三国恋戦記・感想考察文２　ノーマルルート編（孟花中心）

ネタバレあります。
恋戦記未プレイの人は見ない方がいいかもしれません

◆ノーマルルート感想（孟花中心に）

PSvitaでノーマル√を再プレイしました。
EDは花ちゃんが死ぬもの複数と羽扇も含めて回収してます。
PSPで全キャラ全ルート全エンドコンプしてから
改めてプレイしたノーマルルートはやはり学びが多かったです。
ラストオチやネタバレ全部知っててプレイするとやはり違いますね

まずは序盤。
このあたりは雲長さん・孔明さんの優しさが身に染みます
特に雲長さんはあえて花ちゃんが超えられる程度の障害になって
超えさせてから皆の前で褒めてくれたりして
この世界にきたばかりで何もわからない・何もできない花ちゃんの
（玄徳軍での）居場所をつくろうとしてくれていました。
序盤の雲長さんは厳しいふりしてすごく優しかったですね
雲長さんは本人√プレイしてネタバレを知ると印象が大幅に変わりますよね
序盤の冷たさは花ちゃんを危険な戦争から遠ざけたかったから
このあたりは無知な花ちゃんをいきなり軍議にぶち込んでへこませる
厳しくて無配慮な芙蓉姫とは好対照でした。
序盤の花ちゃんに辛辣な芙蓉姫と比較すると、
序盤の雲長さんが冷たいふりしてもいかに花ちゃんを思いやっていたかがわかると思います。
（ただこれは雲長さんとか玄徳さん孔明さんが優しすぎるだけで
芙蓉姫の対応が普通だと思うんですよね……）
赤壁で敗走中の孟徳さんから花ちゃんの本を取り返してくれるのも雲長さんでしたね

孔明さんの花ちゃんへの優しさについては
本人ルートで語りつくされているので省きます。
（余談ですが孔明√バドエン光の中に消えた未来のテキスト表示「――……」で
声優さんが「幸せになってね」とつぶやく演出は神すぎて泣けました）

ノーマルルートもとても大好きなルートです
このルートの花ちゃんはすごく強くて賢くてカッコいいですよね
あの丞相曹孟徳に仕事で勝ちます
恋戦記の世界ではあの曹孟徳やあの劉玄徳がついになしえなかった
「戦争のない平和な国を作る」を花ちゃんがリーダーとなって実現させます
すごいです。
このルートだと花ちゃんは孟徳さんを
博望、新野（追いつかれましたが逃亡の目的は果たしました）、
赤壁（仲謀軍と）、荊州南部奪還（仲謀軍と孟徳軍のすきをついて漁夫の利）、
涼州の計5回退けています。連戦連勝の負けなしです。
ここまでやれば、そりゃあ最後孟徳さんは警戒して攻めてこないし、
軍師花ちゃんを欲しがるようになりますよね
（勝てない奴は味方に）

最初は本を持っていても何もできなかった花ちゃんが
次第に本をうまく使いこなせるようになって
玄徳軍のみんなと協力して戦いに勝てるようになって
途中孟徳軍に捕まったり仲謀軍から帰れなくなって、一人ぼっちになっても
他キャラの助言を受けながら、ときには本の力もかりながら、自分で危機を脱出して
最終的には自分がリーダーとなって天下三分の計で
戦いのない平和な世界を実現するストーリーは
少女の成長物語としてもライトな軍記ものとしても面白かったです
そしてこのルートでは玄徳さんが優しい兄であり上司で
孟徳さんがラスボス仇役なんですよね。
ノーマルルートの丞相な孟徳さんも大好きです。
本人ルートでは見れない彼が見れますよね

ノーマルルートも好きな場面が沢山あるのですが、一番好きなのが、
過去編で花ちゃんと夜回り二人組が反乱軍として
孔明のお父さん（賊に襲われ死亡）が守っていた街を落としてから
花ちゃんが孔明（亮くん）の家に行くところです

