未参戦、成人式
イマドキyoungなぼくは成人式に行かなかった。成人式終わりに会った中学時代仲良かった奴らからの「あんなん行く意味なかったよ。」「マジ全校集会だった。」という話に少しだけ救われた気がした。でも行っておけば良かった気がするのは否めない。
成人式当日の夜、仲の良かった奴らと集まって飲みに行った。就職した奴もいれば誰でも名前を聞いたことのある大学に進学した奴もいて、はたまた高校5年生をしている奴もいて、あの頃は類が友を呼ぶことなんてなかったらしい。各々が別の道を歩んでおり、でもそれで山を奪おうとする奴がいないってのがぼくらの良いところだったと思う。気持ちよくみんなの話を聞いて、気持ちよくみんなに自分の現状を話す。良過ぎる時間だった。
後悔は冬休みが明け、大学に行ってからだった。大学では中学時代より明らかに陰だ。まぁそれは自らなるべくしてなっている気がするからいいのだが、誰もが成人式の話をしていた。しかもみんながみんな「駅前で喧嘩が絶えなかった。」だの「パトカーと救急車のサイレンが鳴り止まなかった。」だのと、地元の治安の悪さアピというか自分たちが1番あの日を楽しんでいたことにしたがっていた。
そんな奴らに「え!成人式行かなかったの!?あんなに楽しかったのに!」と毎回言われた。「いや、お前らよりもおもろく質の良い友人と飲みに行っただけで充分楽しいのよ。」とは言えなかった。そりゃ言わないよ。言ったら同じになっちゃう。だからここでこんな自分を正当化しようと思う。式とクラスの同窓会にだけ行って夜暇してた奴より、朝までギャーギャーしてたぼくの方が絶対に楽しんでいた。飲み屋をハシゴする道中で会う奴みんなと握手とハグして思い出を語り合えたぼくの方が絶対に友人が多かった。 サッカー部での飲みよりもクラスの仲良かった奴らとの飲みを優先するという、選択肢があるぼくの方が何百倍も幸せな中学時代を過ごしていた。お前らよりも成人式に行くに相応しいのは圧倒的にぼくだった。
でも別にいいのよ。みんな楽しかった。それでいい。