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セレッソ大阪U-15で観た景色 ~Jクラブ一年目の挑戦~

2022年春、西翔生(にし しょうせい)選手は、中学進学に合わせて、セレッソ大阪U-15に入団した。それから一年が経過。西翔生選手のJクラブ一年目の挑戦を追った。

■小学4年生で全国大会に出場

 西翔生選手は石川県かほく市で活動する「FC湖北U12」でサッカーを始めた。FC湖北は2019年に石川県代表として「JFA第43回全日本U-12サッカー選手権大会」に出場。西翔生選手は、当時小学4年生ながら全国大会メンバーに選ばれ6年生と一緒に全国から集まった強豪チームと対戦。予選突破はできなかったものの、順位戦では西選手も得点することができた。この経験が夢を大きく膨らませた。

JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会(鹿児島)
JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会(鹿児島)
JFA 第43回全日本U-12サッカー選手権大会(鹿児島)

■5,6年生では悔しさも経験

 その後の2年間は全国大会出場はできなかった。6年生で出場した石川県大会では決勝に進み、キックオフ早々に西翔生選手がシュートを決め先制したものの準優勝に終わり悔しい大会となった。それでも「フジパンCUP北信越大会」や「北信越トレセン活動」など、U・12年代のトップ選手として経験を積んだ。

フジパンCUP北信越大会

■Jクラブへの挑戦

 6年生の夏、西翔生選手にJクラブ入団のチャンスが訪れる。FC湖北の監督がセレッソ大阪U-15への道をつないでくれた。夏休みにセレッソ大阪の練習会に参加したところ2次セレクションに呼ばれた。そして2次セレクション後に入団の内定をもらった。あっという間の入団決定だった。

セレッソ大阪アカデミー

■大阪へ引っ越し

 小学校を卒業した2022年春に、母と弟の三人で大阪に引っ越した。父は仕事の関係で石川に残り週末などに大阪に通う生活となった。弟も大阪の小学校に転校し、大阪のクラブでサッカーを続けることにした。生活環境は大きく変わった。西選手に聞くと「不安も少しあったが、それ以上にセレッソ大阪U-15でサッカーができることのワクワク感が大きかった」、「一緒に大阪に引っ越してくれた母と弟、石川から通ってくれる父に感謝しています」と家族への思いを話してくれた。

大阪通天閣周辺の街並み

■入団の決め手

 西選手に入団の決め手を聞くと「セレッソ大阪アカデミーは技術にこだわる印象があり、これからの自分のサッカー人生につながると思った」、「入団が決まったあとは、高いレベルでサッカーができることが楽しみだった」と入団決定当時の気持ちを語ってくれた。

セレッソ大阪トップチーム(ヨドコウ桜スタジアム)

■練習の日々

 セレッソ大阪U-15での練習は週3回。Jリーガの近くで練習する機会もあるそう。練習では「求められることが多く、競争も激しい」とのこと。取材中、ピッチで練習を見る機会がもらえた。コーチ陣は、身体の向き、トラップでのボールの置き場所、身体とボールの距離や角度などを細かく丁寧に選手に声かけしていた。すべてにおいて意図したプレーを求めている印象だった。
 また、取材に立ち会ってくれたセレッソ大阪のスタッフの方によると「練習後にコーチ陣だけがピッチに残り、指導の勉強をすることもある」とのこと。選手に高い技術を求めるコーチ自身も高い指導力を身に付ける努力を実践しているようだ。

セレッソ大阪U-15で技術の獲得を続ける日々
南津守さくら公園
セレッソ大阪U-15の仲間と練習
南津守さくら公園

■一年目の感触と今後の目標

 セレッソ大阪U-15での感触と今後の目標を聞いた。「一年目は要求される技術の獲得と激しい競争へのチャレンジの日々だった」、「二年目はAチームで試合に出続けることが目標」と力強く話してくれた。最近はセンターバックを任せられる試合が多いそう。ピッチ全体を視野に入れてゲームコントロールすることが求められるセンターバックでのプレーは貴重な経験となる。
 将来は「海外の5大リーグで活躍する」ことが夢で「それには技術の積み上げが必要」と本人は言う。チャレンジし続ける気持ちと地道に技術を身に付けようとする姿勢を感じた。セレッソ大阪U-15二年目の活躍に期待したい。

夢の実現に向かって

■石川県の仲間への思い

 最後に石川の仲間への思いを聞いた。U・12当時の仲間には「ありがとうと伝えたい」、FC湖北のコーチ陣には「セレッソ大阪U・15への挑戦を導いてくれて感謝しています。いつか恩返しします。」と力強く語ってくれた。照れながらも穏やかに話してくれた西選手の人間性を感じるインタビューだった。

インタビューに応える西翔生選手

取材では大阪での生活の様子も聞いた。学校生活も楽しくサッカー以外の友達とも遊んでいるようだ。大阪の人は「明るくてノリがよくて面白い」そうで日々楽しく生活していることが感じられた。インタビューでは関西弁を交えるなど大阪になじんでいる様子で、セレッソ大阪U-15二年目を迎えて、ますます自身の力を発揮してくれる期待を感じる取材だった。前を向いてチャレンジし続ける西翔生選手をこれからも応援していきたい。
(取材/大田 均)

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