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「アフターペイン」とつぜん考察

【7/9 追記】小見出し「花言葉」に追記。ハマナスを追加しました。
【7/1 追記】推理難易度と順位を変更しました。一気に8位まで落ちます。他キャラを考察していて相対的な変化がありました
また、見出しにし忘れた見出しがあったので修正しました。

MILGRAM考察4曲目です。
聞いててマジで精神が毒されると思いました。めげずにこの問題だらけの曲に向き合っていきます。
自己愛と依存の曲。

※いじめ、精神疾患についての話題を扱います。苦手な方やフラッシュバックの可能性がありそうな方はなるべくバックしてください
※徹頭徹尾個人の意見!!!!!
※筆者が結構毒気にやられています。ムウが好きな方は少しお気を付けください。
※誤字脱字はスパイス(そうか?)
※図解としてYoutube公式動画からスクリーンショットさせていただいていますが、問題があると判断した場合即削除いたします
※先人の方々の考察に影響を受けている箇所があります。自分で見つけた考察・根拠でないときは必ず言及します
※サムネイルは自作です
※note使用ちょっと慣れた(説明いる?)
※関係ない食レポを含みます

導入


実早登です。

今回はアフターペイン、ひいては楠夢羽の考察をしていきます。
独自考察ルール等については「弱肉共食 とつぜん考察」をご確認ください。

早速始めていきます!

楽曲ステータス


〇推理難易度 ☆☆★★★ 8/10人
〇殺人描写推理難易度 ☆★★★★ 最もストレートかも
〇心情描写推理難易度 ☆☆★★★ MVでは隠せていたがボイスドラマでベールが…
〇殺人対象推理難易度 ☆☆★★★ 最初は騙されそうだが、落ち着いて精査すれば正体が分かる
〇時系列推理難易度 ☆☆☆☆☆ テーマでもあり最難関。意図的にいじってあるのをほどく必要あり
〇反省度推理難易度 ☆★★★★ ボイスドラマを見よう…
〇周囲環境推理難易度 ☆☆☆★★ 推定は楽だが、そこから異常性を察せるか
〇必要リアル知識難易度 ☆☆★★★ やはり心理学…
〇歌詞難易度 ☆☆☆★★ 心情推理後に戻って考察し直すとやや楽
〇ホラー度 ☆☆★★★ 痛みの中で会いましょう~から心音のようで、何かが起きそうな雰囲気にぞくっとした
〇胸糞度 ☆☆☆☆☆ 出来事というよりムウの心情が…うお……

はじめに


ゲロはきそう

主にボイスドラマで。
途中あまりに聞くに堪えなくてギブアップするかと思いました。何回も一時停止しました。他のキャラのじわじわと来る心理はそれでも根本に面白さがあって比較的平気で分析できていたのですが、ムウは無理。体調に来ました。聞く毒かこれ?
10人も囚人がいれば、ひとりくらいはマジで同情できないか自分の価値観に合わないかで相性が悪く拒否反応が出る囚人は誰しもいると思うんです。相互Aさん(弱肉共食のときから考察のお手伝いを時々してくださっている超博識相互さん)もユノの曲で結構嫌がっておりましたし…。私はムウがそれです。すみません、まじできつい。フラッシュバック注意の警告を出しましたが、個人的にはいじめ描写よりムウの所作描写の方のつもりです…。
でもがんばります。毒(ムウ)の前にスナック(フータ)嗜んでてよかったです。時間をかけてちょっとずつがんばります。

それと、前回レベルの難易度が二度と来ないと思うと絶望しかありません。(フータは個人的なランク付けで難易度最下位)
もうあれより少ない文字数の考察とか無理です。これからも私は界隈に超絶重量の論文を持ち込むんです。鈍器を持って突撃だ!!

個人的にアフターペインは、10曲を2分するなら比較的難しい部類に入ります。
その理由のひとつはムウによる意図的な事実の隠蔽工作があるということです。真正面から嘘ついてくるタイプの囚人、ついに登場。このタイプはあらゆる情報の信憑性を疑ってかからなければいけない、とても厄介な囚人です。
ですが、MILGRAMはどんなに事実を隠し通してもその全てを晒し出すシステムでもあります。ムウがいくら事実を曲げて隠し通しても、隠し通したという行為の事実と共に、何かしら情報がこちらにバレています
嘘をつくタイプの囚人の楽曲は何も信じられない、というわけではありません。かならずどこかにロジカルがあり、それを解いていけば真実がわかるようになっているはずです。
嘘つきタイプの囚人のなかでは、ムウはこれでも一番マシかもしれません。嘘入門編。(この後シドウとかカズイとかアマネとかミコトとかおるし…)
それに今回の考察はパズル式解法がけっこう効きます。この手の考察が得意な人間には比較的助かります。あまり怖気づかず、丁寧にやっていきたいです。

一審の総意は赦そう だが私が赦すかな!?!?

時系列の整理


今楽曲の最大のギミックにして難所は時系列。ムウは出来事事実はほぼそのままに、出来事の時系列をめちゃくちゃに入れ替えてこちらの誤認を誘ってくる。ムウからしたら被害者になりきりたいのだろうが、そんなムウの心理まで露出してしまっている。
この記事では様々な時系列説を検証するため、まずはMVのシーンをおおまかに分けて番号を付け、以降シーンはその番号で呼ぶものとする。

  1. ムウを虐める黒板

  2. 物をぶちまける虐め

  3. 携帯を落とす

  4. トイレでの虐め

  5. 被害者の通過

  6. 被害者を追いかけて殺害

  7. 最後の黒板

1 ムウを虐める黒板
2 物をぶちまける虐め
3 携帯を落とす
4 トイレでの虐め
5 被害者の通過
6 被害者を追いかけて殺害
7 最後の黒板

①時系列そのまま説

1から7までが見た通りに進行していく流れ。
あまり精査せずビジュアルを軽く見た分には、確かにそこまで違和感はない。
…が、7があきらかに今までの流れと矛盾している。黒板をよく見て何が書いてあるかを確認してみる。

沢山の悪口が書いてあるが…
  • 貧乏くさい

  • 根暗フェイスメイク?にあってる!

