佐野玲於さんに人生救われたオタクの話

佐野玲於さんのことを知ったのは、寒い寒い2019年1月のことだ。当時、私は三代目ハマりたての人間で、GENERATIONSのことはほとんど知らなかった。何気なしに見たフラフープをしている佐野玲於さんが可愛らしくて、興味を惹かれた。それが、始まりだったのだと思う。

GENERATIONSのPVを見たり、ジェネ高を見たりしながら、推しは誰だろうと考える時間はとても楽しかった。ジェネの皆は仲が良くて、バラエティ力が高くて、一生懸命で、私達をいつも楽しませようとしてくれる。その姿がとても魅力的で、どんどんジェネの事が好きになっていった。

佐野玲於さんを推しだと認識した瞬間は正直覚えていない。気がついた時には彼を目で追っていて、彼が画面に映ると心が躍るようになっていた。そこから、佐野玲於さんを推しつつ、GENERATIONSを追いかける日々が始まった。

2月、プリンスオブレジェンドの完成披露試写会で初めてGENERATIONSを生で見た。すごく、すごく衝撃的だった。突然暗転したステージで踊り出す佐野玲於。こんなにかっこいい人がこの世界にいたのか、と思い呆然とした。
その後に出てきた小森さんの足を使ったダンスも、すごい!!すごい!!しか言えないくらいすごくて、圧倒された。亜嵐くんも、メンさんも、裕太くんも、龍友くんと涼太くんの歌も、とにかく全てが最高で、私はずっとこの人達を応援していきたいと思うようになった。

そこから運と機会に恵まれ、2ヶ月に1度は佐野玲於を拝むことができた。東京スカイツリーの点灯式、BOT、朗読劇、シネファイ舞台挨拶、少年クロニクル、貴族降臨の試写会、再び朗読劇。数々の現場に足を運んだ。

その中で最も心に残っているのは、11月ナゴヤドームで開催された少年クロニクルだ。丁度、円盤に収録されている日に足を運んだので、あの日の情景は鮮明に思い出すことができる。
何の幸運に恵まれたのか分からないが、アリーナ6列目の席を取ることができた。ド緊張しながら会場で席につき、GENERATIONSの皆がステージに登場した時、自然に涙が零れた。
私はあの時間違いなく、世界で1番幸せな人間だった。
好きだとか、かっこいいとか、ダンスが歌が上手いだとか、いくらでも感想は出てきた。でも、それでも、いくら言葉を尽くしても、あの時の感情を言い表すことはできない。私が人生で1番幸せだった瞬間は?と問われたなら、間違いなくこの日と答えるだろう。
ただ、ありがとう、と思った。
私をここまで幸せにしてくれて、救ってくれて、沢山の喜びをくれて、本当にありがとう。そう心から思うことができた。

当時、私は体調不良と私生活の忙しさに悩まされ、ひどく心が参っていた。このまま死んでしまいたいな、と思った時も何度もある。それでも、生きてGENERATIONSのライブに行くことを夢見て、頑張ることができた。そして、あの時、生きていて良かったと思うことができた。

ずっと、自分のことが嫌いだった。こんな自分なんて生まれて来なければ良かったと思っていた。
けれど、GENERATIONSを好きになってから、GENERATIONSを好きでいる自分のことは好きだと、思うことができるようになった。これは、本当にすごいことだと思う。何故なら、彼らは18年間の私の呪縛を解いてくれたのだから。1人の人間の人生を、変えたのだから。それほどの勇気や、希望や、力を与えることができる彼らのことを、心から尊敬する。

それから2月に足を運んだ、兵庫での「もう一度君と踊りたい」の公演もとても心に残っている。
私は関東圏在住なのだが、もう一度君と踊りたいをオリジナルメンバーで拝むために、遠征を決めた。新型コロナウイルスが流行し始めた頃で、もうしばらく現場には行けないだろうなという予感があったのも、この遠征を決定した理由の一つだ。
会場で、前より顔を上げて本を読まなくなった佐野玲於さんに正直寂しさを覚えた。多忙で、練習時間が取れなかった可能性が高いので、仕方ないことではあるけれど。彼のお芝居が大好きで、声だけでなく表情でも演技をする彼の朗読が本当に好きだったから。
それでも、その朗読劇は素晴らしかった。途中から涙を流し、嗚咽で声が出せなくなった佐野玲於さんを思い出すと、今でも涙が出る。
物語の主人公が、自分のために日夜働く母親を見て、感情を吐露するシーンは涙無しには見れなかった。「しんどいのに」と嗚咽し、涙しながら、必死に言葉を紡いだ佐野玲於さん。きっと、彼のお母さんは必死に彼を育ててくれたのだろう。経済的に困窮し、やりたい事を言い出せない息子に、負い目を感じたこともあったのではないだろうか。
それでも、佐野玲於さんが立派な人間として、幸せになれるように、全てを捧げてくれたのだろう。私は佐野玲於さんのお母さんが、素敵な方で良かったと、心から思った。

話は少し変わるが、佐野玲於さんの文章はとても素敵だと思う。文章が上手いとか下手とか、そういう話ではなく、彼の人柄が表された、良い文章だと思うのだ。
佐野玲於さんは、お金の大切さや有り難さを知っている。それは、彼が幼少期経済的に困窮していたことが原因なのだろう。けれど、その時の苦しさを忘れず、私達ファンのことを慮れる彼は、やっぱりすごい人だと思うのだ。
そして、人を傷つけることなく、読んだ人を温かい気持ちにさせるような力を、彼の文章は持っている。相手を思いやりながら、自分の意見はしっかりと伝える。その真摯な姿勢に、惹かれるファンも多いのではないかと思う。

佐野玲於さんは間違いなく、私の恩人で、誇りで、大切な人だ。恋人でも、家族でもない人を、ここまで愛して大切に思えることは、この上ない幸福だと思う。そして、そんな素敵な人を好きになれた私は、幸せ者なんじゃないだろうか。自分が嫌いで、自信が持てなくて、泣いていたあの時の私に、そう伝えてあげたい。

長くなったが、ここに書ききれない思いや貰ったものも沢山ある。そして、それはこれから先もずっと増えていくのだと思う。世の中の先行きは不透明だけれど、いつかGENERATIONSに再び会う日を夢見て、頑張って生きていきたい。

最後に、私を救ってくれたGENERATIONSの皆さん、そして佐野玲於さんに心からの感謝と敬意を表し、この文章を締めくくります。

2020/7/1 おしゃぶ