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「事変上等」とつぜん考察

【6/16 追記】
大見出し「フータの孤独」に追記。
山中さんの面白いツイートを見つけたのでリンクを添付します。

MILGRAM考察3曲目です。
ついに赦されなかった、フータらしく直情的で分かりやすい曲を、しかしその代わり核心まで考えていこうと思います。
恐怖と防御の曲。

※SNS炎上や自殺、精神疾患についての話題を扱います。苦手な方はなるべくバックしてください
※徹頭徹尾個人の意見!!!!!
※誤字脱字はスパイス(そうか?)
※図解としてYoutube公式動画からスクリーンショットさせていただいていますが、問題があると判断した場合即削除いたします
※先人の方々の考察に影響を受けている箇所があります。自分で見つけた考察・根拠でないときは必ず言及します
※サムネイルは自作です
※note使用慣れてません。すべてがガバガバです

導入


実早登です。

今回は事変上等、ひいては梶山風汰の考察をしていきます。
独自考察ルール等については「弱肉共食 とつぜん考察」をご確認ください。

早速始めていきます!

楽曲ステータス


〇推理難易度 ☆★★★★ 10/10人 分かりやすさもフータらしい
〇殺人描写推理難易度 ☆★★★★ 見たまんま炎上が呼んだ悲劇。死に方までは分からない
〇心情描写推理難易度 ☆☆★★★ 怒りのさらに前に気付くにはドラマCD
〇殺人対象推理難易度 ☆☆★★★ SNSの画面の向こうの相手なんて限度あるよね
〇時系列推理難易度 ☆★★★★ ストレートにMVを追ってよい
〇反省度推理難易度 ☆☆★★★ 心理が分かれば逆算できる
〇周囲環境推理難易度 ☆☆☆★★ 以外とスルーされているのかなと思った
〇必要リアル知識難易度 ☆☆★★★ 恐怖のメカニズム程度。あとはモンスターの名前?
〇歌詞難易度 ☆★★★★ 思ってることがまんま出てる。フータらしい
〇ホラー度 ☆★★★★ 曲調やわかりやすさもあってさくっと見れる
〇胸糞度 ☆★★★★ 因果の応の報~

はじめに


今度こそ字数節約するぞ…するぞ…(戒め)

待ちに待っていた「事変上等」の考察です。
なぜ待っていたかというと、私の最推しです(隙自語)

私は人間として不完全で愚かさを備えていて生きる上で葛藤を起こしつつ、それでも人であろうとあがき続ける、けれど本質が善の人間が大好きすぎるマンです。
MILGRAMってそういう人間の集まりだと思うので結局のところほぼ全員大好きなんですが、フータは結構特別好きですね…
かわいい 赦さないを連打したい

本質が見えづらい囚人が多いこのコンテンツですが、フータは特別分かりやすいです。分かりやすい理由すら分かりやすい。多分苦手な人なんてほぼいないと思うレベルです。
それはたまたまではなく、フータの性格も影響しています。これは公式からの言及があるので確定です。

実際このMVは出来事の時系列が明瞭で、フータの心情も表情や推移も含め終始率直に描かれ、リアルの情景も必要なだけ描き出されており、婉曲描写もそこまでひねられていません。加えて殺人方法でもあるSNS画面がほぼ丸出し。不特定多数の他者が強く関与し実際に発言を行っていた出来事のため、情報の信憑性も全体的にとても高いです。
難易度は10人の中でも最も易しいと思っています。いつも勝手に推理難易度ランクとか作ってますが、最下位にしてあります。心情や出来事についてはほぼ見たまんまだから小物の推理に集中でき、MILGRAM初心者におすすめだと思います。難しめなポイントとしてはフータを取り巻く環境、フータをこういった人格に形成させた過程の推理くらいでしょうか。

簡単だということは、その代わり周囲の余地について吟味する余裕も多く取れるということです。あと文字数を節約できるかもしれないということ
どちらにせよ、気合を入れて楽しみたいなと思います。

(書き終えた実早登です。22,000字近く行きました。反省しろ


まずは今まで通り確定事項作りから。

婉曲表現の意味(暫定)

  • 炎:炎上

  • 武器:言葉の暴力

  • ゲーム:楽しみ、事態の勘違い・軽視

  • 手配書:攻撃対象、晒しあげ

(※考察終了時までに意味が増える可能性あり)

フータの罪


SNS中での炎上行為により自殺に追い込ませた
SNSはTwitterを強く意識したシステムとデザイン。考察ですらなく、フータのSNS発言や周囲の発言までMVに直接載っている。
本人は死にまで追い込むつもりは無かったようだが、悪人と判断した人間を追い詰めることが常態化する中で一人が自殺してしまい、結果的にヒトゴロシと判定されるに至った。
念の為、フータが被害者に直接関与していなかったという根拠を集めた。

赤い空、洋館というRPG風の情景
あるはずのないゲームUI

まずフータが洋館にやってくるシーン。といってもこの洋館はそんなに実在するとは思えない
MV中のフータの服装は主にパーカー姿と鎧姿の二つに分けられる。
パーカー服の際の情景はは現実を示す。スマホを持っている時は必ずこの服装。なおかつ着替える描写もあり、ゲーセンに出向いたり盗撮をしたりするなど実際に起きた出来事にあたる場面の際は全てこの服装を着ている。
鎧姿の際の情景は正義感と楽しさに酔った空想を示す。モンスターが登場したり武器を持って攻撃ができたりUIが見えたりと、まるでRPGのような、現実では決してありえない出来事が見える。

ではこの洋館のシーンはどちらか。日本の町中、フータの徒歩圏内にはなかなかなさそうな巨大で荘厳な建物で、空もありえない赤さをしている。まるでゲームに登場する魔女の住処のようで、普通に考えれば空想側のはず。
しかしフータはパーカーを着てスマホを持っていて、スマホを持って歩いている最中にこの建物を見つけた。
これは現実と空想の混同を示していると思われる。フータは二度目の炎上行為を完遂させており、気分としては良いものであるはず。正義感に酔いさらに同じような行為を求めようとしてしまううちに、現実を正しく認識し、己にストッパーをかけられなくなってしまったという演出と見ることができた。歪んで映るUIもそういった歪んだ認識ととれる。

ただの道端

次に、KILLCHEROY死亡後の場面。呆然と座り込むフータの背景がゲーム画面から道路に変わる(白線が見える)。また、ゲーム画面だと隣にあったはずのKILLCHEROYの遺体が消えている。本当の意味で手を下したか接触したかしているなら、現実に戻った際にKILLCHEROYにあたる人物の遺体に切り替わるはず。しかしないということは、その人物はフータのいない場所で亡くなったということになる。
そもそもフータが直接人を殺しているならその後家に帰れる訳が無い。MVのラストシーンではフータが自宅らしき場所でうずくまってスマホを見て怯えているが、直接的な人殺しならそんなことをしている場合ではない。普通に逮捕である。
ボイスサンプルでも「俺は殺してねえ」「そうだよな…?」と縋るように口にしているが、直接殺人をしたならそんなところで迷うことは無い。