このあたりの表現は、相当裕福であることがプロフィールで判明していてしかも美少女であることも強調されているムウ相手の表現としてはおかしい。
そして、左側に書かれている似顔絵も気になる。簡易なものだが、毛先が内側にまとまっている髪型のムウとは違い外ハネが強調されている。これは黒板右側のイラストでも描かれている。
このような人物はいたかというと、一人いる。

後ろ髪がハネている

このMVにおける被害者の少女
髪型も一致するし、表情が常に大人しく誰とも仲良さそうにしていないなど、周囲に頓着がないのは確かにいじめる側の人間なら「根暗」と例えそうである。鞄がスクエアリュックなのもおしゃれをあまり気にしていない様子を感じる。
被害者はもともと虐められていたことがここで確定する。

問題はこの子は既に殺されているはずということである。
このままだと死んだはずの被害者をみんなで虐めている状態となり、ありえない。黒板直前のシーンでは、被害者が殺されたのを見てクラスメイトらが流石に動揺している。

他にもおかしいシーンはある。
1の黒板も改めて観察してみたい。

  • 少年院に行ってほしい

  • 犯罪者

これもただの悪口としては妙。どちらかというと、人を殺した後のムウにかけられそうな悪口に見える。

②時系列が真逆説

1から7へ順良く進むのではなく、7から1へ順良く進むという考え方。
この説が生まれたのは、アフターペインの主たる婉曲表現に砂時計があるかららしい。

確かに砂時計は時間を計れる、好きなところで逆さにすれば砂を逆方向に流せると言った点で時系列を示唆してはいそうである。
しかし、個人的に精査したところ違和感があった。シーンを細かく割ると逆転した際支障が出るのと、独自の割りのために一般論を検証できないので、ここではあまり分けない。

この説だと被害者への虐め→ムウが被害者を追いかけて殺害→(それが原因で?)ムウが虐められる、という流れになる。
たしかにそれっぽい。しかし、ムウが被害者を刺す前に必ず起きていたのがトイレでの虐めである。ムウはトイレで虐められていたがそこを被害者が通り、無視されたと思ったムウが被害者を追いかけてひと悶着の後殺害したのはほぼ確定。

何故ならこのシーンに殺害動機が含まれており、このシーンがなければ殺害がありえないからである。
これを前提とすると、被害者への虐め→ムウが被害者を追いかけて殺害→(それが原因で?)ムウが虐められる という流れは、被害者がいじめられていたのにいきなりムウが虐められるという流れになってしまう。

もう一つおかしい点は、この流れだとムウが殺人を犯したにもかかわらず普通に捕まらず大学に在籍できていて、その後もしばらく虐められているという流れができてしまうところである。
少年法で許されたのでは?という考え方もできるが、ボイスドラマを聞く限りその可能性はない。エスはムウの罪状について確実に殺人罪が適用できること、少年法こそ適用されるものの回避できるのは死刑だけで懲役はありうる、と断言している。

また、ムウはこの前に「やっちゃった後から記憶がはっきりしない」「気が付いたらここ(ミルグラム)にいた」と言っている。本当に記憶がはっきりしなかったかは検証の余地があるが、その後法律の話を聞いて動揺していたため、殺人した後普通に生活できていたとは思えない。それに周りもおそらく通報するはず。

ここまでの考察の中で、絶対に合っていると思われる時系列ルールを抜粋する。

・4,5,6はこの流れで必ず繋がる
 (トイレでの被害者の無視がムウの殺人の動機だから)
・1もしくは6が最後
 (ムウが殺人した後すぐミルグラムに移行したはずだから)
・7は最初
 (ムウが虐められた後被害者が虐められるということはない)

以上を踏まえ、私は正しい時系列をこのように考える。

結論:7(かなりのラグ)2,3,4,5,6(,1)

1と7だけを逆にしたもの。それ以外の時系列はそのままで通る。
7のあと2が来たら被害者虐めの直後いきなりムウが虐められていて確かに妙なのだが、そもそも7の後すぐ繋げることができるシーンはひとつもない。被害者が虐められていたがなにかの出来事がMV外で発生し、それを機にいじめ対象がムウに移行したという考え方であればできる。

1が最後だとムウが殺人した後クラスメイトが通報せずまだムウを虐めていたのか?というのも妙。(通報はしたかもしれないが)これについては、1は実際に起きた出来事ではないという可能性も考えている。なぜなら1のシーンの中に婉曲表現が含まれているから。

ハルカ~フータまでの考察の中で婉曲表現というワードをずっと扱ってきたが、私の言う婉曲表現は、現実には存在しない物や表現を用いて別の事象を遠回しに表現しているというものである。ハルカのスポットライトは視線、ユノの螺旋階段はDNA、フータの炎は炎上、といったようなもの。
存在しないものを用いているということは、婉曲表現が登場するシーンは完全な現実ではないということ。起きた出来事を少しビジュアル的に描き変えているか、あるいは起きていないが重要な表現をしているか、のだいたい二択である。
そしてムウの砂時計もおそらく実在するものではない。

クソデカ砂時計

時々ムウが砂時計の中に入って砂を浴びているシーンがあるが、もちろんそんな出来事が実際にあるわけがない。ムウの場合は砂を浴びたシーンの後に実際の虐め情景を映していることが多いため、砂時計が空想の産物であることを想像しやすい。
また、大きな砂時計が登場するシーンでは背景が違う。もやがかかったような白い世界が無限に広がり、地面はグレーの石畳でできている。こんな場所も現実にない。

一方、小さい砂時計は1のムウが寝ているシーンと、5でムウが被害者を追いかけるシーンの2カ所で、比較的現実っぽく登場する。

唐突に置かれる砂時計

しかし私としてはこれも婉曲表現だと思いたい。この砂時計の存在があまりにも脈絡がないからである。
ムウが砂時計を所持しているという話も聞かないし、持っている理由もあまり想像がつかない。時間を計りたいならスマートフォンでいいし、教室の壁にも時計があった。
また、この2カ所に登場する砂時計はどちらもムウや他の人物と直接接触していない。比較的リアルな風景の中に、リアルに影響されないような形で婉曲表現を紛れさせてあるという発想である。
だから砂時計が登場するシーンは遠回しに何かを演出しているか、存在しないが重要な何かを表現したいシーンと思いたい。よって1は実在しないが他の重大な意味を持つシーンではないか、というのが最終的な考えである。

他のシーンについても一応振り返る。
3ではムウのスマホが割れるが、4の虐めシーンにも同じデザインの割れたスマホが出てくるため、3の後に4のシーンが来るはず。3~6は綺麗に繋がるとしたら、2はその前と考えられるため、やはり7と1のみ逆転しつつラグや非実在の出来事を疑うというのが最も違和感がないのではないだろうか。

被害者の少女


時系列の推測をしてきたが、改めて整理をしても被害者の少女はムウの前に虐められていたことが確定する。理由はそこまで多く語られないが、黒板に「自意識過剰」と書かれているのを見ると少し人目を気にして怯えてしまう性格があったのではないか、という想像などはできる。根拠はない。
多くの人間が黒板に落書きしていることから被害者もムウ同様クラスで結託して虐められていたようだが、この時虐められていなかったはずのムウはどうしていたかというと…

