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食卓のスター|問いのデザイン

今回読んでいる本はこちら▼

課題を定義するためには、まず目標を整理する。目標は、その性質によって「成果目標」「プロセス目標」「ビジョン」に分けて整理できる、とある。

「成果目標」とは、設定した期間において、最終的に到達したい個人や組織の状態や、最終的に生み出したい成果物の要件や質を規定したものです。(中略)
「プロセス目標」とは、成果目標に辿り着くまでに、問題状況の当事者たちにどのような気づきや学習が生まれると望ましいか、当事者たちの間にどのようなコミュニケーションが生まれると望ましいか、どのような関係性を重視したいか、など、プロセスにおいて重視したい目標です。(中略)
「ビジョン」とは、前述した「プロセス目標」「成果目標」の達成の先に、どのような状態を目指すのかを考えることで、「プロセス目標」「成果目標」の意義や目指すコンセプトを言語化したものといえます。
(pp85-86)

目標と一口に言っても、3つの性質はそれぞれ異なる。この3つを丁寧に検討することが、良い課題設定や、その先の良い活動につながるのだろう。

私は学生時代に、大学のある地域の小学校に、出前授業を行う活動をしていた。県・市・大学の連携事業で、学生と公務員のおじさんたちとで、膝を突き合わせながら、授業を受けてくれる子どもたちのために、あーでもない、こーでもないと日々議論していた。

その活動の中でも目標を定めていた。以下に整理してみようと思う。
成果目標は【授業の日の夕食で受講した子が『食卓のスター』になること】だった。「食卓のスター」とは、家族の会話の中心に躍り出ることだ。兄弟のいる人ならば、会話の中心が他の兄弟ではなく、自分になった時の誇らしい気持ちを思い出せる人も多いだろう。
「大学生の授業ってどうだった?」と聞かれた時に、内容を話して聞かせ、家族から「すごーい」と称賛を浴びるようにする、というのが授業をする学生の目標だった。

となると、プロセス目標は【内容に興味を持ち、家族に話せるように覚えて帰ってもらうこと】である。まずは話したいと思ってもらわなければ、意味がない。そして、家族の前で話せる程度に、子どもたちの印象に残り、覚えて帰ってもらう。そのための工夫を毎回凝らしていた。

そして、小学生のうちから大学を身近に感じてもらい、【日々の学習意欲の向上、知的好奇心の向上】することが最終的なビジョンだ。

と、整理してみた。もちろん、活動中は立ち止まって整理する余裕などなく、子どもたちからの率直なフィードバックを受けつつ、経験から学ぶ日々だった。卒業する頃になってようやく、目標が言語化できたのだ。

本書を読んでいて、少し、昔の言語化の成功体験を思い出した。

今日読んだのはこちらの3章あたり▼



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