恐怖!地元民も怖れる「ポニョ」心霊スポットのタレコミ情報
岡田斗司夫です。
今日は、2019/09/08配信のニコ生・岡田斗司夫ゼミ「宮崎駿を精神分析できるのが、『風立ちぬ』でも『もののけ姫』でも『千と千尋』でもなく、『ポニョ』である理由」からハイライトをお届けします。
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じゃあ、次の話題に行ってみましょう。『ポニョ』ですね。
久しぶりにネコロンの出番です。
【画像】ネコロン
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ネコロン:恐怖! 地元民も恐れる『ポニョ』の心霊スポットにゃあ!
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ということで、チャンネル会員池尻三津男さんからのお便りです。
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> 私は『ポニョ』の舞台になった広島県福山市に住んでいます。
> 前回の『ポニョ』のお話で、グランマンマーレの巨乳が小金井丸に迫ってくる部分で、小金井丸の船員が「観音様だ!」と叫びます。
> なぜ、グランマンマーレを見て観音様だと思ったのか不思議に思っていました。しかし、船に迫ってきたのが、巨大なおっぱいだと考えたら納得いきました。
> 鞆の裏には地元の人がよく知る観音様がいます。まさに崖の上にある観音堂なのですが、阿伏兎観音(あぶとかんのん)という航海の安全と安産、特に母乳がよく出るようなご利益あり、お堂の中にはたくさんのおっぱいの絵馬。
> 地元の船乗りは「大きなおっぱい=阿伏兎観音様の化身」だから、「あ、観音様!」と言ったのかということで、とても納得出来ました。
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これですね。おっぱい絵馬がいっぱいあるんですね。
(パネルを見せる)
【画像】おっぱい絵馬
手作りの、おっぱいを象ったやつが。
ええと、阿伏兎観音だけではなく、瀬戸内海には、岡山県などにも他のおっぱい観音がいっぱいあるんですけど。
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池尻さんの話はまだ続きます。映画後半のモデルになった場所についてです。
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> ポニョと宗介が後半で行く場所、実際の場所は福山グリーンラインとその一帯です。
> 観光リゾート有料道路福山グリーンラインは、その後、児童が殺害され死体が遺棄される事件があり、地元では有名な心霊スポットになりました。
> 地元の人間にとっては映画後半部は心霊スポットの目白押しです。
> 大津波の後、町の人が山の上のリゾートホテルを目指しているのは、なぜなのか? モデルとなったのは、どれもググれば心霊スポットとしての記事がいっぱい出て来る場所です。
> この世かあの世かわからないような映画で、町の人みんなが心霊スポットであるホテルを目指す姿に、地元民は恐怖を感じます。
> ホテルの看板がカメラの前を横切ったり、ホテルの存在をアピールしているように見えます。
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ということで見てみたんですけど。
(パネルを見せる)
【画像】宗介とポニョ © 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
確かに、宗介とポニョの船が行くシーンで、この「山の上ホテル」って看板が、不自然にこうシューッと通り過ぎるんですよね。何か意味ありげなんですよ。
この山の上ホテルというのは、宮崎駿がロケハンで訪れる20年くらい前に廃墟となったホテルだそうです。
「なぜ、みんなでホテルを目指しているんでしょうか?」って書いてあるんですけども。
もうね、この辺は「解釈したければいくらでもどうぞ」という、宮崎駿からのサインなんですね。
「『ポニョ』は死後の世界を描いた作品」という説もあるかもわからないけど、でも、この町の人たちはおめでたい大漁旗とかを出してもいるんですよね。
なので、『千と千尋』の頃にやったような、死を暗示させたり連想させるものを出すことで、中を読まれるということをやられたくないから、わざと反対のものも出して、ちょっとわかりにくくしているんですね。
そうやってわかりにくくしているからこそ、余計に宮崎駿の無意識がむき出しになっちゃってる映画になっていると思います。
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まだお便りは続きます。
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> 山の中の道路でリサの車が止まってしまいます。
> なぜ、車は止まってしまったのでしょうか?
