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目の前で人が倒れた〜コロナ禍における一次救命処置〜


目の前で急に人が倒れた


今日、イオンに買い物に行って歩いていたところ、進行方向にあるソファに俯いて座っているおじさんが目に入りました。

距離が近くなり、カートに突っ伏しているんだなと認識した瞬間。

なんと、そのおじさんの体がグラっと傾いてカートと一緒にガシャーン!!!

床に倒れ込みました。


目の前だったので、すぐ声をかけるも反応がありません。

その時私は息子を抱っこしていて両手が塞がっていたので、近くで立ち止まって見ていた女性2人組に息子を渡しました。


近くの店のスタッフさんも駆けつけていたので救急車要請とAEDをお願いして、バイタルチェック。

呼びかけに反応や開眼はなし。
左右の手の爪を圧迫する痛み刺激には少し腕を動かすような反応あり。

呼吸と脈はやや早いけれど確認できました。

唇、手指ともにチアノーゼもなし。

倒れる際に頭を打った可能性があるので、あまり頭を動かさないように嘔吐を考慮して側臥位に。 

頭や手足に出血なく、目立った外傷は見られませんでした。

しかし。触れた時非常に熱く、異常な発汗があったので、店員さんに保冷剤をお願いしました。


持ってきてくれた保冷剤が2つしかなかったので、ひとまず脇の下をクーリングしながら救急車を待っていたところ、意識が戻りました。

まだ朦朧としていましたが、名前と年齢は言えたので一安心。

持ってきてもらった経口補水液を飲んでもらっていると、救急車が到着したので救急隊に倒れた時の状況と状態を伝えて、あとはお任せしました。

一応コロナの可能性を考慮して、念入りにアルコール消毒してから女性にお礼を言って息子も回収。


と、文章にするとすごいサラッとやったように見えますが内心めちゃくちゃ焦ってました…笑

息子は知らない人なのに泣かずに大人しく待っていてくれてよかった。


人が目の前で倒れるという体験、病院では急変などでたまにありましたが日常生活で遭遇したのは初でした。

病院だと周りにいるのが全員医療従事者ですし、ピッチでコードブルー院内放送をしたらドクターも飛んできてくれます。


でも今回はただのスーパーだったので、明らかに店員さんは慌てているし、周りに人だかりはできていましたが、近寄ってこようとする人はいませんでした。


いや、超急性期病院で働いた経験があってマジでよかった。


目の前で倒れた瞬間にやるべきことを考えなくてもわかってすぐ動けたのは、今までの経験があったからだと思いました。

きっと経験がなかったら固まってしまったと思いますし、なんなら息子を抱っこしていることを理由に駆け寄ってきた店員さんに全てお任せしてしまったかもしれません。


というか多分、そうしてました。


病院勤務を離れてもう1年以上経ちますが、体が覚えていてよかった。


ただ一つ反省点があるのが、息子をその辺にいた女性に渡したこと。

息子の安全確保をするなら通りすがりの見知らぬ人よりも集まってきていた店員さんだったなと思いました。

さすがにその時は人命が最優先で、息子の安全性まで気を回している余裕がなかった…。

その辺においたらハイハイで一瞬のうちにどっか行ってしまうので笑

預けたのがいい人で救われました。

コロナ禍の一次救命処置


今回は呼吸もあって心拍も確認できたので、CPR(心肺蘇生法)とAED(自動体外式除細動器)が必要なくてよかったです。

病院では基本的に心肺停止していたら心臓マッサージは医師と看護師さんがやってくれますし、口対口の人工呼吸をしなくてもバックバブルマスクという道具で空気を送り込むことができます。

こういうの↓

バックバルブマスク


ですが、道で人が心肺停止となった場合はこんな便利な医療機器はありません。

しかし、口対口人工呼吸は患者が感染症だった場合非常にリスキーなんですよね…。


ということで、この機会にコロナ禍における一次救急措置について調べてみました。

2020年5月に厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について(指針)」が示されているそうです。

コロナ禍でも人の命を救うために、できる限り感染防止に努めながら一次救命処置を実施する方法について、日本赤十字社がとてもわかりやすいページを作っていたので紹介します。


大きな違いは口対口の人工呼吸は行わないこと。

そして、処置開始前に傷病者の鼻と口にタオルやハンカチなどを被せること。

ポイントとして、傷病者に顔を近づけすぎないことも書かれていました。

一次救命処置の具体的手順としては以下に引用します。

(1)安全確認

(2)反応(意識)を確認。顔を近づけすぎないこと

(3)119番通報とAEDの手配

(4)呼吸を観察

(5)胸骨圧迫。エアロゾルの飛散を防ぐため、開始前にハンカチやタオルなどを傷病者の鼻と口にかぶせる。マスクや衣服などでも代用できます

(6)人工呼吸は行わず、1分間に100〜120回のテンポで胸骨圧迫を30回以上続けます(子どもへの人工呼吸は、その必要性が比較的高く、技術と意思がある場合に実施)。

(7)AEDを使用する

(8)心肺蘇生を続ける
日本赤十字社

詳しくはHPをご確認してみてください。


めったに経験する機会はないかもしれませんが、事故や病気、災害は突然起こります。

備えあれば憂いなし。

突然起きた時に対処できるよう、または大切な人の命を守れるように是非みなさんも一次救命処置の方法を身につけておきませんか?



ここまで読んでくださってありがとうございました。

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