根拠はもうひとつある。2周年記念イラストはある程度殺人手段の判断材料になると「アンビリカル」記事で説明した。
前回よく考えた「掌の裏がひどく血濡れになっていれば直接殺人をした可能性が高い」理論があったが、フータは手を握りしめているためよくわからない。判断から逃げているフータらしいといえばらしい。
しかし今回はもっと根拠にできるものがある。背景の血痕の飛び方が妙なのだ。
他のキャラは広く散っていたり遺体のある下部から吹き出ていたりするような描き方をしているが、フータだけ真横から飛んできている。こんなに特殊なベクトルで背景の血痕が描かれているのは彼とマヒルのみである。
フータが殺人をしたならそれこそ他のキャラのように遺体から血が出たような描写をすれば良い。しかしフータのイラストはフータのいない場所から血が飛んでいる。被害者が全く異なる場所で、フータの手のかかっていない手段で死んだと考えるのは妥当ではないだろうか。

ところで、アンダーカバーの殺人立ち絵も確認してみる。

エスの胸ぐらを掴んで恫喝している。これだけで死には至りづらそう

あれっ胸ぐら掴んでない…?
となるが、殺人立ち絵の法則を思い出してみる。殺人立ち絵はキャラクターが実際に殺人を起こした際、あるいは自殺した被害者にアクションを起こした際の様子がそのまま絵になったものである。少なくともフータを除く9人はこの法則が通用する。
SNSで見ず知らずの人間を批判して自殺させたフータにこの法則を適用するのは無理。
というよりどのルールを適用してもフータは二人並べた立ち絵にできない。
なぜなら最後まで会ったことがないから。なので例外処理を行うしかない。炎上行為を胸ぐらを掴んでの恫喝に例えて描いたと考えられる。
実際に会っての恐喝行為も考えられない。ドラマCD「Braze you!!」において彼は人を殺したと言われた時動揺を見せたが、立件はできない、犯罪ではないということに関しては動じる様子がなかった。恐喝行為は犯罪である。小心者で己の罪に怯えるフータなら、恐喝をしていたら「犯罪」という言葉にも怯えるはず。
しかもエスはフータについて嘘が下手と推測していて、実際発言の全てが分かりやすい。そんなフータが自分のしていないことをしていないと隠し通ることが果たして可能だろうか。はっきり言って無理だと思う。

10人まとめて婉曲表現を行う際、とにかく例外処理をしなければならないケースが多すぎるのがフータである。山中さんの言う通り手がかかるな~(そういうことではない)

事変一覧

ここからはいよいよMV内で発生した3件の「事変」を分析していく。
(SNSアカウント名やツイート内容をまとめてくださっていた有志の方々のおかげでスムーズに考察出来ました。ありがとうございました…)

3つの事変

GRETCHBIA事変

アイスケース入ってたから氷の魔物は安直で草

アカウント名:ice_gorilla_ice
モンスター:黒い画面を被った、氷でできたゴリラのような巨人
場所:氷の柱が多く立つ暗いフィールド
hit数:4
使用武器:BRAZEN DUGGER(短剣)

コンビニのアイスケースに入っている様子を自ら(あるいは仲間が)撮影し意図的に拡散させる(RP=リポスト=リツイート)。アイスケースに入っての炎上は、かつて複数回実際に発生していた事件でもある。嫌なリアルさだな…
フータは当時ゲーセンに居て、スマホを開いたところ既に多くの批判リプライがついて炎上しかけている状態だった。フータが確認した時点でリポスト数は94、いいね63。リポストがいいねを上回るのもリアルな炎上らしい。数はまだ控えめで、本格的に炎上するにはまだといったところ。フータはそこに便乗する形になった。「ストームパズズ」というアカウントで「あーあ、お前終わったな」とツイートしている。
ゲーム画面開始時点でGRETCHBIAはHPもMPも半分ほどに削られている。既にその程度精神攻撃を喰らっていたということである。マップUIや画面からもわかるように、フータは群衆の最も後ろから遠隔攻撃を4hit(自身の批判ツイートが4リポストされた?)食らわせHPを削っている。
フータは最後にMPが少し減った程度だがGRETCHBIAは全員の攻撃で寸止めまでHPを削られ、リザルト画面に移る。フータが投稿したのは多くのリプライの中の一つにすぎず、GRETCHBIAに一人だけ目をつけられたり反撃されたりすることはない。

「CONGRATULATIONS! YOU BROUGHT JUSTICE TO THE WORLD!!!」
訳:「素晴らしい!あなたはこの世界に正義をもたらした!」

GRETCHBIAは頭上に鳥が飛び回っている状態(=漫画表現的に言う気絶)。KILLCHEROYと比較すればわかるが、これは「こらしめた」に留まっていて殺人はしていない。していたらこの時点で動揺が発生しているはず。
また、フータは一緒にモンスターを討伐した味方とハイタッチをしている。炎上行為を通じて仲間関係が生まれていると見れる。

RYPIROTES事変

アカウント名:不明(登場していないか、アカウントがそもそもない可能性もある)
モンスター:大きな角と翼、尻尾のある、ドラゴンと人間の中間のようなモンスター
場所:ピンク色の洞窟の奥地
hit数:752
使用武器:FRAME SWORD(片手剣)

ここからフータの視点が妙になる。舞台は大学だが、まるでゲーム内のマップを移動するような表現やオペレーションが眼前に映る表現が現れ、フータが炎上行為を積極的に楽しみ出した、また現実との境界線が分からなくなってきたように感じられる。
実際、この時のフータは口元が笑っている。目的地到着前からマップにアタリをつけて歩いていることから、RYPIROTESが元々こういう人物だったことを知っていて最初から炎上させようと向かっていたのではないか?
女性(教授?)に言い寄っているRYPIROTESを見つけたフータは、扉からこっそり状況を盗撮して逃げる。
本当に正義感があるなら部屋に入って女性を助けるなり、怖いなら現場の状況を他の人に伝えて協力を仰ぐなり、やりようはいくらでもあった。それが怖くてできなかったか、あるいはやりたかったことが炎上を起こすことだったから真に人を助ける気はなかったと見える。
この写真を使って、今度はフータ自身が炎上を喚起する。GRETCHBIA事変の際していなかった手配書を自ら貼る行為を行っていることが示唆になる。群衆を集めて声がけをしているのもフータ。リーダーシップをとることに酔っている様子。

