学問の自由 次世代に学術会議法改悪反対集会〜すべてがNになる〜
2023年3月14日【社会】
政府が日本学術会議法改悪案の国会提出を狙う中、学術会議会員候補の速やかな任命を求めている学者・文化人らによる「学問と表現の自由を守る会」は東京都内で12日、改悪反対の緊急集会をオンライン併用で開き、学術会議は政府のものではなく市民のものだと訴えました。
浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は、岸田政権は「軍事立国化」のために学術会議の独立性を奪う法改悪を狙っていると危惧し、小森田秋夫東京大学名誉教授は、研究の公開性を重視し秘密性を内包する軍事研究に慎重な学術会議は政府にとって「目障り」で、法改悪を急いでいると指摘。日本医学会連合の門田守人会長は法改悪反対の声明を同連合として早急に出した経過を報告しました。
元学術会議副会長の三成美保氏は、政府の人事介入で市民の困難を学術的に代弁する研究者が学術会議から排除されることを危惧。映画「教育と愛国」の斉加尚代(ひさよ)監督は「民主主義の根幹をなす教育と学問の自由を次世代に渡せるよう力を結集しよう」と呼びかけました。
元学術会議会長の広渡清吾氏は、政府の科学技術政策の問題点を指摘。田中優子法政大学前総長は、根拠を示さず法律を骨抜きにする手法が安倍政権以来続いており「日本全体の非常に大きな危機だ」と述べました。
長谷部恭男(やすお)早稲田大学教授は、厳しい規律にのっとらなければ学問は成立せず、その規律を研究者集団が自律的に決めるため、憲法に「学問の自由」が保障されていると指摘。「学術会議の人事が政府にゆがめられれば、害悪を受けるのは社会であり市民だ」と主張しました。
日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員が連帯のメッセージを寄せ、佐藤学東京大学名誉教授が、法案はいまだに閣議決定されていないと述べ、政府を追い込もうと呼びかけました。