小説 高慢と偏見(ちくま文庫)

高慢と偏見 ジェイン・オースティン著
      中野康司 訳

古典に分類される本作だが、非常に読みやすく最後まで楽しく読めた。
当時読むのと、2022の現代読むのとでは捉え方や楽しみ方も変わってくるのかなと思った。

そんなに簡単に結婚してしまうものなのかと思ってしまったけど当時は付き合うとか同棲って感覚がなかったのか。時代背景や書かれた土地への知識があればもっと楽しく読めたかもしれない。
ただ、気持ちよりも社会的地位や財産前提で結婚を考えるところは現代日本でも通ずるものがなくもない。

登場人物一人一人に個性があって、読んでいて全く飽きない。コリンズ氏やベネット夫人なども今でもこういう人いるよなーと、愛しさすら感じる。

本翻訳しか読んでいないが、皮肉が効いた言い回しや登場人物の温度がダイレクト伝わってきてとてもわかりやすかった。

言ったら気位の高い人たちの恋愛物語だけど、ただの恋愛小説ではなく人間の浅ましさや愛しさなどを上手に描いていて、恋愛物が苦手な自分でも充分に楽しめたものだった。


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