【洋書多読】Divergent(247冊目)
Veronica RothのYA小説『Divergent』を読了しました。
アメリカのYA小説の王道とも言うべき少女の成長譚は、『The Hunger Games』を彷彿とさせるものがありました。本国アメリカではかなり人気の小説だそうです。
日本人が「少年・少女では手に負えないロボットに乗り込んで巨悪と戦う」物語を繰り返し生産、消費するように、アメリカのティーン向け小説のヒット作には「戦いを通じて(フィジカルな戦闘に限らず、病気との戦いとかを含む)成長する少女の物語」が好きなようです。多分。
この手の「その国で固有に繰り返し語られる物語」というのは何らかのナショナル・アイデンティティを体現しているのかもしれないですね。
そんな感じの、良くも悪くもとても既視感の強い作品でした。
YAの王道を行く設定?
16歳になった少女が「無欲、高潔、博学、平和、勇敢」どれか一つのfactionを選び、選んだ派閥の試験に合格することでそのfactionの、社会のフルメンバーとして認められていくという設定は、それなりに哲学的な考察に富んだ内容を僕に想像させてくれたのですが、実際は割とシンプルなYA小説という印象でした。
お約束の恋愛なんかもあったりして、その辺の話の展開の仕方はいかにもティーン向けのそれという感じがしました。物語全体としてはシンプルなサイエンス・フィクションという感じで、ちょっと拍子抜けしたというのが正直な読後感です。
忙しさもあいまって余計に先に進むのが疎かになってしまい、読み終えるまでにとても時間がかかりました。
が、ネット上での評判なんかを見ていると、それなりに皆さん楽しんで読まれているようですので、決してこの物語のクオリティ自体が低いということではないと思います。あくまで僕の個人的な趣味嗜好にマッチしなかった、というだけのことです。
英語レベルはまあそれなり
英語のレベルもそれなりで、難しすぎず易しすぎず、という感じでした。
プロットがうまく好みに合えば、10万語超というボリュームはあまり気にならなくなるだろうと思われますし、有益な表現も多いですからそれなりに勉強にもなるだろうと思います。
そうでなければ、読みすすめるのはちょっと退屈だろうと思います。というか、英語学習という観点からいくと「多読」というのは手にとった本が好みに合うか否かによってその効果が遥かに変わってきますから、退屈を感じながら読む10万語というのは、よほど英語に対する高い意識とモチベーションがない限りは苦痛になってくると思います。
私事ですが先日TOEICで自己ベストスコアになる935点を獲得したということもあり、まだまだ成長の途中である英語学習者である僕としては、まさに「もっと英語ができるようになりたい!」というモチベーションにドライブされてどうにか最後まで読み終えることができた…という感じでした。
YLレベルは5.5〜6.5とのことですので、英語的にはそれなりにタフな印象をお持ちになられる方も多いと思います。
そんなわけで『Divergent』のレビューでした。
個人的には、この小説を読むのであれば『the Hunger Games』とか『Ready Player One』辺りの超ヒット洋書を多読するほうがいいと思います。これらを読んでその世界観にハマれる人であれば『Divergent』は十二分に多読するに値する一冊ということになるでしょう。
でも、そうでないなら…英語レベル、物語、などを考えたときに、積極的に手にとっていただくことをおすすめできるものではなさそうな、そんな漢字はします。
ただ、これはあくまで個人の感想ですので、あしからずご了承いただけると幸いです。
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