黒板左寄りの下。菊の近くの小さめの文字。あとムウが手に持つ花も…

「いつも楽しませてくれてありがとう! お花プレゼントしておいたよ」

一 緒 に 被 害 者 を 虐 め て い た

最  の  悪

どんな理由があってもいじめるほうが悪い!」というのはよく言われる話で、実際自分もそう思う。
しかしこの理屈に照らし合わせるならムウもどんな理由があろうが悪いということになる。お前さあ……

そもそもこのMVは、初見だと元々ムウと仲の良かった子が、ムウへ虐めターゲットが移動したとたん助けてくれなくなり、助けを乞うても無視されつい殺してしまった…という流れに見えがちであるし、実際リアタイだと一部の人にそう思われていたらしい。私もそう見えていた。
だが被害者が虐められていたとなるとこれはおかしいし、ムウのスマホ画面にももう一つの証拠がある。

ムウと元々仲が良かった4人組の写真らしい。ムウの左手が画面外へ伸びているので、ムウ自身が撮ったもの。

グループ名が「たまりば」、所属人数が4名。
ムウ以外に登場している2人の顔写真が先ほどの写真のもの

この4人ととくに仲が良かったということはLINE画面でもわかる。
しかしこの中に被害者の見た目をした人はいない。被害者は正真正銘元から虐められていたということだろう。

被害者はムウをトイレで見かけたときムウを助けることもなく立ち去ったが、元々ムウからひどい虐めを受けていたとしたら確かに助ける気など芽生えないし、因果応報だと思って無視するかもしれない。
念のためだが、この時の被害者はわざとムウの様子を見に来てから立ち去ったわけではないと思う。

左側に鍵をかける金具

画面左側の扉が内側に折れていて、また内側に鍵をかけるための金具がある。被害者は外から来たのではなく、個室の中から出てきたと考えられる。
つまり被害者が用があってトイレの個室に入っていたところ、ムウとクラスメイトがぞろぞろ入ってきて扉の目の前でいじめ開始。さすがに出るに出れないのでほとぼりが冷めるまで個室で待機。静かになったので出たらまだムウが倒れている。嫌いだし見てほしがりなので放置。こういった流れを考えてみた。
もちろんいじめ無視にも大きな罪はあるが、元々彼女がその人に虐められていたことに加え、この後ムウが被害者に言った(であろう)ことを考えると、加担したり、わざわざ見に来たうえで無視したりしたというよりは少しマシ…なのだろうか。
フィクションなのでこういう考察をしています。実際の虐めは加担も傍観も絶対にいけません。

殺人描写については全楽曲中で最もストレート。考察はほぼ要らないくらい。
殺害方法はカッターによる刺殺。婉曲表現の中でだがムウがしっかりカッターを握っているし、このカッターは2の場面でもムウの私物の中に混ざっていた。(元々ムウの所持品だったか、クラスメイトがコンパスやはさみと一緒に混ぜて頭上から落としたかは不明)
ムウは最初から拒否されたら殺そうと殺意を持ち、カッターを持って被害者のもとへ走っていったのだ。

右足付近。デザインも一致

アンダーカバーの殺人立ち絵もよく見るとムウがカッターのようなものを持っている。

右手側。血のエフェクトが重なって白く見える

アフターペインMVだと双方立った状態で刺していたが、アンダーカバーだと被害者(エス代理)が座り込んでいるところにムウが乗り上げている。これが本当だとしたら、ムウは一回刺しただけではなく乗り上げてさらに刺したことになる…。こっっっっわ…「仕方なかった」じゃ済まされないぞ…

ムウが虐められた理由


今度は虐めのターゲットがムウに変わった理由を考える。最初に出す根拠は、ムウが投げたスマホに表示されたLINE画面。

最後の会話はムウからの「余り物だけどよかった?(+「うれしい」スタンプ)。全員からの既読付き。登校時間が20:32で現在時刻が17:20なので少なくとも前日以前であることは間違いない。
リップのデザインはゴールドのケース、中央のリップ色と金色の丸いロゴからおそらくイヴサンローランをイメージしていると考える。

https://www.yslb.jp/makeup/makeup-lips/makeup-lipstick/rouge-volupte-shine/3614272333222.html?gclid=Cj0KCQjwhqaVBhCxARIsAHK1tiPyEuEhbBXyjtoNmurIon3MvuP2KfKzB7F_nZQk84AL40gta47pSTsaAuMSEALw_wcB

(イヴサンローランのオンラインショップのリンクです)
イヴサンローランのリップ「ルージュ ヴォリュプテ シャイン」は1本約4,500円。高校生にはかなり張る値段で、こんなのをポンポン買えるムウは本当に裕福。貰えたら素直に嬉しすぎるが、これを余り物と言われたらさすがにグループも凍り付くだろうな…
ムウはボイスドラマでも「実家が裕福だからやっかみを受ける」と聞かれてもいないのに自分から言ってしまう節がある。実家が裕福なのを妬まれているのではなく、それを事もなげに口に出してしまう様が顰蹙を買っているのだと思うが…
この調子だと「自分がフランスとのハーフである」「美人である」ということも事あるごとに口に出してしまっているのでは? 自慢は悪いことではないと思うのだが、相手の気持ちを無視した自慢は継続すると人間関係を壊す可能性がある。
私自身は自慢話は全く悪くないと思うし、お金持ちであることもちょっと驚くかもしれないが、それ自体を嫌いにはならない。ムウの場合は言う時にオブラートがないので、無自覚に相手を見下しているようなニュアンスになりがちなのがあまり良くないのだと思う。

全然話変わるんですがイヴサンローランの今夏の新作、色もモチーフもめっっっちゃかわいいと思いませんか???? ミルクティーモチーフうおおおおおおってなってたんですよ…
新作コスメ一覧はとりあえず見る人なので… 買えんけど…

4人は今まで仲良くしていたがこの会話を機に3人がムウに苛立ちを見せ、被害者虐めからいつのまにかムウ虐めにシフトしていたという流れがあったと思う。
たしかに思うところはあるだろうが、だからといって虐めは絶対にしてはいけない。話し合うか距離を取るかすればよかった時点で彼女らクラスメイトも擁護はできない。いくらムウがヒトゴロシでもここは関係ない。
けれど、被害者からしたらなぜかいつのまにか虐められなくなって助かる思いだったと思うが、別に謝罪されたわけでもないし、元々自分を虐めていたムウは悪くないもんと言い張り続けるし、結局虐めは見続けるし、挙句ほとんど関係ないのにエゴで殺されるし、散々な人生だったに違いない。あまりにもかわいそうすぎる…。

