戯曲「サンドリヨン」第二回
第一幕第一場面:サンドリヨンの屋敷、客間
あたりの景色が目に入るようになると、どこかの屋敷の一室であることが分かった。一見豪華な様子だが、少し目を凝らせば掃除が行き届いていないことに気がつくだろう。人の住む気配が薄い。屋敷の大きさに見合わず、やけに静まり返っている。そこに、靴が床を蹴る音が二つ。一つは悠々と、もう一つがそれを追うように早い音を鳴らす。ドアが開いた。
先ほど見た女性が部屋に入ってくる。品の良いドレスをまとった女性だ。髪や肌からひどく疲れた印象を受けるが、