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夏の日差し

ほんの少しの距離だからと、
車に日傘を置いたまま
スーパーまでの道のりを歩いた。

太陽はちょうどてっぺんの時間帯で、
アスファルトの上にはまぶしいくらいに
日の光が当たっており、
日陰はほんのわずかしかない。

時間にしてみれば2分程度の距離だ。
足早にスーパーへと向かい敷地内へと入れば、
スーパー自体が作る陰で
日を遮ることができる。
だから日の光を直接浴びたのは
わずか1分くらいと思われる。

お目当ての銘柄の卵が買いたかっただけで
店にいた時間も短く、
会計を合わせても10分も満たない。

そうして車へと戻る帰り道、
首筋にはひりひりとした感覚があった。

帰り道ももちろん日傘はなしだ。
また首に日の光を浴びてしまう。
急激に胸に広がる不安に、
――日焼け止めは塗ってきている
――だから大丈夫
そう思いつつも、
日傘を置いてきてしまったことを後悔していた。

やがて首筋の違和感は治まったが、
この少しも気を抜けない季節に
どう寄り添えばいいものか悩ましい。

こんなにも夏の日差しは
強いものなのかと改めて実感するが、
日焼けしちゃったと
笑って流せる年齢ではもうない。

季節を感じることは大好きだが、
夏休みも半ばに入った今日日、
こうして受けた夏の洗礼に
私は少し滅入っていた。

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