「絶対的に正しい被害者」


出来事の整理は以上にして、次からいよいよムウの精神構造を考えていく。
ムウの心情が最も分かりやすいのは圧倒的にボイスドラマ。聞いたところ、ムウの裁定はもともと赦すがかなり優勢だったらしいが、ドラマCDが公開されたとたん一気に赦さないが逆転劇を起こしたという。

ジャッカローブもこの流れに触れている。よっぽどすごい勢いだったのだろう。でもなぜそこからまた赦すに戻ったのだろう…当時の世論の流れを見ていないので分からないのが悔しい。

そしてなぜボイスドラマを契機にそこまで票が揺れたのかというと、聞けばわかる。

聞く毒

聞いて体調を悪くしたボイスドラマは初めて。リアルさと歪さとわかりあえなさと、あとじっとり見下されている空気が頭痛や腹痛を誘発した。(すみません)
でもなんとか聞きながら要所要所メモして考察するに至った。よろしくお願いいたします。

ムウの状態に当てはまると考えた心理学用語は自己憐憫

自己嫌悪も自己憐憫も、自分を肯定できていない点では一緒ですが、自己嫌悪は自分をひどく嫌っているのに対し、自己憐憫はかわいそうな自分に酔って快感を覚えている点が大きく異なります。
自己憐憫な人は「私ほど不幸な人はいない」と思っており、そんな自分を憐れむことで、周りからの注目を集め、特別扱いしてほしいと思っているのです。

俗に「悲劇のヒロイン症候群」とも呼ばれる。

ムウは「ひどいことをされた」「とてもつらかった」と己のされたことを強く主張する。それも時には嘘までついてひどく誇張して伝える癖があり、曲にまでその心理が現れている。
その根底にあるのは強い被害者意識

まず、ムウは自分が被害者である=不当な扱いを受けていると思うことで自分を純粋な正義、相手を絶対悪と認識し、自己のイメージを守っている。この時己の攻撃性も見ないふりをする、あるいは相手に投影してしまうこともできる。
「私がいなくなれば 消えればよかったの」という歌詞は、自分が虐められている理由を自分の存在だけに限定している。そうすることで自身の欠点を棚上げすると同時に、存在しているだけなのに虐めて来る加害者たちが悪だ、と暗に認識することができている。
ムウは虐められた理由を「特別意味はないの ハズレを引いたの」と主張するように、自分の欠点は一切挙げない。「私も悪いところはあるからさ」でも具体的なことは言わないし、その前に「でもたぶん」が付いているのでお察し。これもおそらく詳細に問えば「私が生きているから」と返ってきそう。

そして自分が最も不幸だと思っているので他の人の不幸、さらには感情を汲み取ることができず、相手を思いやれなかったり、相手の気に障るような発言を無意識にしてしまう。リップについての発言もそういった無意識から来たものだと思われる。
エスが苦しんでいた時「どうしたの!」と近づきはしたものの、手を振り払われると途端に泣き出し、その後エスがいかに苦しんでいようと無反応。その後もエスの体調については一切心配するそぶりを見せない。そして泣き終わるのもあまりに早い。

さらには自分が確実に正義だと思っているので、何をしても許されるべきと己の発言・行為も過激になってしまう。自己奉仕バイアス

ドラマCDの「殺したよ、でもあっちが悪いんだよ」「仕方なかったんだよ」は聞いていてかなり精神に来る。

潜在的部分には自分に同情してほしい、絶対的正義であると認めてほしいという自己愛が存在しており、より強い共感を得ることで承認欲求を満たそうとしているのがムウである。これが満たされ続けると中毒化していき、被害者面もエスカレートしていく。
「ごめんなさいが届かないよ」と言いながら「ごめんなさいが聞こえないよ」発言。正しい自分が謝ってあげているのに悪のあちらは謝らない、という強烈な心理の見える歌詞と歌い方になっている。この歌詞の後ろで聞こえてくるムウの台詞は「ごめんなさい」が4回だが、だんだん声が低くなって感情もなくなっている。面倒くささや悪への恨みと言った本心が徐々に見えているのだろうか。

承認欲求と言えば、フータと一緒。フータとムウは3と4で隣り合ったペアであるが、ペアの法則通り根底に似たものを抱えている。

相手の反応を見るムウ。まさに承認欲求中毒
しかし自尊心が足りなかったフータに対し、ムウは非常に自尊心に満ちている。だからこそ元々いじめ加害者でもあったのだ。

いじめ加害者の心理は様々なケースがあり一概には言えないが、そのなかに「上位に立って承認欲求を満たしたい」というものがあるという。まさにムウである。
自分よりも劣った、変な人間を見ると自分の正しさを内心で強調することができるし、さらに他人を支配して上位に立つことでも承認欲求が満たされる、ということである。
ボイスドラマでエスがジャッカローブと話すのを見てから(ジャッカローブの声はエスにしか聞こえないらしい)、ムウはいきなりエスを「ウサギと話すかわいそうな人」と嘲笑う攻撃的な面を見せてきた。この攻撃性とムウの自己憐憫は、同じ「承認欲求」という言葉でおそらく説明ができるのである。

ムウの場合はこの承認欲求、そして自己憐憫がエスカレートし切っているためもはや法律も彼女の心を一切変えない。
「全然悪くない人を捕まえようとするダメな警察」(強い口調)発言は本当に…

具合悪くなってきた…………

被害者意識の強い人って人が離れていきやすいらしいんですよね。腹を立てるというのも分かるけど、付き合っていて胸糞悪くなるというものもあると思います。私は後者になっています。
前述しましたが私はボイスドラマでガチで体調を崩しました。そういうこともある。
考察に支障が出るので、私もムウのように己を満たしていきたいと思います。

そっちが欲求回復するならこっちも欲求回復だ。

スターバックスの期間限定新作「The メロンof メロン フラペチーノ」です。

あ~~~~~~~私悪くない~~正しい~~~~~~~~。

甘くとてもおいしいです。酸っぱさがなくただひたすら甘いのが私好みでした。果肉も入っているので食感も変わるのがとてもいいです。めっちゃ好き…。
色やデザインもかわいいです。まるでムウの砂時計の砂みたいな色してますね。あれ舐めたら甘いんでしょうか。