ツイート内容
「拡散希望。大学教授のセクハラシーン。見られてると思わなかったんだなw 大学に通報よろ」
(自分がすればいいじゃん…)

炎上具合は386リポスト572いいねからさらに伸び続け、最終的なリポスト数は752。最終的なhit数も752であることから、hit数はリポスト数を示していると思われる。GRETCHBIA事変は炎上対象自身のツイートで、こちらは部外者による炎上させるための意図的なツイートという差があるとはいえ、文字通り桁が違う。
ついでに「井上教授」と名前バレもしている。これをツイートしたアカウントは「♡MANA♡」、IDは「inoue_mna_」。これを考察してしまうと実在の人物がストーリーに紛れ込んでしまうため、教授名とともに、事変上等のMVディレクターを務めたイノウエマナさんを意識した小ネタと判断したい。

比較的遠方から攻撃していた前回と違い、今回は群衆の中でも先陣を切って攻撃している。マップ画面で見ても群衆の中で最もRYPIROTESに近いのがフータ。だからこそ言い合いもあったはずで、フータのHPも減っている。
ステータスゲージの推移なども確認したい。

  • サビ開始時点で737リポスト。フータのHPは3分の1ほど、MP(?)は僅かに減少。RYPIROTESのHPは残り半分、MPはわずか。

  • フータのHPが少し、次いですぐRYPIROTESのHPも3分の1ほどまで減少。

  • フータのMPが全快。この時右下のコマンドボタンにおけるカーソルが右の輸血パックのようなものをしばらく指していたため、回復行動にあたる何かをした?

  • フータが刺突攻撃のようなコマンドを選択。フータのMPがミリ残しになり、RYPIROTESのHPが少し、MPがミリ残しまで減少。

  • リザルト画面へ。GRETCHBIAの時より残りHPは多めだった。

言い合いをして互いにダメージ→周囲の増援(追い批判)などでフータのメンタル回復?→とどめレベルの暴言を浴びせる という流れを想像した。

リザルト画面ではフータは気絶したRYPIROTESの体の上に乗り、仲間たちに武勇を見せつけるようなポーズを取っている。しかし現実でしていることは直後のシーンのように1人でスマホを弄っているだけと考えると、かなり虚しい…。

一連の出来事の中で、フータは怒ってなどおらず常に笑っている。フータは悪人に憤り裁きたいと思っているのではなく、裁く行為そのものに楽しみを覚えているということが重要である。

KILLCHEROY事変

クリティカルヒットどころじゃない

アカウント名:Killcheroy_(潰れすぎていて間違っている可能性があります)
モンスター:大きなスカートと角が特徴で、杖を持った黒い魔女
場所:洋館前。空は曇っていて所々光が差す
hit数:1024
使用武器:名称不明(双剣)

フータが関与する最後の事変にしてフータのヒトゴロシ。
後でツイート内容も判明するが、フータ自ら手配書を掲示したので事の発端はフータ。

武器を取り出しているのはひとり

また、前回は仲間に呼びかけ結託して炎上行為に及ぶ描写があったが、今回はフータが武器を振るった時周囲の仲間が遠巻きに少し驚いているように見える(特に白いローブの魔術師のような女性)。武器を振るっているのも冒頭を見る限りフータひとりしかいない。

  • 973hitから演出開始。この時点でフータのHPは僅かに、MPは4分の1までに減少、KILLCHEROYのHPは少し減少、MPは全て無くなっている。

  • フータが残りMPを全て使い攻撃。KILLCHEROYの残りHPがあと少しになり、その時点で場面転換。最後に見えたhit数は1024。

フータのHPが少し減っているのはKILLCHEROYによる反論ツイート(「店員さんには許可を~」のツイート)を受けたからとみられ、しかしその時点でだいぶ疲弊していたのだろうか。そこにフータが強烈な追い打ちをかけたと想像する。

最初少し驚いていたように見える仲間たちも勝利には素直に喜んでいる。武器を持っているということはかなり遠巻きには参加していたのだろうか。マップを見る限りフータの近くには人がいないし、マップの縮尺も相当小さくなっていて、よほどフータが一人で突っ走っていたということが分かる。

しかしGRETCHBIA、RYPIROTESを倒したとき勝利演出があるのに対し、KILLCHEROYを倒したときに勝利演出はない。また他のモンスターは気絶しただけだったが、KILLCHEROYのみ血を流して倒れていた。つまりKILLCHEROYは炎上に耐えかね自殺したということになる。

この顔で事態を理解していないわけがないし
正しいと思っているわけもない

フータはここでなにか違和感に気づき頬についたものを手で拭って確認、それが返り血であることを確認してしまう。その時の表情は驚愕、恐怖、絶望など様々に入り交じっていそう。
はっきりするのは、フータは自分が何を招いたか理解していたということ、本当に殺人などするつもりは無かったということである。

被害者が死んでしまったと気づいた、あるいはフータが殺人をしたと呆れた仲間たちは全員ログアウト(=縁を切る)。フータは後ろを振り向くが、これはまさかの出来事に仲間を頼ろうとしたり、自分は悪くないよなと確認しようとした際の心の動きの反映に思える。しかし誰も味方がいなくなっていることに気づき、フータの視点のゲーム化(=現実を楽しむ気持ちや現実の軽視など)も終わる。
恐る恐るスマホを取り出す仕草もリアル。自分が標的になったことをタイムラインで確認し、フータはスマホを落としてしまう。
その後は自室に籠り、今までの威勢が感じられないほど弱々しく恐怖した顔でスマホを眺め続け、MVが終了する。

流れはこういったものになる。
ハルカやユノの時と違って、不明な流れは存在しなかった。すごすぎる。
それに
正直語り尽くされていて今更新事実も出ていないと思われる。それほど「出来事」の推察は容易である。
見習えハルカ 見習え 私が一週間死ぬほど婉曲表現を分せ

KILLCHEROYの正体


彼女のプロフィールが分かる場所は多くない。KILLCHEROY死亡後にフータのスマホが落ちるシーンがあってそこにSNSの画面が映っており、そこに彼女のツイートがわずかに映る程度。
ツイートの内容は以下。時系列順。

このMV中でリプレイ数が一番多い箇所らしい。
潰れてよく見えない文字を精査するためにたくさんの看守兄貴が必死に一時停止した夢の跡
(自分もです)

・魔法ちゃん(KILLCHEROY):絵文字と自撮り
 「可愛いからって」とフータが言っていることから本人の姿が映っている。アパレルショップ内で商品の帽子を被っている?
・ストームパズズ(フータ):晒してやるか たかがJCの分際でいい度胸だwwwwwww 可愛いからって許すなよお前ら
・魔法ちゃん:店員さんの許可はとっていますし、私的複製の範囲だといっています
・ストームパズズ:はいはい後出し乙
・審判!鬼塚(たぶん作中初登場):一番の加害者はお前

