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三国恋戦記・感想考察文5 玄徳と孟徳は同族嫌悪、孔明と孟徳は水と油という話

ネタバレがあります。
恋戦記未プレイの人は見ない方がいいかもしれません

◆他キャラルートから読み解く孟徳ルート・玄徳/孔明ルート編
「玄徳と孟徳は同族嫌悪で、孔明と孟徳は水と油」なのかもというお話


孟徳さんが好きすぎて彼の本心が知りたくて
他キャラルートも再プレイしています
今回はPSvitaで玄徳ルートをプレイしました。
EDはバッド含めて全て回収しています。
PSPで全キャラ全ルート全エンドコンプしてからの
再プレイだったので学びが多かったです。
ラストオチやネタバレ全部知っててプレイするとやはり違いますね


玄徳ルートは孟徳さん本人の出番はかなり少なかったです
前半の共通パートくらいでしょうか
赤壁から敗走中の孟徳さんたちが玄徳軍に遭遇するイベントも
雲長と花ちゃんに九天九地盤を渡して
戦わず通してもらう他ルートでも見たやつで
孟徳ルートのような孟徳VS玄徳のバトルは見れませんでした
終盤になると孟徳さん本人はほぼ出てこずに
涼州対孟徳軍の戦いや、玄徳軍の人が孟徳のもとから帝をさらう場面も
ナレーションで済まされます
ちなみにこのあたりがナレーションで済まされていないのは
隠れ孟花ルートと名高い(?)ノーマルルートだけのようです
玄徳さんルートということで、ライバル的立ち位置の孟徳さんの
出番を期待していたのですが少なくて残念でした
ただ孟徳さんは本人ルートや文若ルートやノーマルルートで
いい扱いなのでこれ以上を望むのは欲張りですね


玄徳ルートの流れはノーマルルートに近いですね
孟徳のもとから献帝をさらって
遷都のために孟徳軍が守る長安を攻めます
玄徳軍に長安を奪われた孟徳さんはのちに丞相の位から降ろされます
あと涼州が玄徳軍と同盟して孟徳軍を防ぎます
終盤の玄徳さんが長安を攻めるときの演説は魏軍推しでも感動しました
玄徳さんはなんだかずるいですよね
策略家の孟徳さんと似た面も結構あるのに、それをあまり感じさせないのは、
玄徳さんの善良さや温かさの賜物でしょうか


孟徳軍から玄徳軍に帰ってきたときに
玄徳軍の皆が孟徳さんのくだらない悪口を
口々に言う場面があるのですが、なんだか笑えました。
色情魔とか貞操が無事でよかったとか……
芙蓉姫は孟徳さんが嫌いなんですよね笑
理由はナンパだからだそうで、芙蓉姫らしいと思いました
でも孟徳さんは自分を嫌ってる女の子の方が好きそうです
「都合がいいだけの女は望まない」人なので……。
 

そのあとで玄徳さんに「孟徳はどんな男だったか」と尋ねられます
(選択肢が出ます)
正解選択肢の「不思議な人」では「孟徳は本心をなかなか見せない食えない男」
「怖い人」だと「嘘は必ず見抜く恐ろしい男」
「ナンパな人」だと「(心配そうに)何かされたのか? 
そういえば芙蓉も同じ理由で孟徳を嫌っていた。
芙蓉と雲長(と俺)は一時期孟徳のところにいたことがある」
と教えてくれます。


玄徳ルートではルートに入るために
孟徳軍滞在時に孟徳と文若の好感度をあげないようにするので
孟徳さんが話してくれることが少し変わります


玄徳さんは花ちゃんを出会ったときから
信じてくれるのが温かいですね
「玄徳様は信じる人なの。仲間を疑うなんて考えられない」
これまで魏軍で疑り深い男たちの介護で疲弊していた身には
玄徳さんや玄徳軍の皆の温かさが沁みます
玄徳さん自身も優しく温かな人なので人望があるのがわかります。


玄徳さんは子供と一緒のスチルが二枚もあるので
保父さんのような印象があります
(子供たちと絵しりとり、赤子の帝をあやす)
魏軍ルートはギスギスのサスペンス劇場なのに
玄徳軍ルートは皆総じて温かかったです
過去に飛んだときも玄徳さんに
「今だっていきなり来れたんだから、きっとまたいきなり帰れるよ」
と適当に励まされたのが、なんだか笑えて安心しました
彼らしい励ましだなと思いました。
玄徳さんはずるいですね。笑
終盤では花ちゃんの告白を後押ししてくれる芙蓉姫がかわいいです
このルートの芙蓉と雲長は特に優しいですね