> リサの車と同様に、観音様が通り過ぎた小金井丸もエンジンが停止しています。
> ちなみに福山グリーンラインの心霊現象として、とても有名なのは「車のエンジンがかからなくなる」というものです。関係あるのでしょうか?
> グリーンライン辺りの最後の疑問はトンネルです。なぜ、ポニョはトンネルに入るところで「ここ、嫌い」と言ったのでしょうか?
> モデルとなったのは、室浜トンネルか、阿伏兎隧道(あぶとずいどう)だと思います。児童誘拐殺人事件の時、トンネル近くに死体が遺棄されたため、トンネルも有名な心霊スポットです。
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こんなふうに書いてあって、「もう嫌だよ!」って思うんですけど(笑)。
でも、確かにそうなんですよね。
(パネルを見せる)
【画像】ポニョと宗介とトンネル © 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
シーンとしては、上からカメラが降りて行って、下まで降りて行くと、ポニョと宗介が手を繋いで入ろうとしている。この時、「止まれ」という字がハッキリ読めるように書いてあるわけですね。
もうね、やっぱり、かなり不気味なシーンとして、わざと作ってるんですよ。
この「子供2人が手を繋いで止まれと書かれた場所に入って行く」っていう光景、どこかで見たことあるなと思ったら、『ウルトラQ』という昔のドラマに「悪魔っ子」というエピソードがあったんですよね。
(パネルを見せる)
【画像】悪魔っ子 © TSUBURAYA PRODUCTIONS Co., Ltd.
これは「悪魔っ子」のレーザーディスクのボックスアートなんですけど。
トンネルとか線路というのは「あの世への道」というのを暗示しているんです。線路というモチーフは『千と千尋』で使ったので、今回はトンネルを使ったんでしょうけども。
この「2人で手を繋いで行く」については、ダイアン・アーバスという、アメリカの貧困とかそういうのをテーマにして撮っていた写真家がいたんですね。
19世紀の末から20世紀の頭くらいに、アメリカ中の貧困家庭で写真を撮っていたんですけど。その中で撮られた双子の女の子の写真が、やっぱり、すごく怖いイメージだったんですよ。
そのダイアン・アーバスという写真家の双子の写真のイメージは、後にスタンリー・キューブリックの『シャイニング』という映画でも使われました。「双子の女の子が手を繋いで出て来る」というだけなのに、ゾッとするという。このシーンは、やっぱりダイアン・アーバスの写真の持っていた不気味さというのを強調してるんですけど。
この「悪魔っ子」というのも、その辺りを強く意識しています。こういうふうに「小さな子供2人が手を繋いで道を行く」といったら、僕らはやっぱり、こう、ちょっと怖いものを感じてしまうんですよね。
と、同時に、ストーリー的にいえば「嫌がるポニョを連れて行く」というのが大事なんですね。
なぜかと言うと、これは宗介の試練なんです。「これからの人生、宗介は夫の義務として、ポニョが嫌がることもやらせなければいけない」と。
「ポニョが蓋を開けてしまったパンドラの箱を戻し、この世界を洪水から救う」という、神話的な試練のシーンでもあるから、こういう構図になっているんでしょうけども。
でも、なんかやっぱり、ちょっと薄気味悪いですよね。
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最後、「エンディングの背景の街が作中に出ている街と違う」という指摘もありました。
「エンディングの絵では海に向かって左側に灯台があって、右側に宗介の家がありました」と。そうなんですよ。
(パネルを見せる)
【画像】家から街へのシーン © 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
これ、宗介の家から街に向かうシーンなんですけど。海が左側にあって、宗介の家は後ろにあります。造船所が奥にあるんですね。
ところが、エンディングでは、位置関係が逆になっている。
(パネルを見せる)
