ビジョンアプローチは、自考自動と自分ごとを生み出す / 会社の問題発見・課題設定・問題解決
こんにちは、秋山です。
「問題は山積みなのに、だれも解決しようとしない」これは本当に個人のやる気の問題なのか?今回ご紹介する本に、そのヒントが隠されていました。
ビジョンアプローチとギャップアプローチ
ビジョンアプローチは、理想とする将来像を定性的に描き、その実現に向けて各々が主体的に前向きに取り組む組織。一般的には、5-10年先の姿を具体的に描く。単年の目標は、ビジョンを達成するように逆算的に描いていく。OKRが代表例。
一方ギャップアプローチとは、定量的な目標を設定し、現状とのギャップをわかりやすく可視化することで、プレッシャーでマネジメントしていくもの。去年は前年比5%成長だったので、今年も5%くらいは…と目標を立てる。過去の延長線でしかないので、未来を描くことにはなりません。
「よっしゃ、ビジョンアプローチでやろう!うちのビジョンはこれ!さあさあみんな、自由な発想でアクションを考え実行してくれーー!」
ビジョンはあれど、実行がない。
そこから数ヶ月、せっかくコピーライターなんかを入れていいビジョンを描いたのに、一向に実行に向けたアクションが起こらない。なぜか?
【ビジョンが自分ごと化するプロセス】
自分ごと度
低いーーーーーーーーー→高
認知 > 理解 > 共感 > 行動
⓪ そもそもビジョン変わったの?知らなかった=認知されてない
① ビジョンの意味がよくわからないんだよね(カタカナとかも多いし)=理解されてない
② 意味はわかるけど、自分の業務に落とし込めない=共感されてない
③ メリットがなさそうなので、やらない=行動されてない
メンバーにとっては、ビジョンが伝えられても急に自分ごとにはなりません。組織の理想的な像が実現したときに、自分自身や職場がどう変わるのかイメージがついて、その姿が望ましいものでなければ、メンバーにとってはいつまで経っても他人事です。
では、どうしたら自分ごとに捉え、行動まで至ってもらえるのか。それは、経営者がビジョンを作った時のプロセスを、メンバーにも追体験してもらう必要があるのです。
ビジョン策定を追体験すると、自分が描く理想と経営の理想のギャップが見える
ビジョン策定のステップはいくつかありますが、本書の中では以下のとおり説明しています。①〜④をメンバーにも追体験させ、自分が描くビジョンと経営が描くビジョンにどんな共通限があって、どんな違いがあるのかを考えてもらいます。
共通点においては、メンバーも納得感を持つことができます。ギャップがああれば、それを解消したいと思い、積極的にビジョンに関わるようになります。全部共感してもらうことが大事なのではなく、自分ごととして捉えるために、自分でもビジョンを描いてみる、ということが大事になります。
理想を描くさい、まず必要なのが、自分と組織の強みを知ることです。ビジョンを描く際に必要なのは「YD感」「やればできる感」です。それがなければ、明るい話などできません。
強みを把握したうえで、理想を描き、それを周囲と共有します。自分の言葉で語ることで、自分が描いたビジョンであることを認識します。最後に具体的にどう実行するのかまで本人が考えます。
すくなくとも、2,3時間とってこれを考えることで、ビジョンが身近になり、「だったら自分は目の前の業務において、こうしてみよう!」と自考自動が芽生えていくはずです。
個人的感想
ビジョンに主体的に関わるために、自分でも作ってみる。というのは新しい視点でした。今までは、ビジョンを踏まえて自分の行動をどう変えるか?だけを考えてもらうことが多かったですが、それでは一向に経営とメンバーの溝は埋まらないのだと気がつきました。
また、本書のなかでMoTo指数が紹介されていました。詳細は、こちらのすばらしいnoteにまとめられているので、私がサマリーすることはありませんが、たった10秒6問で組織のエンゲージメント状態がわかる尺度として、とても有効だと感じました。
以上!
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