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ストッキングはかなきゃかー、どうしようかなー、っていうただそれだけの話

気持ちが纏まっていないままこれを書いてる。いざ選択して面接に行けば多分記憶から追い出されるので、かたがつく前に人の目に触れる場所に何か言っておこうと思った。だから話が多分とっちらかっているが、まぁ、精一杯分かるように書いていく、つもり。

ストッキングをご存知か。あの、大抵薄橙色か黒かの、タイツより薄いアレである。

あれを明後日の就活に履いていくか否かで、今めちゃくちゃ困っている。多分履かないんだけど、面接が決まってからじわじわ悩んでいて、遂に今このたかがピロピロの布一枚に思考の半分くらいが持って行かれている。なんでこんなに困ってるのか分からんくらい困ってる。

みんなストッキングにしとけって言う。困ってる。困ってる自分に困ってる。

話が行ったり来たりするが最終的にはひとところに落ち着くので次に筆者の性別の話をさせて欲しい。

私は身体的に女性である。その事に困ったことはあんまりない。でも明日男性になっていても、多分あんまり、困らないだろうなと思っている。個人としては。立場上困るだろうがアイデンティティとして多分困らんという話である。

とはいえ事実、女性の見た目だから、スカートも普通に履いてきた。(あぁ、男でも多分スカート履きたかったんちゃうかな、と思う。スカート履けるから体が女でよかったわい、とも思う。男になったらスカート履けんで困るかもしれない)ストッキングも使ってきた。ヒールも一瞬履いてた。だからってなんだ、って話なんだが、女性「だから」なのである。男に生まれてたら多分、スカートもストッキングもヒールも経験してなかった自信がある。したいかしたくないかの問題が思いつかなかったんじゃないかと思う。したいなと思ってもしなかっただろうし。なんか、こう、「言い出さないと」触らないものだと思う。

さておき、生まれつき足が悪いのでヒールは早々にドクターストップが出た。実際、今は痛くて履けないし。ヒールが止まるとストッキングも登場しなくなる。ストッキングにスニーカーが合わんので。なんでかは分からん。俺もあんまり好きではない。

まぁ2、3年前はペったんの可愛い靴に時々ストッキングを履いてた。だんだん、やぶれるし、防寒にもならんし、御手洗不便だし、ストッキング履かなくなった。

そして明後日。就活でオフラインの面接に行く。オフラインの面接は初めてである。

ここで久々にストッキング君に顔を合わせることになった。なぜならスーツにはストッキングを履くものらしいので。

まぁまずこのスーツがもうほんっと……ほんっと嫌いなんですけど。いやスーツは好き。カッコイイので。スーツ着なきゃいけないのが嫌。でもここを掘り下げるとすげぇムズいのでTPOとスーツ、革靴の問題は飲み込むことにした。就活なのでスーツを着て革靴を履くことにした。それはいい。よかないが。

まぁ革靴とは言え駄々をこねてぺったんの革靴を手に入れた。パンプスをはけと言われたけど、子どもがピアノの発表会に履くような革靴(という言い方が適切なのかは分からんが、あのベリベリーって真ん中のストラップをマジテで止める、先の丸いあれだ)を手に入れた。マジで微妙に踵はあるけど、妥協点だった。だせぇとか目立つとかもうどうでもいい。俺の足の方が大切。

そしたら今度はストッキングである。泣きたい。なんだもう。見ねぇだろ誰も。なにも蛍光オレンジの靴下履きたいって言ってんちゃうぞ。靴擦れするから靴下がいいって同居人に何気なく言ったら、結構ガッツリ止められた。スカートなら分かるけどパンツスーツでも駄目なんか、って言うのが驚きだった。ファッションの問題からすれば別にそんな変じゃないと思ってた。いいじゃん黒の靴下で。男性陣はビジネス靴下じゃん。何がちゃうの。

女性の靴の方が靴下が見えるスペースが多いでしょ、と同居人は言う。あなたのその靴に靴下は変じゃない、と。俺が遊びに行く時その革靴に靴下を履こうが何も言わないくせに。

