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テレビCMの新しい売り方を議論するセミナーをなぜ開催するか

1月30日(火)にウェビナーを開催する。「CTV時代のテレビCM データを駆使した新しい売り方を考える」のタイトルで、プログラマティカの楳田良輝氏にプレゼンしていただく。インテージの深田航志氏も登壇し、前説的に解説していただく。そんな構成だ。

ここで展開したい内容を先に簡単に説明すると、こうだ。

CTV時代にはテレビCMもネット広告の指標で売るようになる?→だったらインプレッションやCPMを基準にした売り方をいまのテレビCMに先に導入しては?→新しい指標をうまく使うことでテレビCMの価値を高く広告主に提案できるかも→広告主も結果的に納得で効果的な取引できてみんなHappy!

あまり簡単になってないのでもっと縮めると、CTV時代の指標を先取りして使えばテレビCMのいい売り方ができる?!ということだ。

日本テレビARMプラットフォームが起こす(?)変革

テレビCMの売り方は既に変わり始めている。日本テレビが始めたSAS(Smart Ad Sales)について知る人は多いだろう。すでに参加局は32局にまで広がっていると聞く。
続いて先日11月27日に発表したのが「ARM(Ad Reach Max)プラットフォーム」だ。担当の方にお話を聞いて、いたく感心した。

テレビCMの不便さ、不自由さを解消しネット広告の使いやすさに近づける。簡単にいうとそんな考え方だ。上のリンクからざっとリリースを読んでもらえばわかる。例えば、CM素材がデータ入稿になっても、まだ4営業日前に素材を搬入・確定させなければいけない。これを直前まで対応可能にするという。
中でも私が注目したのが「地上波×インターネット統合在庫セールス」だ。言葉通り、地上波とTVerのようなネット広告を区別せず同じ在庫から買ってもらえますよ、ということ。広告主からすると、届けたいターゲットにCMを見せられれば、テレビCMでもTVerでもいいわけだ。だが売り方が分かれているから別々に買っている。どっちでもいいからターゲットに届けてね、というニーズに対応できる。ただし、単位はGRPではなくインプレッションになるだろう。
インプレッションに換算すると地上波のテレビCMは安く思える。実は安いと思われがちなネット広告の方が高かったりする。もちろん、それはターゲティングできるからでもある。そこを同じ指標で同じ在庫として扱うとしたら、地上波CMの単価が上げられるのではないか?そう質問したら、「そうなるといいと思うが、必ずしもそれが目標でもない」と言っていた。結局、価格を決めるのは広告主だからだ。
ともかく私はARMの話を聞いて、これまでのGRPでスポット広告を売買する際の課題や矛盾を解決する方向性として興味深いと感じた。
なにしろPUTの下降はどう見ても当分止まらないだろうし、そうするとスポット収入は下がる一方になる。打開策の一つとしてARMは注目すべきではないか。
ARMはかなりCTV時代を意識した考え方だと思う。そしてその方向づけは正しい。だからこそ、2024年度末からの稼働なのだ。今すぐ一気に全てこうしたい、ということではなく、まずは1年間じっくり説明した上で、ある程度理解を得たところで、選択肢の一つとしてローンチするようだ。

プログラマティカ楳田氏のプレゼンと、それを元にした議論を

さて本ウェビナーではARMを語るわけではない。そんな新しい売り方が登場するのなら、いろんな新しい考え方もあるのではないか。CTV時代にテレビとネットを一緒に売る前に、ネット広告の売り方をテレビCMに敷衍してみると、新しい売り方が開拓できるのではないか、それを参加者とともに議論する場にしたいのが、私の企画意図だ。
そのポイントがCPMだ。プログラマティカの楳田良輝が提言する考え方を皆さんにプレゼンしていただく。

楳田氏は長らく企業向けにマーケティング戦略のコンサルティングと、それに伴うメディアプランニングをデータを駆使して提案、実施してきた方。つまり広告主側のニーズや論理を把握している。またネット広告のプランニングにも関わってきた。CPMを使ってネット広告に近い売り方を皆さんに提案してくれる。
楳田氏の話は少々ハードルが高いかもしれない(私も何回か聞いてわかってきた)ので、ビデオリサーチそしてインテージでテレビ局の方々にデータを提供してきた深田航志氏に前説で補足してもらう。深田氏から前提となる基礎知識や情報を話してもらった後で楳田氏のプレゼンを聞くと、きっとすっと理解してもらえると思う。
後半では楳田氏の提案について参加者の皆さんに質問したりつっこんだりしてもらいたい。ここはどうなのか、そこはこんなやり方もできないか。具体的に掘り下げてもらうことで、ひょっとしたら楳田氏の提案が導入可能な具体的な仕組みに昇華されるかもしれない。そんな期待も持っている。

ウェビナーの申し込みはこちらのPeatixページから。たくさんのご参加で議論が盛り上がれば嬉しい。

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