自民幹部、裏金に無反省“表に出せない支出もある”〜すべてがNになる〜

2024年3月11日【2面】

 「国会が終わって5時に帰宅して本を読んでいれば、お金はかからない」―。衆院政治倫理審査会に出席し、“反省”を口にした武田良太元総務相(二階派)ですが、「文芸春秋」3月号でこう語り、裏金づくりに無反省な姿勢を示していました。

 武田氏の発言は、萩生田光一前自民党政調会長(安倍派)、加藤勝信元内閣官房長官(茂木派)との鼎談(ていだん)で語ったもので、衆院政倫審の開催前に行われました。3氏は「会合費」「人件費」「手土産代」などに必要だとして、表に出せない支出もあると開き直りました。

 武田氏は、「当選回数が増えていけば、自分なりの『シンクタンク』を形成していかなければならない。そのための費用も手当しなくてはならない」と正当化。加藤氏も「さまざまな行事に参加したり、有権者から政策課題を聞くのにも人手が必要」と述べました。

 萩生田氏は、「立件されなかったのに、検察が期待値を上げたことで、『この人たちは悪いのに助かった』みたいに思われるのは、すごく理不尽な話」と語り、「党内からも『処分、処分』と言われて…」「“いけにえ”を出さないと終わらないような雰囲気」と恨み節を口にしました。

 萩生田氏は、おととしまでの5年間で政治資金収支報告書に不記載の裏金額が2728万円にのぼります。「事務所の引き出しに保管していた」と秘書に責任転嫁し、衆院政倫審に出席しませんでした

 また、野党が求めている企業・団体献金の全面禁止について「民間企業にとっては政治に携わるための参加料」(萩生田氏)と否定しました。

 3氏の発言からは、企業・団体献金の温存に固執し、裏金づくりに全く無反省な姿勢が浮き彫りです。(目)

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