ごちそうさまでした。
スタバ超絶久々に行きました。やっぱりいいですね。
そろそろメニュー入れ替え時かもしれませんので、気になる方は早めに伺うことをお勧めします。



以上を踏まえてだが、ムウの精神構造によく似た精神疾患もフータと同じ自己愛性パーソナリティ障害ではないだろうか。

ムウの場合は基本的な要素のほか、感情表現が突如現れたりすぐ消えたりすること、自身を優れた人として見ていること、劣っていると感じた人に高慢な態度をとること、すぐに傷つくことなどが該当していると考えた。

とはいってもその根源にある潜在的感情はフータと全く異なる。フータは自尊心が非常に低いことからくる恐怖が根源だが、ムウの場合はおそらくそうではない。ということをここから考えてみる。

満たされ過ぎて立ち方を知らない囚人


ムウはハルカ・ユノ・フータと違い、家庭環境に問題があったり親が片方欠けていたりなどの特徴は見られない。もちろん両親がそろっていなければ非行が起こる・非行を起こす人は両親がそろっていないという法則があるわけでは決してないが
ムウは相当裕福な家庭に生まれたことを各所で強調されている。

リップの件もあるほか、服も少し気になった。囚人服の下に着ている服はほかの囚人と比べてそこまではよく見えないが、レースのスカートと銀色のヒールはなかなか私服で着づらそう。かなり高級な服を着ているのだろうか。

バカンスの地として夏に人気な地域らしい。ここが母方の実家。しかも「海」とあえて言うことは、ニースの海水浴場・ビーチなどに家の立地も近い可能性がある。
ある程度予想はしていたが、よっぽどだな…

両親は揃っていて、さらに関係性も相当良好。ムウから両親へ尊敬の念すらある。

「パパ」「ママ」呼びも相当の信頼を置いている証拠に見える。

気になるのは「優しくて」。ここで二つの尋問を確認する。

ムウは父親のような人を愛する。そして父親はとても優しい。16歳にしてイヴサンローランのリップを「余る」と言えるほど買えてしまうほどお小遣いを渡している環境は、同じ年齢の子と比較したら相当贅沢だと思う。
こういった様子や尋問の「したいと思ったことはしてる」発言から、ムウの欲しいものは何でも与えている可能性がある。そしてムウの考える友人とは、自分の言うことを聞く人。
ムウは家族に非常に甘やかされて育ったため、自立する力を失っているのでは?

家族に甘やかされすぎて育つと、自分は努力しなくても周りが当然要求を満たしてくれると思うようになってしまう。人を頼ってしか立ち上がることができなくなり、少し攻撃するとすぐ泣き言を言い、また自分の正しさを主張することで助けを乞う。
例えば子供がおもちゃを買ってもらえなくてだだをこね、すると親がおもちゃを買ってくれる…ということが続けば、子供は「だだをこねれば言うことを聞いてもらえるんだ」と学習する。ムウの状況はそれに似ている。
ムウはボイスドラマで、赦してもらえるかもと思ったとき「何でも言うことを聞くよ!痛いことや怖いこと、恥ずかしいことは嫌だけど」と、こちらの要求を呑んでほしいにもかかわらず立ち向かうことをとにかく嫌がる。警察の世話になるかもしれないぞと言われたときも「やだ!」。
それに、ムウはあまり喋るのが得意ではない。具体的に言うと、自分がどう辛かったのかについてもきちんと説明せず「悪くないもん」「あっちが悪いんだもん」の一点張り。どう悪くなくて、どんな出来事があって何に至ったかといった状況説明ができない。語彙力のなさを感じた人もいるのではないだろうか。あるいは、考えて発言しなくても今までなんとかなっていたのでは?

ムウは自分で行動する力をことごとく失っている。それは、拒否をすれば大体なんとかなるような生き方をしていたからのではないだろうか。
気が弱そうにみえて思ったことをはっきり言う性格は、こうした自立力のなさからも来ていそう。

ムウは親の愛を受けすぎて自己愛には満たされた。満たされ過ぎた。
そんな彼女がいきなりどん底を経験したらどうなるか?

憶測だが、怖がって逃げると思う。

今まで自尊心・環境共に満たされ過ぎた状況から突然理不尽な場所へ環境が一気に移動すれば、それは当然ギャップに驚き、怖がって、満たされ過ぎた元の場所へ逃げるのではないだろうか。
あるいはその場で動かなくなり助けを求め続ける。甘やかされ過ぎて立ち方が分からないから。
ムウは一見環境に何の問題もなく生まれつきの異常者…と思われがちかもしれないが、よく環境を確認すると裕福な実家か刑務所行きの可能性、虐め加害者か虐め被害者、といったように、彼女を取り巻く環境は最高か最悪の両極端しかない。それも満たされてからの転落だから、自分一人で生きる術を知らない。
ムウもムウで、他の囚人とは異なる意味で環境が悪かった。良すぎる環境と悪すぎる環境しか知らないゆえに、丁度良い人間関係を知る手段がなかったのだ。

そう考えると、アフターペインの事件は本当にムウだけが悪かったのか?という疑問がわく。
私は両親にも責任があると考えたい。ムウは自分自身で歩むための足を幼いころから奪われているようなもので、成長するタイミングも見失ってしまっている。
そしてムウを取り巻くクラスメイトにも責任がある。本来クラスメイトとは人間関係をはぐくみ学んでいくものであるはずだが、彼女たちは強い承認と人を加害する手段、そして極端な理不尽しか教えてくれなかった。立てないムウを理不尽に落としたのは彼女たちでもある。

ムウがしたことは決して赦されないが、環境が違えばこうはならなかったのでは? というのが、この記事の結論になる。

まとめとして、ざっくりいうとフータは自分嫌い、ムウは自分好き
フータは弱い自分を否定して自分の中で高めるために承認欲求を求める。
一方のムウは、満たされた自分が転落することを恐れて承認欲求を求める。
二人とも根源に恐怖があり、しかしスタート位置とベクトルが真逆。

ムウを赦していいのか


判決の動向については「絶対に正しい被害者」でも確認したが、赦すが圧倒的優勢だったところから一気に赦さないが大きく逆転し、その後揺れ動きながら赦すに落ち着いたという。

ムウは自分を完全な被害者に見せながらそんなことはなく、むしろ加害者の要素を強く持ち、それを棚上げしていた。ムウが加害者だということはMVの精査をしていれば一応気づくことはできるはず。そしてムウの自己の神聖視の恐ろしさも、尋問とボイスドラマで思い知ることができる。
改めて、一応この記事では自己愛性パーソナリティがムウの傾向にに似ていると判断している。この疾患を持つ人は人との関係性を上手く維持することができにくい傾向にあるという。こういった疾患を「自己中」「無敵の人」と例える場面を何度か見たこともある。

