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1匹のシマウマ
あるアフリカに1匹のシマウマがいました
そのシマウマは他とは違って横向きに縞模様が入っていて群れの中では特別な存在だと一目置かれていました
群れの仲間たちは言いました
「やっぱり君のその横向きの縞模様はかっこいいね」
すると彼はこう答えました
「おいおい、僕を横縞模様だって?
いいかい?
脊椎動物の縞模様の方向は、脊髄に平行となる縞模様を '縦しま' 、
垂直となる縞模様を '横しま' とすると決められてるんだよ
だから本当は僕は '縦しま' で
君たちが '横しま' なんだよ」
「へぇー!そうなんだ!君は特別な上に博識なんだねー!」
「そんなに褒めても何も出ないよ
そんなことよりあっちを見てみろよ、あいつらも僕を見に来たんだろうな」
「うわぁー、すごいねー!」
「こんなに見に来られるとさ、タダで見せるのももったいない気がするよな」
「まあ、確かにね」
「だからさ、見に来るやつから金を取ってやろうかなと思ってるんだ
これだけ数がいれば大金になるだろ
巷じゃ僕のことを見ると幸せになれるって言われてるらしいな」
「う…うん、そうらしいね」
「貧しいやつでも幸福を求めて僕を見に来るだろ?
そういうやつから金を巻き上げればいいんだよ」
「そんなにお金を集めてどうするの?」
「人間を雇うんだよ
あいつらは金で動くバカな集団だからな
そして人間どもには僕らの天敵の肉食動物を1匹残らず殺させるんだ
そうすれば’百獣の王'は僕たちシマウマのものだ」
それを聞いた群れの仲間たちは口を揃えてこう言いました
「なんだ君やっぱり'よこしま'じゃないか」
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