見出し画像

倒立する塔の殺人(皆川博子著)

やることなすことすべてに嫌悪感を与えてしまうジダラック(というあだ名の級友)の終盤近くでの一言が、胸に迫って苦しかった。自覚していることを告白するほど、悲しくつらいものはない。ジダラックというあだ名は、自堕落からきている。根本はミステリーだけど、少女たちの日常ぶりを、あだ名一つでも、垣間見ることができる。ただただ、ジダラックの幸せを願うばかり。最後でぐっと引きつけることを言うジダラックは、けっこうずるいのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?