ここで被害者の年齢がJC=女子中学生だとわかる。モンスターとしての外見も女性型だった。
フータは女子中学生にマジになっていた。しかも分かっていて(絶句)

彼女は中学生と非常に若い。その年齢で孤独に炎上を受けてさぞ怖いだろうに、しっかり炎上の中で問題とされている箇所について冷静な文面で反論できてている。えらすぎる…。なのにツイート時間を見る限り長めに見積もっても彼女はたった6時間のうちに限界に達して命を落とした。ただ自撮りをしただけなのに、あまりにもご遺族がいたたまれない。どうして…
フータはフータで、この少女に自分が指摘した箇所を全て的確に反論されてるにもかかわらず暴言でゴリ押ししたという愚かさがバレている…。フータは法律を根拠に挙げる癖があるが、その癖あまり知識が足りず論理的思考も得意ではないと見える。こんな奴に人生奪われて…なあ…;;

KILLCHEROYはアパレルショップで商品である帽子を被って自撮りしたのを、商品を勝手に身につけている、あるいは盗難をしたなどと思われて批判されたのだろうか?
しかし「私的複製」という言葉はこれに合わない。この自撮りは画像ではなく動画で、またネット上の音楽などをBGMに利用していたというなら辻褄が合うかもしれない。

KILLCHEROYについての情報は最重要要項以外だいぶ足りなかったが、この楽曲はSNSによる顔も知らない者への加害がテーマになっていることもあり、被害者の人となりは正直そんなに推理・判断材料にならない。それどころかなくても推理にはほぼ支障がないともいってよい。ある意味面白い楽曲である。

不当に炎上させられたら急いで逃げて信頼できる人を頼ろう。マジで。

ついでにここで初登場した「審判!鬼塚」も確認しておく。
この人のツイートを皮切りに、次はストームパズズを炎上させようと矛先が一気に向いたと見れる。というのも、このアカウントもペンネームに「審判」と書いてあったり、IDに「BUZZ」(=インターネット上での爆発的流行を指す)が含まれていたりと、SNSにおける行為がフータのそれとあまり変わらない炎上騒ぎである、それもより本業に近く影響力が高いのかもしれないと見れたからである。
ユノが言っていたが、人を叩きそれに同調した人も叩き、集団による批判とはキリのないものである。ろくなものではない。たぶんユノ、表面には出さないだろうけどフータのこと特に嫌いだと思う。

恐怖から来る、攻撃という名の防御


比較的早めだが、次は一連の事件におけるフータの思考メカニズムを考える。
現時点でフータの一連の心情に最も合致する心理学用語は自己愛性パーソナリティ障害だと思っている。

参考用に載せた2つ目のリンク先では2種類の自己愛性パーソナリティ障害が紹介されているが、フータは前者「無自覚型」寄りかと考える。

このタイプの人は、自分はできる・自分は特別だと思い込み、社交的に振る舞いつつも他人のことには興味はなく自分の利益だけを考えています。このタイプの人が他者と親しく付き合うのは、自分に何かしらの利益があるからだと考えているためですが、自分の意向に沿わないときや責められると激怒することがあります。このような言動は本来の弱い自分を守るための防衛本能だといわれています。

フータは自分や自分に同調する仲間を他の人間と比べて素晴らしい、価値があると過剰に思い込む、いわば選民思想のような傾向がある。歌詞で言うなら「勝者の行進」「俺らこそが鼓動を鳴らすべき人類」。
選民思想があるということはそこに属していない人間を見下すということでもある。ボイスドラマではシドウやカズイを「大人のくせに」と批判したり、女性をまとめて「頼りにならない」と言い切ったり、差別的思考までがある。また自らの思想にそぐわなかった者や手を返して批判してきた者も「途中下車は裏切りとしていこう」に見えるように、激しい言葉で切り捨てる。
フータは人との馴れ合いが嫌いなのではない。むしろ自分に同調してくれる人、否定しない人は好きだし、率先的に引っ張っていこうとする。

ボイスドラマでフータが比較的批判せず、俺が(こいつらを)引っ張っていかないとな、と発言した男性囚人はハルカとミコトだが、彼らはどちらもそこまで強く意見を発さない性格だ。わざわざフータのやることなすことに批判をすることも本心はどうあれきっとないし、確かにフータが比較的心を許しそうだ。
でも女性なら問答無用で嫌いか…というと、そうではない。フータがSNSで仲良くしていたグループに女性はいる。

一番左の白ローブの魔術師。他にもいるかもしれない

フータのグループに同調しながら一緒にモンスター狩りに参加していたということは、彼女もフータのように炎上行為に加担していた、肯定していたということである。フータの優先度合いは、自分と話が合う>性別 のようだ。

ついてこれれば女でも構わないということだろう。何様だという…

見かけそのままな過激思想の持ち主だが、「そもそも」このような考えに至っているのは何故か、これがフータの核をなすと思っている。

フータをフータたらしめているのは、強い恐怖であると考える。

ボイスドラマを聞いた人なら、フータが尋問をずっと怖がっていたり、エスがそう判断したりしていたことが印象的に見えていたと思う。フータは常に恐怖に付きまとわれた存在で、それが判断のほとんどに影響を与え続けている。プロフィールにおける「小心者」はキーということである。

フータの怒りの根源は防衛機制
詳細にはそのなかの神経症的防衛の、さらにそのなかの逃避合理化

防衛機制とは、ざっくり言うと不安や危険を軽減し己の心を守ろうとする無意識的な心理的システムである。(さらに詳しいものは各自検索願います)

まずフータの非常に攻撃的な言動だが、エスがドラマCDで分析したところでは「先制攻撃することで怯えを誤魔化す そうして自分を守ってきた」という。実際フータは尋問時すぐにエスを怒鳴りつけ、以降も事あるごとに声を荒げているが、尋問前に体の震えがあったとの描写がある。ミルグラムに来てからもずっと怒り続ける態度をとっているのも、己の恐怖をごまかすためと考えるとなるほどと思える。

攻撃的な人は、総じて自信がなく不安でいっぱいです。
「弱い自分」「ダメな自分」を嫌っており、受け入れることができません。
自分が人に受け入れてもらえるという発想も湧かず、「あなたはダメだ」「あなたは仕事ができない」と批判されることを極端に恐れているのです。
そのため、批判から自分を守るために他人を先制攻撃します。他人を攻撃している間は、自分が批判されることはないからです。
誰かを批判して蹴落とすことができれば、自分の居場所が確保でき、他人より優位なポジションに立てると思い込んでいるのです。

