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具体的に話すことが苦手な子供だった

僕は、具体的に話すことが苦手な子供だった。例えば、親に何か食べたいものを聞かれたとき、ハンバーガーを食べたいと思っても、ハンバーガーを食べたいとは言えるけど、それがどこのハンバーガーかを具体的に話すことが恥ずかしくてできなかった。だから、そのへんのスーパーで買ってきたハンバーガーを渡されても、間違いではないから何も文句は言えなかった。

大きなくくりとしてなら言えるけど、詳しくなればなるだけ恥ずかしさが増した。自分の好みが丸裸にされるような、そんな気恥ずかしさを超えた恐怖を感じていたのかもしれない。言わなくてもわかってもらえるだろうという、傲慢な姿勢のあらわれだったのかもしれない。結構大げさな気持ちで生きていたのかもしれない。

割り切れる部分も生きやすくするためのすべだけど、今でも結構大げさな気持ちで生きているような気がする。

日課の散歩は、風が強かった。いたるところが緑色に輝いて、初夏のにぎわいを感じた。雲の流れる速度が半端なくて、タイムラプスのようだと思った。


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