孔明を心配してお家に行った花ちゃんですが
孔明のお屋敷の使用人に「孔明父を殺したのはお前だろう！この反乱軍め！」となじられて、
子供時代の孔明にも「きみはぼくのお父さんを殺した奴らの仲間なの？
きみはぼくの敵なの？」と尋ねられて、花ちゃんは傷ついてしまいます
「歴史を守るために、未来で戦争のない平和な世界をつくるために、
今は反乱軍の一員になって街を落としたけど、
それは死んだ孔明の父に仇なすことでもあったんだ」
「何が正しいか正しくないかわからなくなってきた……。
でも今の私のすべきことは、反乱軍の一員として反乱を歴史通りに成功させて、
歴史を変えずに元いた時代に戻ることなんだ
そうするしかないし、それをしないわけにはいかないんだ……」
とモノローグが来て、こういう場面孟徳ルートにも出てきたな……。としみじみしました。

反乱軍の味方をするのは「正しいとはいえない」けど今はそうするしかないし、
それが過去に飛んだ花ちゃんの今「するべきこと」なんですよね。
上記の場面では本当に、孟徳ルートの孟徳さんの以下の台詞が身につまされました。

「やりたいかどうかじゃなくて、やるべきかどうかしか考えてない」
「すべきことなら躊躇うべきじゃない」
「俺にしかできないことなんだ。
そして丞相である俺はやるべきだと知ってる（だからやるよ）」
「若い頃は正しいことだけをやって、いい気になってた（けど今は違う）
くだらない大人がくだらないなりに（リーダーとして）国を回してくれていたから」
（今は自分たちを守ってくれていた大人たちがいないから、自分が矢面に立たないといけない）
（どんなにやりたくない間違ったことでも、必要があるなら自分がやらないといけない）
（漫画版でも悪いことのできない玄徳さんに対して孟徳さんが
覚悟が決まってない、善人ぶってると批判する場面がありました）
「君は優しいんだね。だけど今の君のやり方じゃ誰も傷つけないかわりに誰も救えない」
「物事には様々な側面がある。誰かを傷つけていても誰かを救っていることもある」

過去に飛んで自分がリーダー的な立場になって初めてわかる
孟徳さんの↑の台詞の真の意味……。
非情になる必要性というか、孟徳さんのリーダーシップ論すごいなと思いました。
アラフォーのおじさまはさすがに人生経験とくぐった修羅場の数が違いますね
この伏線に気づいたとき改めてシナリオライターさんは神だなと思いました

孔明父の君貢さんが死ぬのは、
このノーマルルートと孔明ルートだけで、他ルートでは生きていて
なので他ルートの花ちゃんは攻略キャラの男性と一緒に
深く思い悩むことなく反乱軍と一緒に孔明父の守る街を落とすのですが
ノーマルルート（と孔明ルート）ではそれが変更されて
↑のエピソードが追加されて
孟徳さんの語るリーダー論が身につまされる展開になります。
そして最終的に過去に飛んで成長した花ちゃんが、
この期に及んで綺麗事に拘る玄徳さんに
「玄徳さんには理想があっても手段がない！」と啖呵を切る場面につながり
その啖呵のお陰で腹を括った玄徳さんが、自分の本拠地を他国への侵略で手に入れて
ようやく天下三分の計が成功して三国世界に平和が訪れて
ノーマルルートのエンディングを迎えるので
孟徳さんのリーダー論と
それを夜回り二人組たちに助けられながら苦しい出来事も乗り越えて
頑張って身につけた花ちゃんはすごいと思いました。

というか他の方の恋戦記ノーマルルート考察・感想文で
「黄巾党の時代に飛んだ時に直面する問題は
その攻略キャラクターが乗り越えなくてはならない過去（の問題）
ヒロインと一緒にその過去を乗り越えて成長して
攻略キャラとヒロインのふたりは元の時間に戻ってくる」
というのを見て、すごく納得しました。

