なんだっけ国立大学法人法 改悪の中身は?〜すべてがNになる〜


2023年12月31日【3面】
 Q 臨時国会で国立大学法人法(国大法)が改悪されたというけど、どんな中身なの?
 A 東大など大規模な国立大学に最高意思決定機関となる合議体の設置を義務づけ、その委員を文部科学相の承認事項にします。大学自治を破壊し、学問への政治介入を強めるものと厳しい批判がでました。軍事研究が進むことへの懸念もあります。
 Q どこからそんな話がでてきたの?
 A もともとは10兆円の大学ファンドから支援を受ける国際卓越研究大学の認定校に合議体の設置を義務づける構想で、数百億円といわれる巨額の支援金と引き換えに政府や経済界の介入を迫るものでした。ところが文科省と内閣法制局との調整で、86ある国立大学のあり方を定めた国大法に卓越大学の仕組みを書き込むのはおかしいとの指摘があがります。
 Q だから卓越大学に限らず国立大学一般の話にしたのか。乱暴だね。
 A 大学ファンドは自民党の甘利明元幹事長ら政治主導で進められてきました。内閣法制局から指摘されるまで文科省がおかしさに気付かないのも、気付いた後に引き返すことができないのも、そこに問題の根源があります。
 Q 大学ファンドの運用は好調なのかい?
 A 購入した米国債が値下がりし、昨年は700億円近い損失を出しました。元手は国の税金と借金で、金融の専門家からは傷が浅いうちに撤退すべきだとの指摘が上がります。大学ファンドの廃止を含め、構想全体を見直すべきです。
 (2023・12・31)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?