そういえば玄徳ルートで花ちゃんは
偽尚香さんから白っぽい玉(翡翠)の高価な装身具を贈られていましたが
文若ルートでも孟徳さんから羊脂玉(白っぽい翡翠で高級品)
の首飾りを贈られていて
あれこれもしかして同じ種類の宝石なのかなと思いました
(重要度は低いかもしれませんが
複数のルートで同じようなものが出てくると
何か意味があるのかなとメモしたくなります)
孟徳ルートのお忍び街中デートのときにも
孟徳さんに耳飾りを買ってもらいましたが
その時は白い翡翠ではありませんでしたね
街中の普通のお店で花ちゃんが選んだ別の石のものでした


玄徳ルートの終盤の恋愛シーンの流れが
なんとなく孟徳ルートを彷彿とさせる感じで
玄徳さんも孟徳さんも同じことを言っているのに
(本がなくなって花ちゃんが帰れなくなればいいと思った、
妻になってよなどです)
孟徳さんはヤンデレ風味サスペンス劇場で、
玄徳さんは光の保父さん系彼氏・少女漫画風味なのが面白いですね
玄徳さんに至っては恋人になってもいない両片想いの頃から
寝てる花ちゃんの唇に勝手にキスしてるのに、無罪放免なのが面白いです


三都賦で孟徳さんが玄徳さんに
「お前だって俺と同じムジナのくせに、
自分だけ善人気取りで気に入らない」と発言していましたが、
その意味が玄徳ルートの再プレイでようやく理解できた気がします
孟徳さんは自覚的にずるいというか
優しく外堀を埋めていく策略家ですが
玄徳さんは無自覚でちょっとずるいとこがありますよね
玄徳さんと孟徳さんの花ちゃんを挟んでのギスギスは
同族嫌悪なのかなと感じました


とはいえ孟徳さんも
「妻になってよ」にしろ「帰れなくなればいいと思ってた」にしろ
言うタイミングも言い方も悪いというか、
最高権力者にあのタイミングであんな言われ方をされたら
それは花ちゃんも疑心暗鬼になりますよね
孟徳さんご本人は、女の扱いが上手いつもりのようですが
孟徳さんの愛し方は女子をスポイルするというか
駄目な甘やかしになってる気がします
歌妓さんの「孟徳のそばにいると、
女はみんな彼の都合のいいように変わってしまう」
は変わってしまう女の子だけじゃなくて
孟徳さんにも原因があるように思いました


ただこれは孟徳さん個人が悪いんじゃなくて
孟徳さんが最高権力者で圧倒的な甲斐性があるから
話がややこしくなっているのかな
圧倒的に強い人に甘やかされたらたいていの人はダメになるので


話は変わりますが
ノーマルや文若や玄徳ルートの花ちゃんは
終盤になるとすごくしっかりした頼れる女の子になりますけど
孟徳ルートの花ちゃんは
他ルートと比べると若干ふわふわしてるというか
だから孟徳さんは不安になって囲おうとしたり
閉じ込めようとしたのかなと思いました
といいつつも孟徳ルートの花ちゃんがふわふわなのは
孟徳さんの接し方に問題があるような気もします
翼をもぎ取って囲おうとするから……


孟徳さんは多分、好きな女の子はめいっぱい甘やかしたくなる
タイプなのかなと思います。
自分が好きな子にすごく甘えたいぶん、相手もすごく甘やかすイメージです
駄目女子製造機ですね
でも三国時代の最高権力者という立場ではなく
現代日本のエリートサラリーマンくらいなら
孟徳さん本人もこんなに苦しんだり怯えられることもなく
普通に暮らして普通の幸せを掴めてたのかな……
(花ちゃんも「孟徳さんが怖いのは孟徳さんのせいじゃないのに」
と本人に向かって発言していた気がします)


玄徳軍ルートは
花ちゃんが最初に出会ってお世話になった面々ということもあり
自軍でホーム的な温かさや安心感がありますが、
もし花ちゃんが最初に出会ったのが孟徳軍だったら
どうなっていたかなと思うときがあります。
敵軍から下った捕虜という危うい立場ではなく
面白いお客さんという比較的平和な立場で過ごせそうですが
国家の中枢にいる権力者と恋をするのはやはり命がけになりそうなので
序盤は平穏でも終盤はサスペンス劇場になりそうです