「靴擦れするんだよ。」
「絆創膏貼って行きなよ。」
「なんでそこまでしてストッキングにせなあかんの。」
「ていうか、別に靴下でもいいけどさ。目立つよ。多分女性はみんなストッキングだよ。」
「いや、」

そもそも私女性じゃないし。

これは言えなかった。おぉ言えないんだって自分でびっくりした。同居人には別に隠そうとはしていないけど、積極的に言うこともしてないから。見事に詰まった。

「でも履いていったら、ストッキング履けって文化を肯定することになるじゃん。女性はストッキング履けって不文律の肯定に参加するみたいじゃん。」

こっちはちゃんと言った方。

で、まだ悩んでいる。悩んでいるのだが、なんで悩んでいるのかがだんだんわかんなくなってきたのである。

ストッキングに私女性じゃないしの理由で嫌悪感を抱くと、今度は男がストッキングを履いちゃいけないことになる。いけないわきゃねぇのだ。わきゃねぇけど俺は面接開場にストッキングの男がいたら多分動揺する。動揺する自分にも今動揺している。

履きてぇやつに履かせときゃいいのである、何事も。と思う。TPO的にはそうじゃない。とも思う。秩序は必要。ほんとかよ。

女性がストッキングを履かなきゃあかん事が問題なのか、俺が女性の格好をしなくちゃいかんことが問題なのか、自分がどっちにモヤッてるのかもうわからなくなってきた。いや女性の格好ってなんだ。女性の格好って……なんだ……

なんでたかだかストッキングでこんなに思考しなきゃならんのや。ストッキングくらいはけ。でもストッキングだと靴擦れするんよ。てか踵はないから痛むところは痛まないけど、別の問題としてあの靴靴擦れするんよ。スニーカーじゃダメか。つかスーツ着なきゃダメか。書いてないやん。スーツ今手術跡に擦れるんや。駄目かーーー!

TPO、めーーーーーちゃむずい。大抵長いものに巻かれるタイプなので、ストッキングで行くのかもしれない。絆創膏貼って行くのかもしれない。わかんない。決めらんない。

多分これは面接官的にはクソどうでもいいことなんじゃないかと思う。俺が靴下だろうがストッキングだろうが落ちる時は落ちるし受かる時は受かるんじゃねぇかと思えてならない。流石に手術跡に擦れるからってダルダルのズボンでいったらマイナス点つきそうやが。

もーつべこべ言わずにスーツ同様飲み込んではきゃいいのだ。1日ぐらい。かわいい靴とかカッコイイ靴とか履きたくて靴擦れ我慢することなんて、時々あるし。

でもなんか、なんか、女性じゃないしって思ってしまう。ストッキング履いて可愛い服きてスカート履くのはふつーにいいんだけど、なんでだろう。一番のポイントは靴擦れじゃない気がしてる。

気分によってはストッキング履いて可愛い服きてスカート履いて遊びに行けるのに、なんでか女性もののパンツスーツ着て、革靴履いて、ストッキング履いて面接しに行くのがなんか泣けるほど嫌なのだ。ぜーんぜんなんでか分からん。すげぇ嫌だ。

靴擦れなきゃいいと思ってたんだけど、「女性じゃないし」って言い返そうとしていえなかったさっきの瞬間からほんとーーーにストッキング履きたくなくなってしまった。俺の中でもストッキングは女性ものなのかもしらん。なんでや。誰が履いてもいいだろあんなもん。布やぞただの。

ストッキングを明後日の就活に履いていくか否かで、今めちゃくちゃ困っている。多分履かないんだけど、面接が決まってからじわじわ悩んでいて、遂に今このたかがピロピロの布一枚に思考の半分くらいが持って行かれている。なんでこんなに困ってるのか分からんくらい困ってる。ただそんだけの話。

……突然朝持ってるストッキング全部裂けたりしないかな。そしたら靴下履くしかないのにね。しないな。


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