【画像】エンディング画面 © 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
エンディングでは、カメラが左の灯台が見える風景から、ずーっと右に流れていって、街があって、養老院と保育園の合体したものがあって、さらに宗介の家があるんですね。つまり、宗介の家と、造船所や保育園の位置が左右逆になっちゃってるんですよ。
「左右が反転してるのかと思いましたが、造船所やひまわりの家の位置関係は正しく描いてあります。なぜでしょうか?」という指摘がありました。
これね、確かに矛盾しているんですけども。まあ、最後に語ろうと思います。実は、ここは明らかに意識しているメッセージの部分なので。
この「エンディングで見える街と、映画の中に出て来る街の配置は、なぜ左右逆なのか?」というのは、今日の有料放送の最後で話します。
まあ、大雑把に言うと、これこそ宮崎駿が仕掛けた大トリックなんですね。これまでの自分の作り方というのを、全部ひっくり返して辿り着いた、かなり面白いエンディングだと思います。
あと、実際、今、見せたエンディングの絵の上にスタッフリストが出てくるんですけど。このスタッフリストにも、実はあるスキャンダルが隠されているんです。
こっちは、プレミアムの放課後放送で話す予定です。
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もうね、ここまで25分くらい話しました。
前回、途中で休憩を入れるとかなり楽だったので、ここからは3分、休憩入れますので、トイレに行きたい人はどうぞ。
まだ無料放送は続きますけど、再開は8時28分くらいにして、僕はちょっと休憩してますから、トイレに行ってらっしゃい。
そうだな、今日はコーヒーもあるから、コーヒーを飲もう。
*「コメント拾って」(コメント)*
はいはい拾うよ。
*「3分待ってやるといって、3分待たないムスカ方式」(コメント)*
なかなか良いですね。
*「積みプラ作りましょう」(コメント)*
あのね、積みプラ作ろうと思ったんですけど、愚かなことにレゴを爆買いしてしまったんです(笑)。
なので、ちょっと今月はレゴをやって、あとは『千と千尋』の湯屋のジオラマ作らなきゃいけないので、そっちの方がなかなかシンドそうなんですね。
*「ブレランIMAX」(コメント)*
ああ、「見たいな」と思いながらもね。
池袋の超巨大なIMAXで映画を見れると、メッチャ良いそうですね。というか「4Kで『ホルス』を見るとすごく良い」って話を、氷川さんが今日、Facebookで書いてたので、「ああそうなのか」と思って。だから、ちょっと見たいものはいっぱいあるんですけど。
*「なんのレゴですか?」(コメント)*
うーんとね、買った中で一番シンドそうなのは……とりあえず、基本的に僕は街が好きなんですよ。だから、レゴで街のシリーズを買ってるんですけど。
でも、もう3年くらい新しいのを買ってなかったので、新しく出たのが溜まっていたので、それを買ったんですけど。
あとは、一番古い形のミレニアム・ファルコンのレゴを買ってしまって。もうね、小学生の机くらいのサイズの箱が届いて、目の前がもう本当にボワーっとしたんですけど。頑張ってやってみようと思います。
*「ジオラマはレゴで作ったら?」(コメント)*
そうなんですよね。最終的に、ジオラマはレゴで作れたらすごく気持ちがいいと思うんですけどね。
でも、レゴのオリジナルビルダーになれるほどのセンスも腕もないので、なかなかツラいですね(笑)。
やりたいと思うんだけどね。やりたいことがあるわりに、能力と才能にそんなに恵まれないので、シンドいでございますよ。
あ、28分になったね。じゃあ、そろそろ始めます。
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記事全文は、下記のnote記事もしくはKindle電子書籍でお読みいただけます(有料)。
宮崎駿を精神分析できるのが、『風立ちぬ』でも『もののけ姫』でも『千と千尋』でもなく、『ポニョ』である理由
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