フータは相手に攻撃的になり、人を否定し、自分を正義視する発言をし、言い訳が止まらない。
攻撃的というのはまさに先述した先制攻撃。他人を攻撃すればその間自分は攻撃されず、精神的優位に立ち続けることができる。人を否定すればそれに対して自分を肯定することができ、優越感と安心を得ることができる。自分を正義視し相手を見下せば自己肯定感を強く獲得しやはり安心を得られる。そして否定されたり逆に攻撃をされて自尊心が傷ついたときには言い訳をすれば、自身の中で気付きそうになった不安をなんとか合理化して心を守ることができる、というわけである。

フータは嘘をつき慣れていないが、自分の心を守るための言い訳は頻繁にする
エスが「正義のための殺しは赦されるか」という質問をした際、→「赦される…赦されるに決まってる!」という回答をしている。だがこれも鵜呑みにできない。本気で思っていたらどもることもないし、そもそもMVで返り血を見てあの顔にならない。
これは防衛機制における合理化と考えている。

自分を葛藤させないためにもっともな理由を作って、自分に言い聞かせる形で己の心を守るシステムである。本音や元々の理屈を認めてしまえばいずれ論理的に自分が悪だと気づいてしまうので、エスにあの質問をされた際も咄嗟に自身の行為を正当化して精神的な回避を行ったとみている。

怒りとは二番目に来る感情である」という言葉を聞いたことがあるが、改めてフータの怒りは自身の弱い心を守るためにある。
つまりフータも気づいていない、あるいは気づいていないふりをしている内心の本質的な部分に、自尊心を傷つけられたくない、否定されたくない、自分が弱く間違ったダメな存在だと気づきたくない、という自己肯定感の低さがある。
彼は自分が劣位に立つこと=自己否定と捉えてしまうほどそれが強いので、自らが恐怖していると思われたくないし、何かに憧れているとも思われたくない。だから必ずそういった言葉には否定が入る。尋問でも恐れていること、憧れていることには言い返す形で回答をしていない。

自己肯定感が低いと言えばハルカだが、ハルカはそんな自分を強く露出して防御に利用していたのに対し、フータはそれを露出して他人に弱いと判断されることを恐れ(というより気づくことすらも恐れ)、攻撃という防御手段を使用しているのだ。

知ったばかりのものや、難しい言葉をあえて使いたがるところに年齢相応の感じがあって、ガキ大将ぶるけどそうなりきれない、そういう小物感というかイキり感は大事にしました。

「人権侵害だ」「法律違反だ」などとやたら法の話を持ち出したり、良く知らない用語を使いたがるのも自己顕示の一種。頭がよさそうに見てもらえたり、振りかざした言葉に怯えられたりすれば自分が優位に立つことができ、自己を守ることができる。
でもリプライで可愛いってめっちゃ言われてましたよ

さらにフータは、自尊心の低さからくる正義思想を肯定し続けるために、SNS炎上という積極的攻撃も行う。自分の心を守るだけにすぎず、より上へ自分の価値を高めていきたいという心理が見える。
とにかく誰よりも上(俺らこそが鼓動を鳴らすべき人類、レベル)に自尊心を高めなければ誰かより下になってしまう、というフータの極端な思考があるからだ。

さらにGRETCHBIA事変で一人の人間を追い込むことに成功し仲間まで得ることに成功する、という最高の自己肯定経験を味わえば、その快感をもう一度味わいたいと思うようになり、今度は自分から誹謗中傷できそうな相手を探しに行く。
二人目の炎上対象がRYPIROTESだったのは、もともとフータの身近にいてなおかつフータ元々(おそらく)知っている存在だった、という点で必然だったと思っている。

念のためだが、SNS誹謗中傷の過激化は同じ考えを持った人間だけでコミュニティが結成された場合の思想の過激化が一因にあると言われているが、フータは集団加入前から傾向を見せていたためそれが大きな理由ではないと思っている。(少しあるかもしれないが)
また誹謗中傷中は正義にそぐわない人間への本気の怒りもない。フータはセクハラを受けている女性を直接見かけたのに助けるそぶりは一切なかったし、SNS批判中は常に笑顔がある。

ちなみにフータが普段から身につけているマスクにも似た心理が見える。一応他のキャラが誰もつけていないしフータは監獄でもつけているので、某感染症への対策では無いと思っている。

https://hannan-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=1742&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1&page_id=13&block_id=17

今までと同様、自分の見られたくない面を隠して弱い自分を見せないようにするという潜在的心理の現れととらえている。
鎧姿のフータは身につけていない。こういった存在になりたかったのだとしたら少し悲しい。

反省でも開き直りでもない手段


フータの思考原理について考察してきたが、フータは己のヒトゴロシをどう思っているのか。

結論を言うが、恐怖心により判断から逃げている状態。するべき決断を外部にも自分にも言い訳し続けて無理矢理回避しているのが現状である。

彼は法律を犯したか、人を直接殺したかなどと聞かれると比較的当然といった様子で反論してくる。しかしヒトゴロシと呼ばれると酷く動揺して言葉に詰まり、「殺してねえよな…?」と縋るように同意を求めてくる。
実際SNSでは相手の死亡は確かめづらく、本当に死んでいない可能性を考えることも一応できなくはない。ここにフータが収監された時点で死んでいないわけがないが。
それだけではなく、「自分のせいではないよな」という祈りも込められているように見える。相手の死因が自殺なら、もしかしたら自分のせいではないかもしれないという可能性に賭けることもできる。正義を謳って己を守ってきたフータが、自分がヒトゴロシだと気づいてしまえばガードは瞬く間に崩壊してしまう。だから受け入れるわけにはいかないということだ。
あるいは「正義のための殺しは赦されるか」という、否定してしまえば必然的に自分を否定してしまう質問は急いで合理化する。しかしどもりつつ自分に言い聞かせるような口調である。

本当にやっていないこと(直接殺人、違法行為)(最近違法行為になったが…)は自己を傷つけないためスムーズに反論ができる。ただしやってしまったことについてはすぐに反論できない。これは、潜在意識の中では自分が何をしたか理解しているためである。
あらためて、フータがMVで見せたこの顔は事態を把握していない者の顔ではない。

