マジックと向き合うということ

マジックはプレイヤーによって色々な楽しみ方がある。大会で勝利することに一番の喜びを感じる人、統率者でわいわい遊ぶことが好きな人、アートとしてのマジックを楽しむ人、etc…

隠さずに書くと、私は「マジックで金銭を得る瞬間」に一番の喜びを感じている。所謂スパイクである部分も大きいし、それ以外の要素もあると思う。

大きな大会で賞金を獲得すること。
相場の安い時にカードを仕入れて高い時に売ること。
配信を見てもらうことで店の認知度が上がる(=売り上げにつながる)こと。
MOが好きなのもリーグで勝てば儲かるからだ。
(スポンサードは常に募集しております。)

「好きなことだけで生活する」ことへの憧れが強かった。強すぎたから、脱サラして通販サイトの運営も始めた。通販を始めたのは、ほぼ全てのフォーマットをプレイしていて相場の知識が人よりもあったこと、私には現状競技一本では厳しいこと、そして何より本気でマジックと向き合いたかったから。30代40代になってから取り返しがつかなくなることを恐れていたので、なるべく若いうちに行動に移した。いつか自分が死んだ時に後悔するような人生を歩みたくなかった。

中高時代は東方projectの同人カードゲーム「Phantom Magic Vision」をプレイしていた。私がカードゲームと真面目に触れ合うのはこれが初めて。Visionは「半年に1度(コミケ等で)頒布される固定の2000円カードセットを3つ買えば常にすべてのプールを得る」ことができた。1年間に12000円を払うだけでどのプレイヤーも資産差なくデッキが組めることができたのだ。この魅力が当時中高生の私には大きかった。環境はかつてのモダンに近いと言えば良いだろうか、各々が好きなデッキを組んで様々なデッキが勝てるといった感じで本当に素晴らしいカードゲームだった。ルールはマジックを元にした部分も多く、Visionの大会後にマジックのフリプをしているプレイヤーも結構見かけた。

今から6年前にVisionのサービス終了アナウンスがあり、その影響でマジックに移ってきた。これが私が大学生のころで、「戦乱のゼンディカー」辺りから始めている。今でも《森の代言者》は最も好きなクリーチャーだ。Visionからマジックに流れ着いたプレイヤーも多く、今でもVision時代のコミュニティで繋がってマジックをしているし、この経験が無ければマジックはプレイしていなかっただろう。

大学時代もマジックにハマっていたが、今よりはカジュアルに遊んでいた。周りにスパイクはいなかったので、2019年のGP京都は一人で乗り込んだ。当時バントネクサスを使っていて、山にスタンプが押されたプロキシカードをジャッジに貰いに行ったのが思い出に残っている。当時学生の私には金に余裕がなかったが、優勝して賞金を得るつもりだったので問題なかった。行きは夜行バスで、帰りは賞金を使って新幹線で帰るつもりだった。結果は5-3で、ぎりぎりDay2に残れない中途半端なスコアで終えることとなった。

私はネットカフェで一晩を明かしてから金券ショップで一回分の青春18切符を探し回り、半日かけて鈍行で帰宅。帰宅途中に綴った文章も残っていた。最後のまとめ部分のみ抜粋。

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「競技スタンを続けるにはそれだけの資金とやる気とコミュニティが必要」

ここに全てが詰まっていた。

紙のスタンは諦めたが、この辺りから本気で競技に熱が入り始めたのかもしれない。MOでは少額の初期投資で妥協しまくったなんちゃって緑トロンを組み、リーグでtixを増やす。そうして妥協なしの構築の緑トロンを組み上げて更にtixを稼いだ。稼いだtixで色々なデッキを試していた。MOは実質無料だ。

2020年、3月には大学を卒業して社会人になろうとしていた時に世界的なパンデミックとなった。就職後すぐにリモートとなり、時間が作れたことでかなりの練習量を積むことが出来た。このチャンスを生かすべく、自信のあったモダンで毎週PTQに出てはTop8を繰り返して5月中旬に優勝。初めてPTの権利を獲得した。練習量で殴っていたので、この時はモダンの全てを理解出来ていたような気がした。そのくらい勝ち続けることが出来た。


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PTは初のアリーナで行われた。大した練習も積めず、Day2進出はしたものの賞金$500だけを得て終了。競技コミュニティにも入っていなかったことも含めて完全に情報弱者で、ここでもコミュニティの重要性を痛感することとなる。


そして時が流れて今。
ここ最近はテーブルトップの大型大会で(勝ち切ることは出来ていないが)ある程度の成績を残すことができた。周りの友人やコミュニティのお陰だ。雲の上の存在に感じていた人達と対戦したり話したりする機会も増えていて、心からマジックを楽しいと感じることが出来ている。

・The Last Sun 2020(パイオニア/レガシー) Top8
・The Last Sun 2021(スタンダード/モダン) Top4
・MMMF 2020 Top8
・MMMF 2022 Top8
・第1期/3期 モダン”彩”強
・モダン神挑戦者決定戦/レガシー神挑戦者決定戦 Top8


それでも、現状には満足できていない。「好きなことだけで生活する」状態にはまだほど遠かった。PT権利だって一度得たきり逃し続けているので、賞金のチャンスすら掴めていないのだ。周りからチヤホヤされていて、少なからずどこかで満足してしまっている自分が居たのだと思う。

まだ諦める気は全くない。
PTに出場しなければならない。PTで勝たねばならない。
今後も競技マジックを最優先に考えて行動していく。

同時にMTG専門店うるざやも継続していく。
より利益が出る方法求めて試行錯誤しながら導き出していく。


マジックはプレイヤーによって色々な楽しみ方がある。
今はまだ、マジック・ザ・ギャザリングを本気で楽しみたい。

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