防衛省中央調達 三菱重工が大幅増軍事費2倍化で軍需 企業の利益拡大狙う

                       2022年7月8日【2面】

米からの輸入も高水準

新聞誌面のスクリーンショット

 防衛省の2021年度中央調達(武器や燃料などの購入)で、軍需企業最大手の三菱重工の契約額が近年で最も高い4591億円に達し、7年ぶりにトップになったことが分かりました。同省がこのほど、日本共産党の井上哲士参院議員に回答しました。

 三菱重工の契約額はこれまでも国内企業でトップでしたが、15~20年度は、米国の武器輸出制度・FMS(有償軍事援助)に基づく契約額が国内企業を上回っていました。

 防衛装備庁によれば、21年度の中央調達実績のうち、三菱重工が契約した主要品目は新型護衛艦、地対空誘導弾ペトリオット、12式地対艦誘導弾などです。

 自民党は参院選で、軍事費の2倍化=「GDP(国内総生産)比2%」を公約。政策集「Jファイル」では、「『防衛力そのもの』の担い手たる防衛産業が適正な利益を継続的に確保することは必要不可欠」だと強調。政府が6月7日に閣議決定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針」でも、「装備品の取得に関し、国内の防衛生産・技術基盤を維持・強化する観点を一層重視する」としており、国内軍需企業の強化を掲げています。

 一方、FMSに基づく米国からの武器輸入も依然高い水準です。今年度予算に計上されたFMS予算額は3797億円で、前年度の2543億円から大幅に増えました。エマニュエル駐日米大使は昨年10月20日、米上院外交委員会での指名公聴会で、自民党が衆院選公約で初めて軍事費の「GDP2%」への引き上げに言及したことを評価。「日本が購入、追加を検討している装備は、日本の安全保障と米日のパートナーシップにとっても不可欠だ」と述べ、米国製武器の購入を強く求めました。「軍事費2倍化」に、日米の軍事利権が群がっています。


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