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【洋書多読】Charlotte's Web(再読)
Charlotte's webを再読・読了しました。
「Charlotte's Web(シャーロットのおくりもの)」は、E.B.ホワイトによる児童文学の名作で、初版は1952年です。物語は、農場で暮らす子豚ウィルバーと彼を救おうとするクモのシャーロットの友情を描いています。
お話しは、ウィルバーが生まれたばかりの小さな農場で、フェルンという少女によって命を救われるところから始まります。ウィルバーは成長し、別の農場に移されますが、そこでも食肉用に育てられる運命にあります。ウィルバーは新しい農場で孤独を感じますが、そこに住むクモのシャーロットと友情を築きます。
シャーロットはウィルバーを救うために、自分の糸で「SOME PIG」(素晴らしい豚)などの言葉を織り上げ、農場の人々の注目を集めます。シャーロットの努力により、ウィルバーは次第に有名になり…。
「Charlotte's Web」は、友情、犠牲、そして命の循環をテーマにした感動的な物語で、私たちに深い教訓を伝えて続けています。
古典的なアメリカ人好みの説話形態
クモと豚の友情を描く本書。クモのシャルロッテが親友のウィルバーが殺されてしまわないよう、ヒトに気づかれないように活躍して数々のミラクルを起こし…いかにも子供向けの児童書という感じのストーリーラインです。
が、この説話形態のパワーを侮ってはいけません。スーパーマンやバッドマンからディープインパクトに至るまで、アメリカのハリウッドは繰り返し繰り返しこの「パッとしない主人公が人目につかないようにアメリカの(地球の)危機を救う」という物語を制作し、彼の国の人々はそれを飽きることなく、百数十年にわたって消費し続けています。
世界中の富と金が集まるスーパーパワー、アメリカ。そのアメリカが巨額の富と労力を最新鋭のテクノロジーを駆使して同型の物語を繰り返し生産し、世界中に発信し続けることの意味ってなんなんでしょう?
僕は専門家ではないのでわからないけど、おそらくアメリカ人の意識の古層の部分に響く何かが、この説話形態にはあるのでしょう。
そう考えると、この『Charlotte's web』が米児童文学における名作として読み継がれていることにも納得がいきます。『グレートギャッツビー』や『キャッチャーインザライ』も同様にこの「誰にも気づか!ずに活躍する正義のヒーロー」を描いていることには変わりがないからです。
英語もとても読みやすい
古い英語の児童書というのはえてして英語が読みくかったりするものですが、本書にはそんな心配はありません。英検2級レベル、TOEIC700点以上レベルくらいの英語力からでも十分に物語を楽しみながら活きた英語に触れることができます。
しかもニューベリー賞受賞の古典的名作ときているんだからもはや読まない手はないでしょう。万人におすすめできる作品です。
そんなわけで『Charlotte's web』でした。
シンプルに「英語力が向上する」にとどまらず、文学史的な視点から俯瞰的に眺めることで見えてくる、アメリカ人のナショナルアイデンティティが表象化したようなこの不朽の名作の本当の魅力もまた、本書の多読を通じて感じていただきたいところです。
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