血を見た一瞬で出てきたこの表情は真を語っている可能性がとても高い。
しかも嘘がつけないフータだから

どうせ気づいてんだろ どうすんだ」という歌詞は炎上対象へ、そして自分へも無意識的にかけている言葉。特にラストサビから。
1番2番では炎上対象を責め立てる歌詞や歌い方が多かったが、ラストサビからは違和感が見える。
「冗談じゃない アンデッドヒーローなんだぞ」という歌詞は、「ヒーロー」に「アンデッド」(=不死者)がついたことで自分の正義は永遠で消えるわけが無い、というニュアンスと自身への言い聞かせるようなニュアンスが含まれる。
「そうだろ ざけんじゃない 卑怯など絶対」は上記歌詞を補強し、必死に自分を肯定して守るようなニュアンス。
「この指とまれやこの指とまれ」は激しいシャウトで、今までの「この指とまれ」から言う回数が増えている。お願いだから味方について欲しい、自分を肯定して欲しいという必死さか。今や暗に「助けて」と言っているようにすら聞こえる。
また最後の歌詞「発見ごめんへのカウントダウン~狂気はオマエだバンババン」の歌い方は担当声優のランズベリーさん曰く、フータ自身に向けても言っているようなニュアンスが入っているという。

彼は自分のした事に心の奥底で気づいてはいる。だから、指摘された上であっても「責めはしないよ」と言われると落ち着く。
ボイスドラマでもエスに散々おちょくられたのに、殺しを現時点で責めるつもりはないと言われると笑い、「殺してねえっつってんのに」と言いながらも以降会話が比較的落ち着く。会話拒否もあまりなくなり、さらにはエスの言うように自分からもよく喋るようになった。要は責められないとわかると安心してしまうということである。フータにはこういうわかりやすさもある。

以上からフータは反省しても開き直ってもおらず、逃げているという結論を出す。

フータの孤独


フータの考え方がわかった上で、今度はフータが炎上行為に途端に走るようになった経緯を考える。
フータがGRETCHBIAのアイスケース炎上を発見した場所はゲーセンの中。ゲーセンではフータは一人で、周囲には三人ほどの男性が一緒に同じ筐体で遊んでいる。
フータは尋問で彼らを「バカが多い」と見下しているが、彼らは見た限り楽しそうにゲームをしているだけ。拳で筐体を叩くところは少しうるさ過ぎかもしれないが。
それに比べ、フータは一人で面白くなさそうな顔で座っている。ゲーセン以外でも、また路地を歩いているような時も常にフータは常に一人。
それどころか、炎上行為に加担する前はSNSですら孤独。MV序盤に道を歩きながらスマホを弄っているシーンがあるので、その画面を見てみる。

…ん?今日月曜?ってことは大学???課題…してない…
つまんねぇ授業ばっか。学費の無駄
周りがバカばっかでつまんねぇ
ゲーセン行くべ!!!!
クソみたいな采配。オレに監督やらせた方がマシだろ
大学楽しすぎる 授業によっては面倒だけど、友達と先生が面白すぎる

大学がつまんねぇ監督がどうかしてる周りがバカばっかなど常に文句ばかり垂れているフータのツイートに対し、周囲のツイートは宿題が大変とか、なんなら大学が楽しいとか、フータの言ってることに同意するどころか関係なくそれぞれに人生を謳歌している。フータの煽りにも反応は一切ない。ぼっち。
タイムラインに流れる時点でフータからフォローはしているが、相互関係かは分からない。とはいえ本当に見下しているならフォローしなければいいのに…。気になっちゃうよね

「クソみたいな采配」というツイートはサッカー関連だろうか。

囚人服の下に着ている服がサッカージャージっぽい雰囲気だったのが気になっていたが(精査できていません。情報頂けると嬉しいです)、どうやら本当に部活動などでサッカーをしている可能性がある。しかしツイートを見る限りそこの監督にも苛立ちを見せていて、良い印象や関係を築けていないようだ。

【6/16 追記】
すみません、フータがサッカー部だとまだ断定できないかもです…。

山中さんのツイートです。どちらかというと観戦に熱を入れる側なんでしょうかね?(それもこのツイートだけで断言できませんが)
囚人服の靴下が分厚いサッカー用の靴下っぽいからやってる気もしていましたが…どちらも根拠にするにはまだ薄いです。
あとこのツイートはリプライ含めて確認しましたが、私が海外サッカーにまるで詳しくないので考察に加えられませんでした…。サッカーが大好きでかつこの考察に絡めてくださる方、おらんかな(丸投げ)

そもそもこの日は月曜の朝。周りはきちんと講義に行っているようだが、フータはさぼってゲーセンにいるのでは? 「つまんねぇ」と言い訳はしているものの実際はなじめず、あるいはついていけずたまに授業をさぼっているのか?(ゲーセンに行くというツイートを見て、様子を見るため講義を休んでゲーセンに向かった可能性もなくはない)

フータはリアルでは周囲になじめておらず孤立している
あるいは相手の出来が自分よりいいことが認められず、自分から距離を取っている

しかしフータはそんな自分を(表面上は)不遇と思うわけではなく、むしろ周囲を馬鹿と断定して威嚇するようなツイートをし、プライドを保っている様子。それでも一切同意は得られない。ぼっち。
フータにとって友達とは「同じことでアツくなれるやつら」だが、炎上行為に足を突っ込むまではそういった、自分の行いを称賛してくれる友人はいなかったのだとSNSを見る限り思う。
しかし、炎上行為を知ってからは「同じこと」にアツくなってくれて、最後には喜び合える仲間ができる。フータがついに孤独ではなくなったのだ。それではのめり込んでしまうし、調子に乗ってリーダー気取りもしてしまう。

大学生活はこういったものだが、家族関係もそこまでいいものではなかった可能性がある。

ユノは父親が幼いころからいなかったが、フータは母親が幼いころからいない
母性と父性の役割の一説について「アンビリカル」記事で引用をしたので、ここで再度引用する。

河合は母性原理が「包みこむ」機能であるのに対し, 父性原理は「切る」機能であると捉えている(河合;1989)。また望月は, 母性原理が子どもを分け隔てなく温かい愛情で包み込み保護する働きかけであるのに対し, 父性原理とは人間としてはなければならないことは何か, してはならないことは何かなどの是非善悪の区別ができるように教える働きかけであるとしている(望月;1996)。
すなわち, 母性原理は, 子ども(人間) が生命を維持できるよう等しく愛護するという機能であるが, 単に愛護するだけではなく, 社会的人間としての訓練の機能が父性原理だという。

立正大学社会福祉研究所年報第8号(2006) 75~87
家族社会学からみた「母性」「父性」
森下陽美

(※これは当時広まっていた家族観という話にもつながるため、この機能が絶対的に正しいというものではない)

