見出し画像

徹底追及 統一協会 都倉文化庁長官が音楽 「スパイ防止法」DVD勝共と出版団体“同居”〜すべてがNになる〜

2023年9月25日【社会】

 作曲家で文化庁長官の都倉俊一氏(75)に統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の政治組織「国際勝共連合」との複数の接点が浮上した問題で、都倉氏が音楽を担当した映画のDVDを出版する団体と勝共連合本部が同じ建物に所在し、一つの部屋に“同居”していることが24日までに分かりました。(統一協会取材班)

 都倉氏が音楽を担当した映画「暗号名黒猫を追え!」は、勝共連合が推進する国家機密法(スパイ防止法)制定運動の一環で1987年に製作。2008年にDVD化され、出版元の「スパイ防止法制定促進国民会議」が1枚2000円で販売しています。

 同会議は映画の出演者やストーリーをホームページに掲載し、その中で「音楽は都倉俊一氏が担当」と紹介しています。

 この映画のDVDを日本共産党の宮本岳志衆院議員が入手。購入者への郵送時に同封された宣伝用のチラシによると、同会議の所在地は東京都千代田区九段南のビル2階です。

 勝共連合は3月、東京都渋谷区宇田川町にあった中央本部事務所を同ビル2階に移転しました。不動産情報サイトに掲載された同ビルの間取りを確認すると、2階は17・41坪(57・56平方メートル)のワンルームで、勝共連合と同会議が共用する形で事務所を置いていることが分かりました。

 同会議の2021年分の政治資金収支報告書でも、当時の同会議の所在地が移転前の勝共連合本部と一致していました。収入欄には、同映画の出版事業として3万8436円を記載しています。一方、支出欄に記載された人件費は0円、光熱水費も0円でした。

 宮本氏は「勝共連合本部の事務所をスパイ防止法制定促進国民会議が“間借り”しているとみられます。同会議が勝共連合と事実上一体である疑いがあり、映画の製作に協力した都倉氏の説明責任が問われる」と指摘します。

 映画が製作された当時は、霊界の恐怖をあおって高額なつぼや印鑑を売りつける霊感商法が急拡大し、統一協会の反社会的な実態も知られていました。

 『週刊新潮』(2008年6月26日号)のコラムで都倉氏は、この映画について「製作費は潤沢で(中略)音楽制作予算もいつもより多く、私も驚いたほどである」と振り返っています。同コラムでは、映画の製作に自民党を支持する組織の「支援」があったことにも触れています。

 文化庁宗務課は本紙の取材や宮本氏の問い合わせに、都倉氏の見解として「約40年前のことで、当時の記憶が定かではない」と答えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?