孟徳さんは自ルートの過去編で、
自分を裏切った親友に再会して悩んだりしますが
ノーマルルートの場合は過去に飛ぶのは花ちゃんだけなので
このルートでは花ちゃん自身がが悩みながらも努力して
試練を乗り越えて成長して元の時間に戻ってくる
その試練が君貢さんの死なのかなとおもいました

というかノーマルルートで
ここまで孟徳さんが存在感を発揮するとは思わなくて
プレイしていて驚きました
そういうわけで孟徳さん好きな方はノーマルルートもお勧めです
ノーマルルートでは
悪役として花ちゃんたちに立ちふさがる丞相孟徳さんも見れますし
自ルート本人の語った彼流のリーダー論を
花ちゃんの視点で追体験することができます
そして最終的にノーマルルートの花ちゃんは仕事で孟徳さんに勝ちます。

ここまでくれば親愛なる孟花クラスタの皆様は、もうおわかりですね？
そう、ノーマルルートは隠れ孟花ルートだったのです！
仕事というフィールドで、
倒すべき強大な敵であり隠れ師匠であり偉大なる先輩だった孟徳さんに
花ちゃんが皆の力を借りて勝つという、裏・孟花ルート！
（これはさすがに誇張ですね。すみません）
最後は孟徳さんに「襄陽で出会ったときと雰囲気が変わったね」
と成長を褒めてもらえます。
あの孟徳さんに仕事で勝って認めてもらえるってうれしいですね

しかしノーマルルートでは
文若さんと公瑾さんが死ぬので悲しいですね
許都の宮殿から献帝を連れ出すところで、文若さんが言いかけたのって
もうすぐ丞相が魏公になるからやるなら今しかないって話ですよね。
多分この瞬間に自死を決めたのかなと思いました。
そして皇帝を連れ出されたことと文若の死により
孟徳を頂点とした政治が崩壊するんですよね

余談ですが夜回り二人組も大好きです。
本編に出てたの気づいて驚きました。
孟徳軍の兵士で子龍さんと花ちゃんの脱走を見逃してくれた彼らですね
（このシーンは魏軍ルート以外の多くのルートで見れると思います）
元譲さんと彼らも攻略したかったです

ノーマルルートとあと早安ルートでは、その他キャラのルートと違い
歴史書に名前の残らない無名の人たちとの絆を描いていますよね
「記録に残らなくて後の世の人たちの全てが忘れてしまっても
自分たちだけは覚えているよ」
こういうのも切ないですね。
ノーマルルートの最後では花ちゃんは元の世界に帰って
三国世界のことを忘れてしまうんでしたっけ……
たとえ花ちゃん本人が忘れてしまっても
三国世界のみんなは花ちゃんのことを覚えている
というのも切なくていいですよね。
ノーマルルートは花ちゃんが主人公の成長物語として
胸が熱くなってギュっとなる展開でとても良かったと思います

◆漫画・三国恋戦記全5巻感想（孟花中心に）

恋戦記の漫画1～5巻が届いたので読みました
ノーマル√ベースのお話で玄徳さん落ち・帰還せず
対抗馬孟徳さんでオマケで孔明さんという内容でしたね。
ノーマル√のお話も大好きだったので漫画で見れて嬉しかったです
ノーマル√では玄徳さんの下で孟徳さんと戦うので
玄徳落ち・対抗馬孟徳なのも納得できます
孔明√エピも入ってて美味しかったです
漫画1～5巻は籠中の鳥と違って孟徳さんの出番は控えめなのかなと思ってましたが、
対抗馬として終盤まで大活躍していて、孟徳さんファンとしては嬉しい誤算でした
さすがノーマル√の丞相は存在感あります
他√の孟徳さんはライバルキャラとしての魅力が輝きますね

漫画の孟徳さんは少女漫画雑誌や二次創作にいそうなイケメン様でした。
霊感ですけど漫画の孟徳さんはコミカライズにあたって
ゲームの孟徳さんとはあえてキャラを変えたんじゃないかと思っています。
わかりやすい悪役系ライバルイケメンキャラになってますよね
ゲームよりずっと若くて色気全開で感情表現もわかりやすくて
本心隠さなくてヒロインには甘くてで好戦的な、
玄徳さんより剣が強い孟徳さん(笑)で20代後半とか30代前半に思えました
ゲームの孟徳さんとはかなり別人感がありますが漫画の孟徳さんも大好きです。
多分こういう感じの彼を求めてるファンの人も
多かったんじゃないのかなと思いました。

