繋いだ手を離すこと。        手を繋げないこと。

手にしたものを失う恐怖と、手に入れられない恐怖と、どちらが怖いのだろうか。

手に入れられないものは、元々手に入れていないのだから無くても大丈夫。
手にしたものも、元々手にしていなかったのだから手放したって大丈夫。
それでも人は何かを求め、何かを手に入れたら手放したくないと思う。

手に入れるために努力することもあるだろうし、手にした安心から怠けてしまうこともある。

繋いだ手はしっかり握っておかないと離れていってしまうし、握り過ぎたら壊れてしまう。

一度手を繋いでその温もりを知ってしまったら、そこからは離れられないし、手を繋げないのは寂しい気もする。

無い人からしたら、ある人は羨ましいだろうけれど、
ある人からしたら、それを失う恐怖を感じているかもしれない。

手を離すから、手にできるものもある。
手にできた結果、手放したものもある。

あるものばかりに目を向ければ、足りないものに気づかない。
無いものばかりに目を向ければ、足りてるものに気づかない。

どちらがどちらということはきっと無いし、
きっとどちらも経験をしているのではないだろうか。

繋いだ手を離す怖さも、
手を繋げないかもしれない怖さも

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