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Ladies, Gentlemen, And Other people, Including Me.

 今回の話に持ち出すと話が脇道にそれてしまうため詳細は省くが、「キンキ―ブーツ」の舞台映像をyoutudeで目にした。実際に舞台を見たわけではないし、あらすじも知らんのだが、繰り返し出てくる「レディース、ジェントルメン、そしてまだどちらかを決めかねているそこのあなた」というフレーズに(ん、んーーーー)と思った話をしたい。

 インターネッツの海で見る限り、本家はどうも

Ladies and gentlemen, and those who yet to make up their mind.

でよいようだ。こっちのほうがいいね。ただここにも”yet to make up”、まだ決めてない、というニュアンスがあるから、つまり、”make up”してくれってことになっちゃうわけだが。でもこれは別に何と何に決めろ、とはいってないからまぁヨシ。

 問題は翻訳のほうである。「どちらかを」決めかねている、つまり「レディース」か「ジェントルメン」にのちのち決定することになっちゃわないかい。

 文脈が分からんから何とも言えんけど、とりあえずこのフレーズが有名処として独り歩きするレベルの決め台詞ならばここだけ切り取っても、とりまいいでしょう。これしか目にしない人も多いだろうから。

 そのうえでいいたい、これ、ちょっと、傷つく、かも。かんがえすぎじゃろか。でも、僕、別に今世「レディース」か「ジェントルメン」決める気さらさらないんやが。「レディース、ジェントルメン、そしてまだどちらかを決めかねているそこのあなた」、の挨拶に「レディース」か「ジェントルメン」か決めないと決めた僕の居場所がない。

 本当にひとりひとり違い過ぎて、列挙なんかできない。でも事実レディースとジェントルメンが世界のほとんどを占めているので、パーセンテージ的には

Ladies and gentlemen, (boys, girls,) and other people.

くらいでええ感じに1:1:1(爆論)になるんちゃうかい。まぁ一番いいのはご来場の皆様、ですよね。典型文としてあんまり考えたことなかったけど、今度からはLadies, gentlemen, and other people, including me. とでも挨拶することにしようかしら。

 常識として固まったフレーズも案外危ない言葉だったりする、ということに気が付かせてくれたって意味で、キンキーブーツの「レディース、ジェントルメン、そしてまだどちらかを決めかねているそこのあなた」はかなり鋭利なセンスの光るセリフだと思う。もしよければ、「まだどちらかを決めかねているわけじゃないそこのあなた」も拾ってくれると嬉しいね、なんて。

気に入って頂けたらサポートおねがいします 美味しいものを食ってまた何か書いてお渡しします、永久機関ってわけです……違うか