次世代への選択 データで見る政治のゆがみ世界118位 遅れる男女平等〜すべてがNになる〜

2024年7月1日【2面】

 世界経済フォーラム(WEF)が6月12日に発表した世界各国の男女の平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」(2024年度版)によると、日本は総合ランキングで146カ国中118位でした。過去最低だった前年の125位から大きく改善とはなりませんでした。

 日本は、経済分野では123位から120位へ、政治分野では138位から113位へ、健康分野では59位から58位へとそれぞれ若干の改善がみられたものの、依然として低水準です。教育分野では47位から72位へと大きく後退しました。

 教育分野は▽識字率▽初等教育就学率▽中等教育就学率▽高等教育就学率―の4項目を基に男女の平等の度合いを判断してきましたが、24年度は、初等教育就学率を評価の対象としていません。

 後退の原因は、男女の高等教育就学率に差があることです。「1」に近づくほど男女平等とされる指数で、日本の高等教育就学率では、「0・969」と一見高い水準のように見えますが、日本の順位は107位で、主要7カ国(G7)では唯一、完全平等(1)ではありません。

 高等教育の就学率は研究者や医師など専門職の男女比にも直結します。ジェンダーギャップ指数では、政治や経済のジェンダー平等がとりわけ注目されます。日本がこれらの分野で大きく立ち遅れていることは事実です。一方、高水準にあるとされる分野・項目にも“見えづらい”ギャップがあり、是正していく必要があります。(随時掲載)

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