なぜ赦す優勢になったかはあまり分からないが、ムウを赦すべきでないと考える人は彼女の潜在的な無敵性や加虐性に注目し、そういったものを赦してしまったらまずいのではないか?と考えているのではないだろうか。私も実際、最初は裁定の結論を見て「二審が怖い」と思っていた。
ムウは赦されてよかったのだろうか。そもそも、ムウは赦されても赦されなくても変われるのだろうか。

二審がどうなるかわからないうえでの意見だが、私は赦してもそこそこよかったのではと考える。

ムウは人の叱責をほぼほぼ受け入れず、成長・改心をしない状態にある。改心を目的とするならだが、彼女を叱責すれば絶対にムウは意見を聞き入れずこちらを敵視してくるが、一度肯定すればまだ会話の余地があると思っている。

自己憐憫から抜け出すためには、本人が自ら考え方を変えなければなりません。まずは「大変だったね」と相手を肯定し、話をしっかり聞いてあげるのが第一ステップですが、気持ちが落ち着いてきたところで、相手に「気づき」を与えてあげましょう。
「気づき」とは、他人から指摘されることなく、自分の心で感じ、理解することを意味します。相手の気づきを促すには「質問をする」のが有効です。「このままいくとどうなるだろうね」「今はどんな感じですか?」など、会話の中で、相手が今の自分の現状を把握できる質問をします。
その上で、「どうなっていたらいいと思う?」「そのために、どうするのがいいと思う?」いったことを、上から目線でなく、同じ目線の高さで質問しつつ、本人にも考えさせる。すると、相手は自然と気づくことにつながります。間違っても「なぜそれができないの?」と、相手を責める質問は避けましょう。

自分の正しさを絶対視するようになってしまった人間は、自分を少しでも否定してきた人間を即座に絶対悪と認識してしまう傾向にあるという。小さな否定であったとしても、これではムウとは話は通じない。
しかしムウは肯定意見であれば(補正がつくとはいえ)一応聞いてくれる。この先も看守として付き合っていきたいならばここで完全に関係が断裂するわけにはいかないので、赦したほうがまだマシ。

それもあるし、ムウと対等に話せる状態であればムウに物事を考えさせるような話し方もできると考える。
自己愛性パーソナリティの傾向がある人を自己憐憫から抜け出させる方法としていくつか見つかったが、「気づきを与える」ということがいいらしい。
ムウに強い共感を示すのでもなく逆に強い非難を与えるのでもなく、例えばムウに「辛いとは言うけど、具体的に何があったのか」「どうして辛いと思っているのか」「どうすれば辛くなくなるか」といったような、ムウ自身の考えを整理することができるような質問を対等な位置から投げかけるというのがいいのだと思う。状況の言語化をさせるべきということだ。
互いに落ち着いた状態で、説明をせずただ「辛かった」とのみ話すムウにその状況を落ち着いて口に出させることで、ムウの中でも整理がつく可能性はある。否定してしまったとしても、ひょっとしたらムウの内心の中では気付きが生まれるかもしれない。

「赦す」「赦さない」とは少し違うかもしれないが、そのための時間を得られる可能性が近い「赦す」は良い回答だったと思っている。
それもムウに騙された「赦す」ではなく、事実に気付いて「赦さない」に大きく傾いた後悩み続けて下された「赦す」は、ただの「赦す」より意味を持ってムウに影響を与える…と信じたい。
ムウのような人間は「無敵」と突き放され、その後フォローされない傾向が現実社会においてもあると思う。その方が突き放した人たちにとってはストレスがなくて済むと思うが、この後生まれるかもしれない悲劇や加害行為を抑止できない。私はムウ達を支えて立つ力を与える試みはあるべきだと感じた。
結局二審がどうなるかは誰にも断言できないが…。

以上をムウの心理考察としたい。

砂時計


少しMVの話に戻る。
アフターペインのMVに使われている婉曲表現は、実は砂時計のみ
アフターペインは珍しく婉曲描写が一つしかない。その代わり一つに込められる意味もなかなか多彩になっているように見えた。

①血
散らばった砂時計の砂が血を演出している。

砂というより液体の質感に似ている

②痛み・虐め

ムウが頭上から落とされたらしい物が砂に例えられている。砂を被った様子が虐めの様子に変化するさまも描かれているので、確定。

③罪
ムウが被害者を刺した途端砂時計が壊れることから。

ムウは自身も被害者を虐めていたという罪を、因果応報という言い方になってしまうがいじめという形で受けていた。被害者がかつて受けていた痛み(砂)と同量のものを受け清算しているところだったという考え。

砂はもう少しでなくなるところだった

しかしムウは砂時計の中にとどまることを嫌がり、ずっと中からガラスを叩いていた。壊せなかったわけではない。逆上して被害者を殺してしまえば実際壊すことはできたのだ。
また、ムウがトイレから被害者を追いかけるときに砂時計が道端に捨て置かれているのも印象的。

これも罪を捨て置く=棚上げしていると捉えられるだろうか。
おそらくだが、被害者にムウが駆け寄って激情を露わにしながら伝えた言葉は「助けてほしい」「ごめん」ではない。ここに「ごめんの魔法はきっと」という歌詞が被るためうまいミスリードになっている。
ムウの心情をここまで考察したうえで根拠がないとはいえ推測するとしたら、「無視するなんてひどい」「あなたのせいだ」「代わってほしい」だろうか。
「無視するなんてひどい」は正論だが。前科がなければ…。
ムウは本心から反省できない。それができていたらこの事件は起きていない。だから謝罪ではない。
そして責任転嫁癖があり自分の非については決して考えないようにしている。ここから推測したのが上記の言葉である。こんなこと言ったら実際振り払われると思う。

そして元々の原因(と思い込んでいた)である被害者を殺せば砂時計(虐め)から解放されクラスメイトと元の関係に戻れると思っていた。確かに周囲が動揺して虐め(砂)を受けることはなくなったが、しかし周囲はムウの殺人行為に引いてしまい、結局近寄ってくることはなかった。クラスメイトが自分を嫌い取り囲むのは被害者のせいではなかった。

砂時計は逆さにして上にある砂を下に流し、砂が無くなったら再び逆さにする仕組みのある道具である。ムウが加害者なら、被害者にも「上から」「痛み」(物を落とすなど)の虐めをしていたとも考えられる。そうして下に流していた痛み、あるいは罪を、今度は自分自身が被ることになったという考え方をしてみた。

そしてムウは内側からガラスを叩くとき以外、砂時計(=罪)を決して直視・認識することはない。あまりに唐突に画面に登場しストーリーに関与しない小さな砂時計の意味はおそらくこれだと思う。

