの日の誕生日会のことは忘れていて、これまで思い出すことはずっとありませんでした。

けれどこの前ふとしたきっかけで思い出した時、あの頃どんなに考えてもわからなかった母の気持ちまで、自分のことのようにフラッシュバックしました。

高めのファミレスに連れて行きコンビニアイスを選ばせてくれる時、母が感じていたチクッとした罪悪感やデニーズみたいと言われた時にどうしようもなく腹がたったこと。今の私には笑っちゃうほどよくわかります。

恥ずかしいような愛しいような、くすぐったいような抱きしめたいような気持ちになりました。

今日のnoteは以上です。

#キナリ杯
#初投稿
#ハンバーグ
#共働き

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