コミカライズの作者さんはこのあたり本当に上手いなと思いました。
甘いシーンも入れて、難しいゲームの内容を
ちゃんと少女漫画として上手くまとめてましたよね
多分漫画ではまってゲーム始めた人多いと思います。
漫画の孟徳さんは二次創作とか少女漫画にいそうですよね
恋戦記の漫画もすごくよかったです
一部原作ゲームと違うこともありますが
これはあえて変えているんだなと納得できました。

余談ですが漫画の恋戦記で花ちゃんが
「玄徳さんは優しいから本を失った役立たずな私でも
笑顔で受け入れてくれて優しくしてくれると思うけど、
私はそんなふうに優しくされても逆につらいから、今苦しくても頑張る」
と啖呵を切るシーンがありましたが、
これは孟徳ルート妾エンドにも当てはまってますね……

◆漫画・籠中の鳥感想

こちらの漫画の孟徳さんはやはり自ルートだけあって
ゲームの彼に近づいてるなという印象でした
というか玄徳さん落ちの漫画の孟徳さんが別人感が強いんですよね
ですが玄徳さん落ちの漫画の孟徳さんも
籠中の鳥の孟徳さんも、ゲームの孟徳さんも大好きです。
籠中の鳥はラストシーンの
「俺、籠から放たれた鳥の気分だよ」も良かったです
ゲームの孟徳√ハピエンも良かったのですが漫画のラストも素敵でした
この漫画版のラストシーンにもゲームのED曲がとても似合いますね
特に二番のサビが似合います
「空と海　大地の果て　ふたり　どこまでも飛べる
強く強く繋いだ手　離さないように
愛の歌　かなでながら　世界に　花咲かせよう
未来へ続いてく道　ずっと描くよ」
これまで苦労したぶん、ずっと幸せでいてほしいですね。
もちろんゲームの孟徳さんにも幸せでいてほしいです

https://www.nicovideo.jp/watch/sm13057032

まだ思いでがえしのファンブックとか届いてないんですが
また届いたら読みたいと思います
それでは今回はこのあたりで失礼いたします

◆自分について
PSP三国恋戦記オトメの兵法！全キャラ全ルートコンプ済
なのですが本編の二週目追加エピソードは全部見たか不明です。
孟徳さんは見ました。
既読スキップや大量のセーブデータを駆使して
購入三日くらいで十キャラコンプしてしまったため、内容はまだ未咀嚼です。
ですが孟徳さんに沼りました。魏軍推しですが他キャラも好きです。
二周目追加エピの回収も兼ねて再プレイ予定なので
他キャラや世界設定については再プレイ時に考察を深めます。
PSvita三国恋戦記思いでがえしも
全キャラ全ルート全エピソードコンプ済なのですが、
こちらも魏軍以外は既読未読スキップ使って
二日で全キャラ全ルート全エピソードをフルコンプしたので
他キャラについては改めてプレイします。
三国志は正史も演義もミリしらです。このゲームで学びました……。
せっかくなので勉強して詳しくなりたいです。

◆現在手元にある購入品
PSP、PSvita三国恋戦記オトメの兵法！（PSPはコンプ済、vitaはこれからやります）
PSvita三国恋戦記おもいでがえし（コンプ済）
漫画・三国恋戦記全5巻「籠中の鳥」全2巻
「江東の花嫁」全2巻「とこしえの華墨」全2巻
三国恋戦記ビジュアルファンブック「一夜常夜」
ドラマCD孟徳編「過保護すぎる丞相」「永い旅路」
三国恋戦記オトメの兵法！サウンドトラック（EDが特に好きです）

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三国恋戦記思いでがえしビジュアルファンブック「十色永色」