ムウは決して罪を見ず清算も受け入れなかった。それがムウの罪ではないだろうか。

  • 砂時計(砂):罪、痛み、血

これはフィクションのため行っている考察です。
どんな理由があろうと、相手にどんな不快感を持っていようと虐めは絶対にあってはならない純粋な傷害行為です。
現実の場面で虐めを絶対に肯定しないでください。

歌詞を振り返る


「ハズレを引いたの」
→「I got the short end of the stick」
訳「損な役割を担わされた(貧乏くじを引いた)」。
他の場所でも解説したが、自分が虐められている原因や流れは一切なく、ただ運が悪かっただけと主張。

「乾いちゃってどうしたら」
→「My heart is all dried up」
訳「私の心は完全に乾いた」
日本語だとやや意味不明だが英語字幕を出すと主語が付く。傷ついたときの発言というより、虐めてきた相手への愛情が完全に尽きたというニュアンスを感じた。

「ごめんなさいが届かないよ」
初見だと謝っても無視されるという意味に取っていたが、改めて振り返ると謝ってあげているのに通じないという意味合いを感じなくもない。

「明日にいきたくはない 昨日は忘れたい」
「明日にいきたくはない」は自立できないムウが我儘にも先へ進むことや罪を清算することを拒む考え、「昨日は忘れたい」は自分の犯した罪はなかったことにしたいという考えを感じた。

「私はとてもつらかったの 助けて誰か」
「我慢ならもう慣れっこ」
か弱い正義になりたいのに(我慢ならもう慣れっこ)耐え性がないので、発言がコロコロ変わっている(助けて誰か)。

「私のことを悪者にするなら」
悪者に「する」という言い方が、悪くない私を悪に仕立て上げるならというニュアンスを含んでいるようだ。

「消したはずなのに夢に見ちゃうのよ~忘れて」
「もう一度なんちゃって 忘れて」という言い方が、わざわざ聞こえるように言っているようなアピール感を感じなくもない。本当に忘れてほしいとは思っていないだろう。

考察が少し難しいのはラストサビ前のCメロ。

「痛みの中で会いましょう 私だけの居場所」
「痛み」を「私だけ」と言っているのは、辛いのは自分一人だけという被害者意識の表れだろうか。

「心隠す死に化粧 解き方は内緒」
心(私は悪くない)隠す死に化粧(私は死ぬほどつらい)。
化粧の解除方法が知られるとムウにとっては内面がバレて自尊心が傷つく恐れがある。

「悪魔の声による刺傷 返す刃は遺書」
少し難しかった。「返す刃」は返し刀ととることもできるが、個人的には単純に攻撃されたときの反撃ととった方が辻褄があった。この部分の英訳も「Counterattack」(=反撃)。
悪魔の声による刺傷はクラスメイトらによる言葉の攻撃。遺書はムウから出すもの。
いじめられて死にたいというのは分かるが「返す刃」という表現は攻撃的。そもそもムウは楽曲から分かる通り死にたいとは全く思っていないし全責任が相手にあると思っている。死にたいと発言することによって絶対的正義の自分に死にたいと言わせているなんて!と自尊心を満たしているさまだろうか。

「"あなた"が好きよ」
ダブルクォーテーションがミソ。「あなた」が指すものはそのまま「相手」ではない。
そもそもここまでの歌詞を見てきてムウが相手を想っていたことはない。しかし相手を想うときのムウの心情にはいつも「~してあげた」がつく。
相手が好きなのではなく、相手を思いやってあげる自分が好き、絶対悪のために被害者になってあげている自分が好きという本音の表れに見えた。

「ごめんなさいが聞こえないよ」
言うまでもなく本音。感情もあらわ。

「いじめ」ペア、フータ&ムウ


まとめとして、二つ目のペアであるフータとムウを比較してみたい。
改めて「弱肉共食」で提示した楽曲ルールの一つを抜粋する。

隣り合ったキャラはペアであり、このペアは罪状やテーマなどが非常に似通っている(1,2:渇愛 3,4:いじめ 5,6:奉仕 7,8:外面 9,10:発散)。こういった大まかなテーマ以外にも、非常に多くの場所に類似・あるいは対比が見つかる

そもそも私がこのルールの存在を確信したのはフータとムウ、カズイとアマネを比較したことが要因である。
カズイとアマネについてはおそらくアマネの記事の時に説明するが、フータとムウはどちらも多数による虐め行為の加害者にも被害者にもなったことがあり、そしてどちらも己の罪を分かっていたうえで正当化するという強い類似があった。これを見て他のキャラクターも比較し、全てのペアに法則が通用したためにルールとして取り上げるに至った。

自分を相対視するフータ。自分を絶対視するムウ。
強くあろうとしながら弱いフータ。弱くあろうとしながら強いムウ。
攻撃を防御に用いるフータ。防御を攻撃に用いるムウ。
自分の過ちに本当は気づいているフータ。まるで気付いていないムウ。
親の無償の愛が足りなかったフータ。親の愛を受け過ぎたムウ。

どちらも集団で一人を虐めて追い込んだ。
その結果いじめの加害者から被害者に転身し、罪の清算に入った。
また己の自尊心、承認欲求のために無関係な女子学生を殺した。
そして己を正当化し、罪をまるで認めない。
一人で生きていくことができない。

考察開始時はフータは比較的落ち着いた目で、ムウは思い立ってスタバに行くくらい疲弊しながら見ていたが、まとめていった結果最終的に二人とも「ひどく愚かだけど変わってほしい、救われてほしい」に落ち着くことができた。
フータにあったリアルでの突き放すような孤独感はムウに足りなかったし、逆にムウにあった無償の愛はフータに足りなかった。互いに少しでも分け与えられていれば違う未来があったのだろうか。

その他考察

「アフターペイン」とは

直訳は「痛みの後」。
ムウが受けた虐めの後の出来事(ヒトゴロシ)ともとることができるし、逆に被害者が受けた虐めの後の出来事(ムウへの虐め)ともとることができるか?
あるいは、自分が受けた痛みの話(後)を主張して原因(前)をしないムウの心理(「明日にいきたくはない 昨日は忘れたい」)のタイトル化ともとれるか。

Crying Bとは

ムウのボイスドラマのタイトル。ツイッターで検索すると実在するスラングらしい。
「crybaby」と同義らしく、意味は「泣き虫」「弱虫」。ボイスドラマ中でことあるごとに泣いて被害者意識を主張していたムウらしい。

花言葉

ムウの誕生日:7月5日
誕生花:ペンステモン?
ペンステモンの花言葉:「美しさへの憧れ」or「失った愛情」

ムウの腰辺りのレースが誕生花だと思うのだが、そんなにペンステモンか…?とかなり迷った。7月5日の誕生花はほかにラベンダー、ロベリア、ハマナスがあるのだが、ラベンダーは絶対に違い、ロベリアも上の方に花弁がない特殊な形なので違う。
ハマナスも結構丸い花弁をしているのでたぶん違うと思いたいが、花言葉が「悲しくそして美しく」と正直ペンステモンよりムウらしく、またこのレースもめちゃめちゃペンステモンだと思えるデザインではなかったのであまり断言できなかった。
花弁が大きいように見えるが、よく見ると小さい花を大きな葉が囲んでいるデザインのため花本体は小さいはず。なので消去法でペンステモン…。すみません情報提供よろしくお願いいたします。

【7/9 追記】
靴の飾りがハマナスでないかという情報提供を頂けました。ありがとうございます!

