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FISとGlobal Paymentsの統合交渉が破談!?

2020年12月20日、Fidelity National Information Services(FIS)とGlobal Paymentsの両社は統合を目指し交渉していたものの、失敗に終わったと関係者の話として報道された。具体的な原因等は不明。

FISの時価総額は約900億ドル。Global Paymentsの時価総額は約590億ドル。まさに業界再編に相応しいディールで、仮に、両社の交渉が成功していれば、2020年における最大規模の取引となっていただろう。

米アトランタを拠点とするGlobal Paymentsは、主にテクノロジーとPOSサービスを加盟店に提供。また、アジアでも一定の存在感がある。

FISは、米フロリダ州ジャクソンビルに拠点を置く企業。同社収益の大部分は、銀行へのシステム/サービス提供によるもので、ローンやリスク管理などの業務を支援している。また、昨今のWorldpay買収に伴い、アクワイアリング事業が収益の20%程度を占める。

今回の統合交渉がすぐに復活する見込みはほとんどないと思われるが、こうした交渉がなされていること自体、グローバルな業界再編の流れを大いに感じさせる。

2019年、FiservがFirst Dataを約220億ドルで買収。その後、FISはWorldpayを約350億ドルで買収。さらに、その数ヶ月後、Global Paymentsが、TSYSを約220億ドルで買収。

そもそも、FISとGlobal Payments、グローバル決済事業者最大手2社の合併が、当局から承認を得られたかどうかはわからない。ただし、Adyen、Square 、Stripeといった新興企業が急速に台頭していることを考えれば、環境が大きく変わりつつあるといえる。両社の経営陣が何を考えていたのか、どういった世界を見ているのか、非常に興味深い。

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