幼少期、子供は母親から無償の愛や肯定を貰うことができ、愛情についての欲求が満たされる。しかしそれがないと親に対する、さらに人間に対する信頼感が失われる可能性がある。
個人差のある話なので決して一概に言えないが、フータの場合はこういったことが影響して自分を無条件に認めて・愛してもらえる経験がないまま成長し、自尊心が満たされなかったり、強い承認欲求に追われるようになったりしたのではないだろうか。
また父親はちゃんといるらしいが、「なよなよした」というのはフータと違って意見をきちんと言うことができない性格をしているのだろうか?
情報がここしかないため確定はできないが、そういった父親を見続けたら「自分だったら言い返すのに」と苛立ちが増強されることもあるかもしれない。

これは検索して出てくる程度の情報に基づいたもので、なおかつMILGRAMの登場人物が心理学に長けた山中氏によってかなりロジカルに作り上げられているということを推測したうえで行っている。
精神疾患について完璧に理解したり、現実における家庭環境と精神疾患をイコールで結びつけるものではない。
この話題や結論を現実に適用することは絶対にやめてください。

弟がこんなことになっちゃったなんてお姉ちゃん泣くぞ…

その他考察

タイトル「事変上等」について

他の方の考察で判明。「事変上等」をアルファベット化してみると「zihenjoutou」。このなかに「enjou」=「炎上」が含まれる。すごい…。
これを知ったので、英語版タイトルにもギミックがないかと確かめてみた。
英語版タイトルは「BRING IT ON」。意味は「かかってこい」。この各単語を繋げると「BRINGTION」。読みとしては「ブリンギットオン」になるが、ここに火などを司るケルト神話の女神ブリギットに近しい発音が見える。
英語つづりも「Brigit」で、なかなか合っているのではないだろうか。

ストームパズズ


パズズ:アッカドにおける風と熱風の悪霊・魔神。つまりストームパズズは嵐の熱風の魔神。頭痛が痛い

勇者気取りしていたがこのあと他のモンスター同様に炎上していくわけだが、元々フータのアカウント名のモンスター(というか魔神)っぽかったというのは上手な伏線である。

花言葉

フータの誕生日:4月19日
誕生花:イチハツ
イチハツの花言葉:「火の用心」

胸元のブートニアに使われている花もまんまイチハツ。こんな面白い花言葉の花あるんですね…

ギリシア神話で神々の王ゼウスの求愛に困った侍女のイリスは、ゼウスの妻ヘラに頼んで虹を渡る女神へ姿を変えてもらい、神々の使者となりました(下記「アイリス(アヤメ)とギリシア神話」参照)。花言葉の「使者」は、神々の使者となったイリスにちなみます。
「火の用心」の花言葉は、この植物が火災を防ぐといわれ、茅葺き屋根の頂上部に植えられたことに由来します。

ケーキのデザインは苺が大量に敷き詰められたもの。他のキャラほどの印象はないが、大量の苺がまあ炎に見えなくもない。

苗字・名前

前回まで考察できていたこの項目だが、正直そろそろ怪しいので話半分に見てほしい。
まずフータの苗字に使われる樹木は

神に捧げる木」として神社の境内に植えられたり、七夕の飾り(短冊)として宮中で使われたりと神事との関連が深い。

梶と神話・伝説で調べてよく出てくるのは七夕だが、あまりフータと関連は見られなかった。
一方、梶を神紋として扱っている神社が見つかった。かの有名な諏訪大社である。

諏訪大社が祀る主祭神は数柱いるが、とくに有名なのはタケミナカタノカミ(建御名方神)。

天照大御神は「葦原中国(地上の世界)は我が子が治めるべきだ」と考え、建御雷神を交渉役に遣わしました。建御雷神は、高天原から出雲国の稲佐の浜に降り、葦原中国で国造りを行った大国主神に国譲りを迫ります。
大国主神は「息子の八重事代主神にお尋ねください」と言い、事代主神に尋ねたところ、国譲りに同意しました。建御雷神が「ほかに誰か伝えておくべき者は?」と聞くと、大国主神は「もう一人の息子、建御名方神に」と答えました。
そこへ、国譲りに反対する建御名方神がやってきて、建御雷神に力競べを挑みます。まず建御名方神が建御雷神の手を取ると、建御雷神の手は氷柱になったかと思えば、剣になりました。
驚き恐れた様子の建御名方神の手を、今度は建御雷神が取り、一瞬でひねり潰して遠くへ投げました。圧倒的な力の差を感じた建御名方神は、逃げ出しました。

これは古事記の描写で、後の旧事本紀では削除されたりはしているが、自分から喧嘩を売って力競べを挑んできたのにわりとあっさりと負けて逃げ出すという、恐怖を感じるようなこの描写はフータっぽいともなんとか思えるかもしれない。
ちなみにタケミナカタノカミは水とを司ったりする。

フータの本名が梶山風汰であることを考えると…まああるのかもしれない。ないのかもしれないが。

婉曲表現の正体(まとめ)

  • 炎:炎上

  • 武器:言葉の暴力

  • ゲーム:楽しみ、夢中、事態の勘違い・軽視

  • 手配書:攻撃対象、晒しあげ

疑問点

・複垢説
ところで、ファンの間だとフータがアカウントを複数所持している説もあるらしい。考察を始めるまで考えたことがなかったので、聞いていて興味深かった。こちらでも調査をしてみたい。

まず、フータの本垢が「ストームパズズ」であることは確実。
MV冒頭でスマホを弄っているが、大学が大変、大学楽しい、などそれぞれに謳歌しているツイートの中「クソみたいな」「つまんねぇ」と悪態をつき続けているのはストームパズズのみ。
またRYPIROTESとKILLCHEROYを晒し上げたのはフータだと今までで確定したが、SNS画面でも実際に晒し上げているのはフータ。ついでにID最後の誕生日も一致。

ちなみにストームパズズのアカウントはTwitterで実際に発見されているらしい。以下がリンク。

こういうプロフの垢リアルでごまんと見たことある… 所在地東京なんですね
あと2016年からMILGRAM仕込んでたの!?

