戯曲「サンドリヨン」第三回
第四場面:城、王子の執務室
ぱっと明かりがついた。次の舞台は室内のようだ。窓のない、本棚の置かれた部屋。おそらく執務室か書斎だろう。本棚も含め、置かれた家具は決して派手ではない。しかし、どれにも凝った装飾が施されているのが見える。
ペンの走る音に目を向ければ、青年が一人机に向かっていることに気がつくだろう。軍服を着た若い男性だ。その服、背格好は物語の始まりに目にしたものと同じであった。そしてそれ以上に、彼の顔には既視感があった。なにしろその顔は、先ほどの少年とどこか似