(布をくるっと巻いた装飾だと思って放置してました…)
ペンステモンもまだ捨てきれていないですが、シドウのように二種類の花を用意しているケースもあるのでハマナスとのダブルかもしれないと検討してみます。

ケーキはガレット・デ・ロワというフランスの伝統菓子。上に王冠が載っているところまでそのまま。フランスとのハーフのムウらしい。

切り分けたガレット・デ・ロワの中からこのフェーブが出てきた人は、王様(女王様)になれるのです。王様(女王様)になった人は王冠をかぶってその日一日みんなから祝福されます。

王様(女王様)と関連があるケーキというところまで、自分を絶対視するムウらしい。ムウに王モチーフは確かによく似合う。

苗字・名前

前回までは何とか仮説まで出せていたが、ムウについては検討が一切つかなかった。申し訳ない…
ムウの本名は楠夢羽。

一応、楠は佐賀、さらにはヤマトタケル(日本武尊)と縁があるようだ。

日本各地を平定したある意味日本の主要存在であること、そして死後白鳥(=羽)になったことなどはムウと繋げられなくもない。
しかしヤマトタケルは戦いにあけくれた存在であり、また戦いにおける行いは卑怯でありながらも自分で道を切り開く知性や強かさがあり、ムウの性格の要素は感じられない。よって現状パス。情報提供お待ちしています。

疑問点

・被害者の靴下の色問題
他の考察を見て気づいたが、被害者がトイレから出てきてムウの前を通りすがるときの、靴下の色が被害者のものと違う。

紺色
それ以外の場面では白で統一

このシーンのおかげで、そもそも被害者は本当にあの場面にいたのか?それすらムウの被害妄想ではないか?という考察も一部されているらしい。自力では気付かなかったのでかなり驚かされた。
私としては靴下の色が全て同じでもシナリオの意味がほぼ通るので、なぜそこでだけ主張するのだろうか?と少し謎。
しかし作画ミスではない可能性もそこそこある。考察阻害に気を遣ってか、コンテンツ内のミスについてはMILGRAM公式がきちんと対応していた例がある。

上のリンクは、ユノのボイスドラマ内の台詞にミスがあった際の訂正。
重大なミスであれば公式は言及しそうなので、ないということは意図的なのだろうか…。とはいってもMV側の作画ミスの訂正については聞いたことがないので、これも断言できない。(そもそも訂正報告がこれしかなかった)

でも被害者の通過すら被害妄想、という説があっても他の部分の考察はそこまでブレないので、発想としては肯定できるほう。

・書き文字は婉曲表現?

MVにたまに入るライトグリーンの描き文字。正直意味を見出せてはいない。
ムウの描き文字にしてはかなり乱雑。尋問におけるムウの字は丸っこい。
自分を美しく見せるムウの本心に反した激情のある内心を表している…ともとれるが、根拠がないので断言しない。

・殺した後も虐められたのか問題
時系列項でも話した、1(最初の黒板)シーンが実在したのか問題。

黒板右の時計はいつも16時を指していて、舞台もずっと夕焼けの中で起こる。

ムウが被害者を刺したのは夕刻。そのあと1のシーンが発生したとすると、ムウと加害者は下校路から学校に逆戻りし、なぜか加害者は警察に通報する前、あるいは通報しながらもムウを再度虐めて帰宅。ムウはその後教卓で寝たことになる。
夕刻はそこまで長くない。16時は夕刻が始まったばかりの時間なのだが、殺人して教室に戻って虐めをして寝てまだ16時というのは無理があると思う…。
砂時計という婉曲表現が含まれるのもあって、個人的にはこのシーンは殺人後を揶揄した実在しないシーンだという説を一応推している。
あえて別の説を挙げるとするなら、「少年院に行ってほしい」などの暴言は別にムウが殺人をしていないのに書かれたただの言いがかりで、時系列通りムウが普段虐められているときに書かれた黒板だというものがある。

まとめ


一番精神的に難易度が高かったので、最後に何とか自分の中で愛せて良かった…という安心感が一番です。これもメロンフラペチーノあってのことです。
字数は21,500字。思ったより少なめ(多いわ)。MVの情報量が意外と少ないのが原因かも。うーんこのあたりを推移していくのか…。

ハルカ達ら先に尋問を受けた囚人は「ミルグラムにおいて隠し事はできない」と聞かされていましたが、ムウはそれを聞かされていませんでした。だからいつまでも言い訳や隠し事をしていたともいえます。仮に言っていたらどうなっただろう…。錯乱したんですかね…。
かなり攻撃的かつ話し合うのが苦しい相手ではありますが、彼女は特別な狂人ではありません。だって、自分のした事を棚上げって世の中にありまくる心理じゃないですか。
彼女も例に漏れず、人間社会にありうる心理から生まれたキャラクターだと思うんです。

いじめはいけない、だからかわいそう、でも自分も虐めていて因果応報、許せない、でも彼女だけの問題ではなかった、何がいいんだろう…と、感情を何度も変化させながらの考察は、ほかの囚人の時と異なる意味で楽しく、のめり込むことが出来ました。
あとMV考察に向いた手段がパズル式だったのも良かったです。ハルカ式は本当にきついんです…!

ムウには裁定じゃなくて対等な話し合いが必要だと思います。でもそんなことがミルグラムで可能なんだろうか…
フータにしろムウにしろ、2人の世界が広がることを願います。
一緒にスタバ行けばいいんとちゃう?

ど~~~でもいいですが、ポケモンで言うならハルカはいわ・じめんタイプ、ユノはノーマルタイプ、フータはほのおタイプ、ムウはどくタイプだと思います。
(ハルカみずでは?と思う方は一応私の弱肉強食考察「苗字・名前」項をどうぞ)

ここまでお付き合い誠にありがとうございました!
次はシドウの楽曲・スローダウンです。いよいよ大人曲だー!!

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