アイコンの色が違うが、色彩を反転させればフータのスマホ画面になる。
ちなみにスマホが落下するシーンのみスマホ画面の色彩が反転しておらず、私たちが実際に見たストームパズズのアカウントの色彩と完全に一致する。ついでにアカウント横についているチェックマークは何なのかわからないが、フォローマークではないと思う。なぜならストームパズズも含むすべてのアカウントについているから。電話番号認証してるかどうか?知らんけど

複垢説が提唱されているのはこの場面のせいだろう。

上部下部のフレームに余白。左上にカメラ
下部に凸
フレームの余白は無し。上部中央の黒い部分にカメラが内臓
下部に凸などはなし

確かにデザインが全く違う。下部のデザインの違いが特に言い逃れできないレベル。2枚目のスマホはおそらく3Dで作成しているのもあって、作画ミスは疑いたくない。

だが、スマホを裏面から見るとまた違う。

四角い枠の中にカメラが縦に二つ、その右にフラッシュが一つ。デザインの異なるスマホが登場するシーンの後も含め、カメラの配置は最初から最後まで一切変化がない
正直スマホのデザインの違いを強調したいなら裏面のデザインまでこだわると思っているので、フータは機種変はしていないのではないかと思っている。

一応複垢説の根拠はまだある。武器が途中から双剣になっていることである。

発言量が単に倍になったと考えることもできるが、全てのUIが二倍になっているということからアカウント二つ説に繋げることも一応できる。
フータはKILLCHEROYを炎上させるためだけにスマホをもう一台買った、という考え方もなくはない。しかし大学生(一人暮らしの可能性もあるかもしれない)でスマホ二台持ちは料金も倍かかるわけで父親の説得も必要なはずなので、大変だと思うが…。
個人的には二台持ちは考えにくいが、フータはもう一つアカウントを作成して両方で被害者を責め立てていた、という考え方ならありかと思っている。しかしそれを立証するほどの根拠が見つからないので、可能性程度にしか見れていない。

とにかく何を考えるにもスマホのデザインが決定的に違うのが気がかり。
別の可能性としては壊れたスマホがKILLCHEROYのものだったというもの。飛び降りた際に一緒にスマホも落ち、地面に落ちて壊れたというもの。
さらに別の可能性はスマホが壊れたというのはフータの心情を表す婉曲表現でしかないというもの。だとしてもデザインの違いが気になるが…。

・アンダーカバーの情景描写

スマホデザインはMVのものと(壊れるシーン以外)一致

フータはヒトゴロシになったことにはひどく動揺しているしその後炎上しているはずだが、この場面だと葬式の様子をまるで拡散するために撮っているようである。
さすがに人を殺すことに躊躇いのあるフータがこんなことをするだろうか…。単純に炎上相手の身内が亡くなり葬式をしていたのを探し当て、名前を撮影して個人情報として拡散したのだろうか?

・モンスターの名前
GRETCHBIAとRYPIROTESは見当もつかなかった。
KILLCHEROYはキルケーから来ているのでは?という先行研究を見つけた。綴りは異なるが、「魔法ちゃん」という名前からは確かに連想しやすいかもしれない。


赦されなかった者の末路

フータは10人の中でも初めて「赦さない」と判決を下された囚人である。しかも不正投票まで現れたような熱狂を持って。

(調べていて知りました)
これほど憎しみ(山中さん曰く愛着)を獲得したのは、全て憶測だが言動が過激だったり、差別思想が鼻についたり、あるいは態度に反省が見られなかったりしたからだろうか。

なんにせよ「赦さない」判決を獲得したフータに何事も起きないわけが無い。現にアプリのタイムラインだと既にフータの様子がおかしくなってきている。(有料コンテンツのため掲載は控えます)
二審開始時に大きなことが起こるだろうと予想しているが、はっきりとは予想できない。
ただ、今のフータの思想をタイムラインのように極限まで否定して追い詰めた先では、フータが今まで逃げ続けてきた己への否定的感情に気づいてしまい、一気に壊れてしまうのではないかという心配はしている。
そうすると攻撃的な態度から反転して自罰的態度になったり、死を望んだり…完全に憶測だが。
フータは10人の中で最も恐怖に弱く罰にも弱い存在に見える。だからこそ二審の結果も最も強烈に反映されそうで、不安でもあり興味もある。

まとめ


ところでフータの言う通り、なぜフータ「だけ」が責められなければならなかったのだろうか?

晒し上げたのはフータだが、攻撃は大勢で行った。気に食わない人物を叩いて気持ち良くなりたいという心理はどこでも起こりうるもので、リアルにも蔓延している。フータに限ったことではない。
フータが晒さなければKLLCHEROYが死ぬことは無かったというのもあるが、正義を掲げて人を先導しながら本当は社会のことも道理のこともなんなら仲間のことも考えておらず、突き詰めれば自分を満たすために都合のいい人を見つけ出して殺した、という本質的な愚かさを問われたという考え方もできる。
そしてその後反省すれば収監されることは(もしかすると)なかったかもしれないが、実際現時点でも自分の弱さから逃げ続け、おそらくこの先も変わらない。MILGRAMとは、こういった内心をのぞき込まなければ進展しないようなヒトゴロシを集めているようにも見える。

とはいえ、他の事件はともかくこういった炎上事件はフータ一人を裁いてもどうにもならない。フータに特に大きな責任があるにしても、フータを裁くなら他の人も裁くのがフェアだとは思ってしまう。
MILGRAMは何がしたいのだろうか…

ということを論じてからまとめに入ります。

なんで22,000字いってんですかねえ… 言いたいことは決まってるのに論拠がたくさん欲しかったからですかねえ…

ハルカとユノは対人交流に重大な欠陥があるためにそれぞれにマイペースで特異に見えるところがありましたが、フータは欠陥があるとはいえ比較的わかりやすいベースをしていて、エスの言う通り「あまりに囚人らしい囚人」になっていたと思います。
弱さが全てを構成してるんですよね。「かわいい」とよく評されますが、それを誘発しているのもフータの根本にある弱さだと思います。
実際かわいい。ボイスサンプル2の「ヒッヒトゴロシ…!?」みたいな怯え方めちゃくちゃかわいいと思いませんか。
看守の仕事ほっぽり出すなら延々と赦さない連打しますよこんなん せんけど

果たして彼を裁定していいものかとは思います。前から言ってましたがフータの二の舞になるような気もします。
一方で誰かが掘り下げなければフータは弱さに永遠に気づけないという見方もあります。彼については…まだまだ迷いたいところです。
でも個人的には気づいて欲しいし、学んで欲しいし立ち上がって欲しいです。ヒトゴロシはどうやっても許せないけど、彼の本質が善で、真実に一切気付いていないわけじゃないということも無視したくはないです。
正しさも醜さも飲み込んだフータになってくれたらいいなあと思います。なるのかなあ。

それと最後に。
MILGRAMにおいて、出来事はわりとそのままに捉えていいと思っています。全情報を見たままに捉えても十分すべての証拠が現に繋がるからです。
それよりも、一番追うべき問題は心理にあると思っています。彼らがヒトゴロシであることはもう疑いようがなく、そのうえで同意できる面と同意できない面を平等に用意し、そのうえで私たちに迷わせ、私的な判断をさせている、それがコンテンツ側の目的と思うんです。推理ではなく心との触れ合い。いや途中まではぜんぜん推理ですけど!!

また23,000字とかになる前に切り上げます!!!!!

ここまでお付き合い誠にありがとうございました!
次はムウの楽曲・アフターペインです。これ以上簡単な曲はもう来ないぞ!!


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【MILGRAMとつぜん考察】


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