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思い出し怒気⑤

もう怒ってイライラしている場合ではない。
早いところ兄に今より家賃の安いところへ引っ越してもらいたい。

休みがない。
今度不動産屋へ行く。
来週には行く。

こんな言い訳がしばらく続いたが、会社の社長さんからも言われているらしく、やっと引越し先が決まった。

次は引越しだ。
駅は同じみたいだし、そこは自力でなんとかしてもらうとして、相変わらず今住んでいるアパートの不動産屋さんは私のところに連絡してくる。
(兄は既に信用を失っている)

兄から連絡があり、必要なものだけ運んで新しいアパートでの生活を始めているとのこと。
でも、前のアパートの引き渡しがまだ出来ていないし、片付けも終わっていないらしい。

はぁ?
そうだ。こういう人だ。
我慢がまん。

前のアパートの鍵を送ってもらい、とりあえずアパートの様子を見に行って来た。

洋服や生活用品はないものの、キッチンとトイレ、風呂場は見れたもんじゃなかった。
掃除も全くしていない状況だった。

これは私一人でどうにかなるものではない。
業者にお願いしよう!
ということで、遺品整理の業者数社に見積もりを取り、プロにお願いすることにした。

見積もりを取るにも現地に行かなくてはいけなくて、一日で終わらせるために数社の業者とアパート前で話をした。兄のアパートが汚すぎて、1分たりとも部屋に居たくなかった。

業者が決まり、別日に作業日を設定。

それにしても遠い。片道2時間は遠い。

作業が終わる頃に私もアパートへ行き、業者への支払いを済ませ、ゴミ出しにコンビニで買った不燃ゴミのシールを貼り、不動産屋さんを待った。

不動産屋さんへの引き渡しはすぐに済んだ。
さすがに同情されたが、不動産屋さんに愚痴るわけにもいかず、苦笑するしかなかった。

終わった。
これでもう兄とは縁を切りたい。
今回のことでかかったお金は返してもらうことは出来ないだろうけど、縁が切れるなら「くれてやる!」(夫が稼いだお金だけど)。