このあたりについて孟徳さんは
「一番最初に君を見つけたのが俺だったらよかったのに」
「君を部下としてそばに置いていたら、
君の大切さに気付くのが遅れたかもね」と発言していて
(花ちゃんに嘘はつかないと約束してくれた孟徳さんなので
これらの言葉も素直な本心なのかなと推測しています)
花ちゃんも「私も孟徳さんが歌妓さんのそばにいるのを
見るのが辛かったと思う」と答えていたので
やっぱり魏軍の皆とは敵として出会ったからこうやって
ドラマチックな恋ができたのかなとも思います
(といいつつも花ちゃんが魏軍に拾われて始まる
恋戦記の物語も見てみたい気がします。どんな話になるかな)


とはいえ孟徳さんには早逝フラグがあるので、
終盤の軍議のときの
「もっと早く出会っていたら、もっと一緒ににいられたのかもね」
という発言には涙ぐんでしまいました
発言自体はごく普通なんですけど
残り時間の少ない早死にフラグのある人に言われてしまうと、泣けてきます
魏軍は問題児が多くて恋愛もサスペンス劇場なんですが
孟徳さんは残り時間の少なさや甘えたがりなところが切なく
文若さんは生真面目さと表裏一体の危うさが切ないです


玄徳ルートなのに孟徳さんの話ばかりですみません
玄徳ルート自体の感想も書こうかなと思ったのですが
そうすると時間がいくらあっても足りなくなるので
申し訳ないのですが割愛させてください
一応「玄徳ルートの感想記事ですが孟徳さんの話しかしていません」
と注意書きを付けていますが
不快になった方がおられたら申し訳ないです


◆◆◆


次は孔明ルートの孟徳さんです


孔明さんのバドエン「光の中に消えた未来」の
「――……(幸せになってね)」は最高でした
いつも音声を切って無音プレイしている人は
エンドリストから声ありで再生してみてください
テキスト表示は「――……」なのに
声優さんは「幸せになってね」と発言されています


孔明さんは健気ですよね。あまりにも健気で謙虚すぎるので
孟徳さんのしつこさを見習ってもいいのにと思いました笑
孟徳さんは高嶺の花でも自分の手の届くところまで
引きずり下ろそうとするタイプですもんね
(恩返しに来た鶴も帰れなくして手元に置こうとする人ですが
こういうやり方をすると、
手の届かない相手をモノにできる代わりに
相手の特別感や神聖さは失われてしまう気がしてます)


ここまで想う相手への価値観が正反対の男二人は
さぞソリが合わないだろうと思うのですが
案の定ノーマルルートの孔明さんと孟徳さんは
特に気が合わないようですね笑
孟徳さんは立場とか過去の所業のせいもあり、
敵軍の特に男子たちとは大体不仲ですが 
孔明さんと玄徳さんとは特に気が合わないだろうと思います
玄徳さんと孟徳さんは同族嫌悪で
孔明さんと孟徳さんは水と油かなと思っています


孔明ルートも王道のタイムリープものという感じで
とても良かったです
十年間花ちゃんに宛てて書き続けた届くことのない手紙とか、
やっぱり泣けますよね
子どもの頃の初恋の君を待ち続けた孔明さんは
他ルートでは毎回失恋してるのかなとも思いましたが
他キャラルートの花ちゃんは(ルートにもよりますが)
過去で亮君とそこまで濃密に関わることもないので
亮君が花ちゃんを好きになることもなかったのかな……
とはいえ少しの接点でも恋をしてしまうことはあると思いますし
タイムリープものの読解は難しいですね


漫画の孔明編の赤壁の戦いのところの
「同盟軍の炎が鳳凰を覆いつくす業火となるように」
とかも孔明さんが格好よくて好きです
孟徳の緋色の装束には袖に鳳凰の絵がかいてあるんですよね
(公式ビジュアルファンブック一夜常夜より)
上手い暗喩だなと思いました


赤壁は魏軍推しにとってはつらいですが、
恋戦記の物語上でも非常に重要な位置づけの戦いで
物語冒頭の花ちゃんが図書室にいる場面でも名前だけ出てきて、
その時に花ちゃんが「軍師ってかっこいいな、やってみたいかも~
赤壁の戦いって聞いたことあるな~」と願って(?)しまったせいで、
恋戦記の全てのルートにおいて、
赤壁の戦いが終わった時点で一度、九天九地盤の表紙が青になります
(持ち主の花ちゃんの志が成って本の白紙が全部埋まったため)
(雲長√で説明があったと思います)
そこから花ちゃんが「まだ帰りたくない」
「〇〇さんを助けたい」「戦いをなくしたい」と願うと黄巾党の時代に飛び
「もう帰ろう」と願うと帰還エンド(バッドエンド)になるんですよね
九天九地盤の設定ってきちんと練られていますよね……


相変わらず孟徳さんの話ばかりですみません
それでは今回はこのあたりで失礼いたします


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